COUNTDOWN (5) 完結

|2010/9/10(金曜日)-20:40| カテゴリー: ファンフィクなど
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 既に公開済みのフィクですが、blogに出した方が読んでもらいやすいというアドバイスをいただいたので、連載形式で出してみます。
 初めての方は先に、

  • COUNTDOWN (1)
  • COUNTDOWN (2)
  • COUNTDOWN (3)
  • COUNTDOWN (4)
    • をご覧下さい。

      ●PHASE 15 R&Dセンター・地下二十階

      ——南部君、P4には入れそうか?
       アンダーソンが通信してきたとき、南部は、P4入り口の前で佇んで、階段脇の部屋に置かれていた簡易マニュアルを読んでいた。
      「とても無理だ。認証データを書き換えるといった裏技が使えるかと考えたが、非常事態だから、そういった通常の手続は一切受け付けなくなっている。ばらまかれる前にウイルスを殺すしかないんだが……」
       南部は廊下を歩き出した。
      「モニターでこっちが見えるか?問題の箱は今どこにあるんだ?」
      ——実験ベンチは廊下側の壁にくっつけた配置になっている。入り口から測って、十メートルだ。あと三歩進め。そこだ。その壁の向こうに、箱が置かれている。壁の厚みと実験ベンチのサイズを考えると、廊下の壁から箱までは一メートルもない。
      「……くそっ!」
       南部は壁に拳を叩きつけた。直線距離では手を伸ばせば届く距離なのに、壁に阻まれて何一つできない。壁を壊す道具もないし、仮に壁を壊したとしたら、封じ込めが破壊されたと判断されて、即座に内部の焼却が始まる。
      「私は魔術師でも超能力者でもない、ただの科学者だ。壁を抜けるなんて出来るか!」
       静かな廊下に、南部の叫び声が響いた。自分の叫び声を聞いた南部は、目を見開いて固まった。
      ——南部君……。
       アンダーソンの沈痛な声が通信機から流れた。しかし南部はそれを聞いていなかった。代わりにその場で大笑いを始めた。
      「あはははは、何も自分で壁抜けしなくたっていいじゃないか……はははは」
      ——南部君、何を言い出すんだ。追い詰められておかしくなったのか、おい!
      「私は正気だ、アンダーソン。心配するな。方法を思いついた。プルトニウム保管庫の鍵を開ける方法を教えてくれ。今から地下十五階に向かう」

      ●PHASE 16 R&Dセンター 地下十五階

       配線用ダクトを来た時と逆に辿って、南部は地下十五階にたどり着いた。保安所の前に刺さっている線量計を引き抜いて、首に掛けた。この手の施設を使う時の、身についた習慣として、ほとんど無意識にそうしたに過ぎない。いつも通り、線量計を手にとって、数値がゼロを示していることを確認し、南部はその手を止めた。被曝の制限をどれだけ越えようが、今回は最後まで作業をするしかない。
      「モニターする意味は無いかもしれないな……」
      ——南部、どうした?
      「いや、何でもない。十五階の保管庫を開けたい。見たところ暗証番号のようだが……」
      ——日替わりの暗証番号だ。これから読み上げる。
       言われた通りに番号を入力し、南部は保管庫に入った。把手のついたケースに入ったプルトニウムを持ち、配線用ダクトへと向かった。

