超金属の元ネタはこれか(初代7話)

|2014/8/28(木曜日)-02:53| カテゴリー: 初代
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初代7話「ギャラクターの大航空ショー」では、ベルクカッツェがやたら頑丈な飛行機を開発して挑んできます。その状況を見た南部博士の台詞がこれです。

今調べたところでは、ギャラクター一味は大変なものを発明したようだ。これは、ウィスカーと呼ばれる超金属だ。

最近は鉄よりも強いものが次々と作られている。ウィスカーはどんな金属よりもさらに強い。何百倍、いや何千倍も丈夫な超金属と言われているものだ。

このウィスカーですが、実在します。以下、理化学事典(岩波書店)からの引用。

ひげ結晶(whisker)
ホイスカー、ウィスカーともいう。適当な条件下でおこる溶液からの析出や化合物の分解、たとえば金属酸化物の水素還元、そのほか熱分解あるいは蒸気の凝縮などの際に成長する針状結晶。非常に多数の金属ひげ結晶が知られており、その他に複雑な化合物やアスベストのような天然鉱物のウィスカーもある。根元が成長するものと針の先端で成長するものとの2種類があり、それぞれ異なった機構によるものとされている。太さは0.1μm程度から10μm程度までであり、長さは10mmの桁に達するものもある。一般には、含まれている転移の数が極端に少なく、皆無のものもある。このため、ウィスカーの強度はその結晶の理想値(剛性率の1/100以上)に近い。この機械的強度の著しく高い特徴を用いて、SiC、Al2O3などを高分子材料に混ぜて複合材料として利用している。

これだけだと何のことだかわからないので、ざっくり説明します。金属などを一度溶かして、また固めたとします。固体で結晶、つまり原子が規則正しくならんだ状態になるものであっても、手にとって工作できるような大きさになると、全体が完全に規則正しくとはいかず、抜けてるところがあったり、ずれて並んでしまったところができたりします。元が規則正しい形に並びたがるものですから、ずれる時には、それなりの長さで一列にずれたりします。こういうずれた所があると、外から強い力をかけたときに、その部分から変型したり壊れたりします。もし、ずれたところが全くなければ、なかなか壊れません。

現実のウィスカーの場合、全体にわたって原子や分子が完全に規則正しく並んでいるため、力をかけても変型しにくく、とても頑丈であるという性質を持ちます。残念ながら、大きなものは作れません。でも、非常に丈夫であるという性質にヒントを得て、作中のウィスカーが設定されたのではないでしょうか。もし、飛行機を作れるサイズの金属板で、原子のスケールでのずれが全くないものができれば、とても壊れにくいものになるはずです。

 いろいろと酷評されまくってた映画の実写版ガッチャマンですが、映画館で見る機会が無かったので発言は控えていた。DVDが出るという情報を冬コミケで入手し、アマゾンで注文可能になったので予約を入れておいたのが先日届いたので本日鑑賞。
 以下ネタバレ含む。自分で見て確認したい人はスキップしてください。

 まず、基本の設定から。
 ギャラクターになる原因はウィルスXに感染すること。ウイルスXは地球外から来た。ガッチャマンになる条件は石の適合者であることで、誰が適合者かはセンサーみたいなのでわかるっぽい。石の適合者は同時にウィルスXの感染者でもある。ウイルスXに感染すると超能力が使えるようになって、通常の兵器が通用しなかったり、念力でいろいろ飛ばしたり動かしたりできるようになる。石の適合者がウイルスXの感染者に攻撃を加えて石の力を送り込むとウイルスXもろとも相手を倒すことができる。
 ヨーロッパ方面がギャラクターに征服されて、北米と東京はまだ無事、という状態で話が始まる。

 最初の作戦。ISOの日本支部(新宿にあるらしい)で、ギャラクターについての会議してたらキャタタローラーと共にギャラクターが攻撃してきたので迎撃する。この部分の街の壊されっぷりとか、ビルの間を飛び回るシーンはかっこよく出来ている。しかし、装甲服着たギャラクターの一般兵士が強すぎて、一人倒すのに諸君が時間を掛けすぎている気が。何となく雑魚キャラの強さ設定間違えたクソゲーって感じがひしひしと。また、諸君が来る前に自衛隊だか軍隊だかが迎撃するんだけど、手にしている武器がM4A1カービン。一応警戒態勢ということで街中に兵士が居たり、戦車が走ってたりするんだけど、通常兵器が全く役立たずでヨーロッパ全域をはじめ地球の半分がギャラクターに占領されました、って状態なのだから、陸軍を展開する意味が全くない。案の定撃つだけ無駄な状態で兵士は一方的にやられていて、何しに来たの状態。せめてもうちょっと効果のあるビーム砲持たせるとかしてあげないと、人類がただのアホに見える。
 キャタローラーの起爆解除をジュンがやるのだけど、止めたはずが止まってない、で焦りまくりでISOのビルぎりぎりでやっと止まるというドジッ子演出。はらはらさせたかったのだろうけど、最初にかっこよく登場する掴みのシーンなんだからそれはどうなんだと……。

 で、全員基地に戻ってきたら、白っぽい壁の部屋で、貫頭衣みたいなのに着替えさせられて、ベッドに寝かされたり何かの装置でスキャンされたり。部屋の隅っこの方には白衣の人達が何人か。ガッチャマンて出撃してきたら精密検査が必要って設定らしいけど、そんなにデリケートで弱かったっけ、と違和感が。しかも既にここでジュンが健を口説いてるし。出撃して戻って来たプロの戦士じゃなくて、部活動終わった後のサークルのダベり。

 次の作戦は、ギャラクターのNo.2であるイリヤが亡命を希望してきたので確保せよというもの。ターゲットがどっかの大使館で行われるパーティー会場に来るのでそこで確保、ってことになってる。
 健とジュンがパーティー会場に入り込む方法が、正規の招待客とすり替わるというもの。ジョーが入れ替わり対象を気絶させ、入り口の掌紋認証は甚平がハッキングで騙す。順番が来てもハッキングが終わって無くてエラーが出たり、顔写真が違ってたりで怪しまれるけどどうにか入場する、というのもお約束の展開。
 会場のパーティーで掲げられていたのは、ヨーロッパ奪還計画、ってスローガン。奪還計画なら、ヨーロッパから逃げてきた各国要人が集っているのだろうなあと見てる側は思うわけで。ISOだってその計画なら全面協力するはずだから、ISOのエージェントがわざわざ非合法な手段で本来のメンバーに危害を加えてまで入り込む必要が全くない。要人警護とかいろんな理由つけて普通に参加できるはずだよねえ。しかも仮面舞踏会って感じで参加者全員素顔を隠してて、どう見ても地下組織の会合にしか見えない。このヨーロッパ奪還計画、ひょっとしてマフィアが主催しててメンバーもお尋ね者ばっかりとかそういう集まりですかね。
 ギャラクター幹部がホイホイ簡単に、招待制&掌紋認証でないと入れない場所に正式に招待されてるってどういう状況なのか首をかしげるわけで。うまいこと地球人側のフリを続けて今に至るのなら、何もそんな会場に来なくたって、ISO支部に普通に出頭すれば接触できそう。会の開催側も、ヨーロッパ奪回などというギャラクターにあからさまに刃向かうイベントをやるのなら、スパイには注意しないといけないわけで、仮面で顔を隠すって逆に入れ替わりを容易にするだけじゃないかしら。
 ドレス着て健と作戦できるジュンは早速恋人気取りで浮かれていて緊張感まるで無し。
 イリヤって何者、ってのはパーティー会場の途中の回想シーンで語られるわけですが。これからターゲットに接触しようというところで長々と回想シーンを入れたら流れがダレるわけで、大丈夫かこの演出、と思いながら見てた。しかしそんな心配を吹き飛ばすほど回想の内容がアレだった。
 ヨーロッパでは健、ジョー、ナオミの3人でユニットを組んでたと。廃墟になったところを、UNマークの輸送車が行くシーンになって、中には救助された人と健、ジョー、ナオミの3人が。あとちょっとで安全なところに辿り着く、って状態のときに、この車内でジョーがナオミに指輪を渡してプロポーズ。いつ襲撃されるかわからない護衛の仕事中に何やってんの状態。ナオミ、状況を考えろとか言いつつOKする。車内拍手……ってそんな状況じゃないだろこれは。案の定バスが襲撃され、3人は外に放り出されて戦闘不能状態に。何でも、大きなダメージを受けると石が光らなくなって、普通の人に戻っちゃうらしいです。襲撃にぶち切れた健が敵を追いかけ、包囲され、撃たれたところをナオミがかばって撃たれてしまう。ナオミはそのまま行方不明に。この時の指揮官がイリヤ。だからジョーとしては彼女の敵なのでイリヤを保護する気は無い、という説明。いやこんなアホなプロポーズシーン入れるくらいなら、原作通り、親の敵だからギャラクターは殺す、って突っ走ってくれた方がよっぽどジョーらしいというか。
 パーティー会場でイリヤと接触、連れ出したのは良かったが、ジョーがイリヤを殺す気で、ジュンとリュウを縛り上げた上イリヤに銃を突きつける。健は撃つなといってジョーに銃をつきつける。ジョーが撃とうとしたので健が発砲、実体弾ではなく電気ショックを与えるような弾でジョーを倒す。
 イリヤはISOの基地に連れてこられて捕虜となり、ギャラクターの次の作戦について教えろと尋問される。健が銃を突きつけて脅したりしてますが、健あなたそれどこに隠し持ってたの、というのはもはや細かいことですよねえ……。
 ISO本部の方は、Gストーンのパワーを使って軌道上から地上に発射するという衛星兵器モスコーンを使ってギャラクターからヨーロッパを奪回する作戦がカークランド博士によって提案され、承認される。捕虜も居るんですけど、捕虜は見殺し決定。えーと、普通はこの作戦やるから攻撃前に捕虜を解放しろ、って諸君に命令が出るところじゃ……。