      ●PHASE 17 R&Dセンター・地下二十階

       南部は、保管庫のあるフロアを往復し、保管されていたプルトニウムを全て地下二十階に運んだ。薬品庫からは金属ナトリウムの瓶を持ち出し、他のものは地下十九階の実験室から調達した。
       プルトニウムのケースを乱雑に散らかしたまま、階段下の作業場所から作業台を引っ張り出した。廊下を引きずって、問題の箱に一番近い場所まで運んだ。別の小さな机も引っ張り出し、作業台を置いた反対側の廊下の壁にくっつけて配置した。円柱状のプルトニウムを取り出して、地下十九階で見つけた洗面器の片側に寄せてガムテープで固定した。折りたたみの梯子状の踏み台を作業台の上置いた。プルトニウムの残りをガムテープで束ねて、紐で縛り、踏み台の上部を通して下に引っ張り、反対側の机の脚に結びつけた。紐が切れれば、プルトニウムの塊がまとめて作業台の上に落下することになる。
      ——南部君、一体何をしているんだ?
      「ここでプルトニウムの臨界を起こさせるんだ、アンダーソン。これだけあれば十分だ。私は壁を抜けられんが、中性子は抜けられるからな」
      ——そんな……。
      「壁の向こうのウイルスを殺すのに、他に何か方法はあるか?さっさと周辺に避難命令を出せ」
      ——剥き出しの原子炉を作るつもりか!
      「アメガポリスを全滅させて世界を破滅に導くのと、臨界の後始末と、どっちがマシかよく考えろ!何のためのISOだ!放射能除去は普段やってる仕事だろうが!」
       通信機越しに叫んだ長官に向かって、南部は怒鳴り返した。
       爆発で散乱した白衣をナイフで切り裂き、金属ナトリウムの試薬瓶に満たされていた灯油に浸して、紐に結びつけた。白衣の切れ端を床に垂らし、その下に大型の濾紙を置いて、金属ナトリウムをナイフで取り出して接触させた。別の濾紙を切り、一部を重ねて床に配置した。二つの机にホウキの柄を渡し、ガムテープで固定し、実験用蒸留水のボトルに小さな穴を空けて針金で吊した。水が、重ねた濾紙の端に規則的に落ちていることを確認してから、南部は、洗面器に入れたプルトニウムを踏み台の下に置いた。紐が切れた時に落ちてくるはずのプルトニウムが、洗面器中のプルトニウムの出来るだけ近くに落ちるように配置する。
      「今紐が切れたら死ぬな……」
       南部は、洗面器を置いて静かに後ずさりした。水が順調に床に落下しているのを見て、階段を駆け上がった。
      ——南部君、何をやってるんだ……。
      「監視カメラで見ていてくれ。私が作ったのは簡単な時限発火装置だ。ボトルから落ちる水が濾紙を濡らし、滲みていって金属ナトリウムに接触すると激しく燃える。灯油を浸した布きれに火がつき、その火で紐を焼き切るんだ。吊したプルトニウムが洗面器の中に落ち、既に入れてある分と一緒になれば、臨界は越えるはずだ。しかし、核爆発は起こさない。建物の中に居たら被曝するぞ。レスキュー隊を直ぐに全員撤収させろ!」
       言いながら南部は廊下を走った。地下十九階の機械室から配線ダクトに入り、梯子を上った。既にダクトの中には煙が充満していた。南部は、入って来る時に使った小型の酸素ボンベを咥え、目を半ば閉じながら梯子を上がった。籠もっている熱気で汗が吹き出した。地下十四階付近で、梯子を握る手袋の表面が熱で溶け始めた。構わず駆け上がる。酸素が途中で切れた。南部は、酸素ボンベを投げ捨てた。梯子の温度は多少下がったが、溶けた手袋は手に貼り付いていた。地下十階の機械室にたどり着き扉を押して廊下に出ると、南部は激しく咳き込んで床に転がった。火災で発生したガスを吸ったのと、激しい運動の両方で、息が苦しくてたまらなかった。持ってきていたカバンも、ベルトに挿していた拳銃を廊下に放り出し、腕に通していたガムテープも外した。貼り付いている手袋を外して捨てた。懐中電灯は、シャフトを駆け上がる時に落としてしまったらしく、見当たらなかった。身軽になって、やっと南部はよろよろと立ち上がり、壁に片手をついて歩きながら、エレベーターへと向かった。
       レスキュー隊が残していった縄梯子に腕を引っかけたまま、南部はその場に崩れ落ちそうになった。目の前が暗くなり、上下がわからない。火災で発生したガスを吸って一時的に平衡感覚を失ったのだ。それでも、上に向かうしかなかった。南部は、手探りで縄梯子を上り、エレベーターのケージの上に這い上がった。
      「ISO本部の周りを二十周じゃ足りなかったか……素直にグラウンド二十周にしておくべきだったかな」
       レスキュー隊が残していったロープが数本に縄梯子二本、ケージの上まで届いていた。
       呟きながら、南部は、一階から降ろされている縄梯子にしがみついた。