 話の内容をモニターされているのを承知の上で、「カークランドの妻拷問して殺したけど何も白状せんかったわ」発言するイリヤ。マジギレしたカークランド博士、わざわざイリヤの捕らわれている部屋に甚平を護衛に伴って現れ、お前を殺してやる宣言。
 電磁バリアの檻に入れられてたイリヤ、見張りの兵士を引っ張り込んでバリアを喰らわせると、バリアがあっさり消滅。何だか情けないバリア。これなら普通に鉄格子の部屋に入れておいた方がよっぽどマシだったよねえ。カークランド博士はあっさり拉致され、甚平も捕らわれて液体窒素ぶっかけられて、リュウが助ける。健とジョーは命令されてイリヤを追いかける。ジョーがどっかの広い部屋でイリヤに追いついて、そこで会話が始まって、イリヤは実はナオミの変身した姿で、ナオミ=ベルクカッツエだということも判明する。というかナオミが自分からバラす。このナオミさん、ウィルスXの機能とか性質とかいろいろ一方的に全部ジョーに一方的に説明してくれてギャラクターに勧誘もしてくれるというとても親切なお方。説明の状況はジョーの通信機で健と南部博士にも伝わっている。ジョー、突っ立っててナオミにキスされ、ウイルスXに感染おめでとう状態。感染者同士が手を合わせるとゲートが開く、ってことで、ジョーとナオミでハイタッチして部屋の中にゲートができて、ナオミ、カークランド博士を連れてギャラクター要塞に瞬間移動した。
 モスコーンの起動キーはカークランド博士自身なので、要塞に体ごと組み込まれたみたいになって意志を奪われてモスコーンの起動をさせられる。本当はギャラクターに占領された都市を殲滅するはずが、ターゲットがまだギャラクターの手の及んでいない都市を順番に攻撃するように変えられてしまって、あと30分で1つ目の都市消滅な、って状態に。
 当然諸君が出動することになるのだけど、なんで戦うのとかジュンが言い出すし、甚平を助けないでイリヤ追っかけてたのはけしからんとリュウは怒り、険悪な雰囲気に。そんな口げんかしてるときに南部博士は黙って見てるだけ。そこ、馬鹿者、って叱るところですよねえ。
 結局5人で出撃することになり、ゴッドフェニックス使えって南部博士が言うのだけど、まだ試験飛行もしてませんってリュウに言われる始末。それでも無事にちゃんと飛んで、バードミサイルとか使って要塞潜入を果たすのはお約束。
 基地に潜入したら、一般兵士相手にえらく手間取って、全部倒した時には完全息切れ状態。健、こんなに弱かったっけ。そこは爽快になぎ倒すシーンだよねえガッチャマンなら。ジョーはずっとカッツェ剣で斬り合いやってるし。甚平は、意志を奪われて要塞に組み込まれてるカークランド博士の制御を取り戻そうとするんだけど、ギャラクターの装置のインターフェースがわからず、結局カークランド博士の首の後ろのコネクタに信号線をつないで目標をずらす命令をブチ込む。なんか攻殻機動隊っぽい。でも、最後の目標の東京だけはずらすの間に合わず。ギャラクター要塞(タートルキングがモチーフらしい)がなぜか上空高く上がっていく。それじゃあ要塞を衛星にぶつけて直接壊そうぜ、ってことになって、斬り合いやってるジョーの応援に行く。ただ、要塞の制御パネルらしいもの、カークランド博士を乗っ取ってたのと同じ形状なので、カッツェ倒したところでどうやって動かすんだよ、という疑問が。
 結局応援にかけつけた健がカッツェ=ナオミを倒すのだけど、感染したジョーはベルクカッツェに変わりかけてる。でも、石の力で押さえ込んでとりあえず元のガッチャマンスタイルに。全員でゴッドフェニックスに戻って、さあ飛び立とうとすると、要塞の枝みたいなのに捕まってて逃げられない。バードミサイル打ち込んでその辺破壊して飛び立ち、次の一発で衛星破壊するぞ、な状態になる。都合良く要塞はなぜか衛星のすぐ側に来てるし。
 衛星破壊の直前、あと数秒で東京攻撃されまっせ、のカウントダウンをやってます。お約束のやつです。で、バードミサイルの発射タイミングが、3,2,(撃て)……この状態でミサイル頼みならビーム発射に破壊は間に合わないっぽいし、カウントが2,の状態で既に衛星のビーム発射口は要塞にぶつかって潰れつつあって、角度とかもずれまくりのはずだから、これってミサイル無くても衛星破壊は要塞だけでいけるだろうとか、壊れながらビームが出ても東京は逸れるだろうとかそんな感じで、演出の意図が全くわからない。
 衛星も要塞も爆発してくれたので地球に帰るのだけど、衛星軌道上からだから大気圏突入でゴッドフェニックスが真っ赤。甚平が、科学忍法火の鳥、って言ってるけど、空力加熱で赤くなってるだけ。火の鳥やって何かするつもりじゃなくて、戻ろうとしたらスペースシャトルの大気圏突入と同じで熱で赤くなっちゃっただけの随分と消極的な火の鳥で、見せ場でも何でもないという……。まあ、試験飛行もしてない機体で大気圏突入かまして空中分解もしなかったのだから良かったねえとしか。