      ●PHASE 18 ISO・R&Dセンター・一階

       警備室は大騒ぎになっていた。被曝の危険があるため、最低限の人員を残して退去命令が出された。ISO長官は、周辺ビルの地下への立ち入りを禁止するための手配に追われていた。幸いなことに、センター周辺もISOの施設で、商業地域や居住区は離れていたため、とりあえずの対応はISO内部だけで済んでいた。クリスマスイブで残っている人が少なかったことも、混乱の拡大を防いでいた。
       慌てて撤収してきたレスキュー隊は、耐放射線防護の装備を身に付けるのにてんやわんやだった。警備室には線量計が運び込まれ、ISOの原子力工学の科学者と技術者には、アンダーソンから緊急招集がかかった。
       これまで、両手を白くなるほど握り締め、黙って南部と警備室のやり取りを聞いていた鷲尾は、ヘルメットを机の上に置いて、エレベーターに向かって駆けだした。
      「どこへ行くんだ?」
       アンダーソンは呼びかけた。
      「南部を迎えに行く。もうそこまで来ているはずだ」
      「危険だぞ」
      「科学者同士の話に俺が口を挟んでも役立たないから今まで黙っていたが、これに関しては好きにさせてもらう」
      「待て」
      「止めるのか?」
      「私も一緒に行こう」
       廊下に出たアンダーソンは、サーベイメーターを持って待機しているレスキュー隊員に声をかけた。
      「一人脱出してくる。手を貸してほしい」
       鷲尾とアンダーソンは、エレベーターシャフトを覗きこんだ。一階から降ろされた縄梯子に、ケージの上に立った南部が捉まっていた。
      「おい、南部、上れるか?」
       鷲尾が呼びかけた瞬間、爆発音が聞こえた。エレベーターシャフトのあちこちから火花が上がった。縄梯子を上がりかけた南部の体が跳ね、そのままエレベーターケージの上に倒れ込んだ。
      「何があった?」
      「地下十四階で爆発。フラッシュオーバーです」
       アンダーソンの叫びに、警備室から誰かが答えた。
      「感電したんじゃないか、今の爆発でどこかの配線が壊れて……」
       鷲尾は、一瞬時計を見た後、反射的にロープに飛びつき、懸垂下降を始めた。「君までやられるぞ!」というアンダーソンの叫びは無視し、壁を蹴って下まで降りた。ロープの端を自分の足と胴に回して結びつけ、さらに余った部分を南部の腰に巻いて結んでから、南部を抱き上げた。
      「引っ張り上げてくれ、早く!」
       レスキュー隊員と一緒になって、アンダーソンは力一杯ロープを引っ張った。一階に引き上げられた南部は全く動かない。
       除細動器を持ったレスキュー隊員が近付いた。鷲尾は、南部に結んだロープをほどいた。アーミーナイフを出し、南部の左腕のブレスレットのベルトを切り、ナイフの柄でブレスレットをたたき壊した。一瞬光に包まれて、南部のスーツが元に戻った。
      「こういう新製品らしい」
       白皙といったほうが似つかわしい南部の顔は、普段よりもさらに青ざめて血の気を失っていた。
       鷲尾は、南部の黒いシャツを上までめくり上げ、胸をはだけさせた。胸に耳を近づける。心音は聞こえない。呼吸も止まっている。
      「頼む」
       一言だけ言って、南部から離れた。近付こうとしたアンダーソンの腕を取って止めた。
       レスキュー隊員が手早く南部に接点を貼り付けた。全員が離れたのを見てスイッチを入れた。南部が仰け反る。
      「戻ったか?」
       鷲尾は訊いた。
      「だめです」
      「電圧を上げる。もう一回!」
       スイッチを入れたのと、警備室からけたたましい警報が鳴り始めたのとが同時だった。
      「何事だ!」
      「臨界に達しました!放射能漏れの警報です」
      「こっちも戻りました」
       レスキュー隊員が叫んだ。別の隊員が、南部に酸素マスクを押し当てた。鷲尾は時計を見た。飛び出してから一分五十秒。このまま回復すれば、障害は残らない。
       外に出ていたレスキュー隊員が担架を運んできた。南部を載せて持ち上げた。眼鏡の奥で南部がゆっくりと目を開いた。
      「気がついたのか?」
      「南部君、私がわかるか?」
       鷲尾とアンダーソンが呼びかけた。南部は、担架を持ち上げるレスキュー隊員の腕を掴んで、起き上がろうとした。
      「死にかけてたんだ。寝てろ」
       鷲尾は、南部の腕を握った。
      「それは本当か?プルトニウムはどうなった?」
      「臨界に達したらしい」
       アンダーソンが答えた。
      「見届けさせてくれ」
      「担架を一旦警備室へ!」
       一瞬ためらった後、アンダーソンは隊員達に声をかけた。このまま南部を無理矢理救急車に押し込んだら、抜け出そうとして一悶着あるのが目に見えていた。
       長官と警備主任が、微動だにせずモニターを見つめていた。南部が置いてきた容器の周辺が、青い光を放っていた。モニター室の放射能レベルを示すパネルは軒並み赤ランプが点灯し、警報ブザーが鳴り響いていた。
      「南部博士……」
       警備主任が、担架で運ばれてきた南部を認めた。
      「タイムリミットまであと何分ある?」
      「焼却が始まるまでに三十分を切りました」
      「充分だな。たかだか数センチメートルのコンクリートの壁と数枚の金属板と断熱材ごときでは、至近にある臨界の中性子を防ぐことなどできん。遺伝情報はずたずた、修復など不可能だ。間違い無く死滅するだろう」
      「チェレンコフ放射は始めて見るが……」
       長官が呟いた。
      「ISOの長官がそれでは困ります。今画面に出ているものは、物理現象としてはむしろオーロラに近いでしょう。チェレンコフ放射というのは、いわば光の衝撃波で……」
      「南部君、その話はまたの機会にしろ」
       長官に向かって担架の上から講義を始めようとした南部を、アンダーソンが慌てて止めた。
      「物理の講義以前に、何だこの被曝量は」
       アンダーソンは、南部が首から下げている線量計を手に取り、南部に突きつけた。
      「多少の影響は出るだろうが、急性障害を起こすほどの量じゃない」
      「被曝の管理が生涯モニターなのはわかっとるな?長官もいらっしゃることだから、この際言っておく。ISOに居る限り、核関係の研究に直接携わることを禁止する。これは業務命令だ。無公害エネルギーの開発をしたいのなら、マントルエネルギー利用の方を進めるんだな」
      「仕方無いな。まあ、私には他にもやることが……」
       南部は左腕を上げた。ブレスレットは無かった。
      「緊急事態だったので俺がたたき壊した。元に戻さないと除細動器も使えなかったのでな。また作れるんだろう?」
      「休暇中の仕事は無くなったな」
       南部は渋い表情で天井を見つめた。
      「ISOが南部をこき使っているわけじゃないんだな……」
       鷲尾は溜息をついた。
      「南部君をこき使っているのは本人の才能だ。あまり神様に愛されるというのも考え物だな。さっさと連れて行かれたのでは話にならん。戻ってきてくれて本当に良かった」
      「今日はクリスマス・イブだぞ。神様はやってくる方だろう。連れて行く方じゃない」
       大真面目に混ぜっ返した南部を、アンダーソンと鷲尾は揃って睨みつけた。
       焼却処理が始まり、P4内部を映していた映像が切れた。
      「もういいだろう。病院へ運べ。私が付き添おう」
       アンダーソンは、担架の脇を持って建物の外に出た。
      「ハリアーを戻して始末書を書いたら俺も行く」
       鷲尾は駆け出して行った。
      「本当にいいのか?イブの夜だ。家族にプレゼントだってあるのでは……?私はあなたの家族に恨まれたくないぞ」
      「でかいプレゼントを寄越した張本人が気にするな」
       訝った南部に向かって、アンダーソンは続けた。
      「アメガポリスと世界中の人々の命を繋いだんだ」
       高層ビルに混じって、ライトアップされた教会の塔がいくつもそびえ立っていた。
      「見えるか、南部君。君が守った人々の、ミサがもうすぐ始まるぞ」
      「……ああ。これからも、安心してクリスマスを祝える世界であってほしいな」

      ●PHASE 19 エピローグ

      ——数日後。
      アメガポリス市内のレストランで、南部は、アンダーソンと鷲尾と一緒にテーブルを囲んでいた。
      「無事に回復して良かったな」
       アンダーソンの合図で、シャンパングラスを手に三人で乾杯した。
      「センターが壊滅したのは痛手だが、まあ何とかなる。今日は南部君の無事を祝おう」
      「その前に、これをを受け取ってほしい」
       南部は、オイルライターとレザーマンのツールを、アンダーソンと鷲尾に差し出した。
      「実は、借りたものはあのセンターに置いてきてしまったので、新品を買い直した。これで勘弁してほしい。あれが無ければ此処には戻れなかったかもしれない。感謝している」
      「律儀だな」
       鷲尾とアンダーソンは苦笑し、南部から品を受け取った。
      「それで、ウイルスを作った奴も、ISOに仕掛けてきた奴も、背後関係はわからないのか?」
       南部は、静かに昇るシャンペンの泡を見つめた。
      「情報部が調べているが時間がかかりそうだし、どうなるかもわからん。マークされていたテロリストは無関係らしいし、声明も脅迫状も何も出ていない。人類絶滅の可能性を全く気にせずに仕掛けてきたあたりは、これまでの紛争やテロと違って、不気味なことは確かだ」
      「ISOが対応しなければならない世界の敵《コントラ・ムンティ》がどこかに居るのかもしれない」
      「あんな事件の後でそう言われると、妙に現実味があるんだが、そんな相手とどうやって戦うんだ?」
       鷲尾は、グラスを空にした。
      「人間の能力を高める方法なら既にある」
      「あのスーツか?」
      「本当なら私がやりたいところだが、身体能力の方が限界だ。誰か他の、もっと若い人に頼らねばならんだろう」
      「お前だって結構いい線いってたんじゃないのか。格闘技の教官だって褒めていただろう」
      「素人の習い事のレベルで多少筋がいいというのと、実戦で通用する実力を身に付けるというのとは違うだろう。私が今からどんなに頑張って訓練をしたところで、彼の代わりに特殊部隊の格闘技の教官が務まるようになるとは思えないぞ」
      「それはそうだが……」
      「スーツはまだ改良の余地があるし、改良したスーツを使いこなせる人間は、優秀なスポーツ選手を養成するのと同じで、子供の頃からの訓練が必要になるだろう。そういう人間が救助にあたっていたら、二十階分の移動なんか訳もなかったはずだ。それに、もし、地下を自由自在に進んで作業できるようなメカがあったなら、何も臨界などという手を使わなくても良かったんだ。P4の区画を丸ごと切り離して安全なところに運んで処分することだってできたかもしれない」
       南部は、シャンペングラスを一気にあおった。
      「技術は進むからいつかはそういうことが出来るようになるだろうが、相当な研究開発が必要だぞ。南部君がISOで研究を続けたとしても、難航するだろう」
       アンダーソンは、南部のグラスにシャンペンを注いだ。
       前菜が運ばれてきた。南部は、ナイフとフォークを手にした。
      「まだしばらく時間はあるだろう。やれることをやるだけだ。これも含めてな」
       勢いよく料理を口に運んだ南部を見て、アンダーソンと鷲尾は揃って吹き出した。



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