 ギャラクターの重要作戦がこれからだ、って時に、リュウは母親(といっても実の母じゃなくて母親代わりになってくれた人)が余命いくばくも無いから除隊して帰りたいと言い出すし。ジュンは、両親死んでるって話があったのに自分では死んでない行方不明なだけ、といかにも現実を直視したくないっぽい発言してるし。
 なにより問題なのは、SF的に見ると悪役が悪役に見えない。カッツェはウイルスXは人類に進化をもたらす、って言ってて、実際、感染すると念動力使えたり空飛べたりと能力は飛躍的に伸びるわけで、ウイルスXに感染した方がどう見ても便利に見える。ぶっちゃけ、ギャラクターばっかりになって旧人類が滅んでも何かまずいことあるの?ってのがわからない。生物の大量絶滅って地球の歴史じゃ珍しくないわけで。となると、旧人類の秩序を力のある奴に壊されるのがまずい、という既得権を擁護しているだけであって、ISO側は人類の進化を邪魔するアカン奴になってる。新人類が出て来て種の存続をかけて争う、というのはSF的には有りだと思うけどそういう展開でもない。

 まあ、叱るべき時に叱ってこなかった南部博士がいけないのだろうけれど、こんな諸君を使って重要作戦を指揮する羽目になった南部博士、胃に穴があくんじゃないかと思った。

 真木野聖さんの「コンドルの羽根手裏剣 ホームページ版」で紹介されていた101話のジョーの絵を拝見して、ああさすがにジョーファンだけあってすかさず愛情溢れる一瞬をキャプチャしておられるなあ、と思っていたのですが、ふと。

 ジョーは射撃の名手だが、これは別の意味で凄くないか?、と引っかかりました。

 DVDを引っ張りだし、撃つ直前の絵をキャプチャしてきました。真木野聖さんが編集元に選んだのとほとんど同じシーンです。

101 01

 これから撃とうとして狙いをつけているところです。
 これで本当に狙えるのか?と思ったので、手持ちのエアソフトガンを引っ張り出してきて実際に構えて確かめてみました。
 といっても、ジョーの持っているのと似た形のものは手元に無かったので、東京マルイのL96AWSを使いました。

Aws

 スコープはタスコのTR-X COMMANDERで、低めにマウントしています。L96AWSの方は私の体格に合わせて、ストック部分のスペーサーを1個外してあるので、メーカーの写真のものより若干短くなっています。撃つ時は、ストックの少し上に盛り上がった部分に頬をつけてスコープを見ることになります。
 このスコープなんですが、見る時は視線と光軸方向が一致していないと、視野が切られてしまってまともに見ることができません。また、目との距離が遠すぎても近すぎても、視野が狭くなって見づらくなります。
 一番見やすい位置でアイピースと目の間のおよその距離を測ってみたら、7cm〜8cmといったところでした。他の機種でもまあこんなところでしょう。射撃用のスコープは、双眼鏡のように、接眼レンズのアイピースに目をくっつけるようにして見るものではないのです。エアガン程度なら問題ないのですが、火薬を使う銃でスコープを目にくっつけて使ったら、撃った後の反動でスコープが目にぶつかって怪我をしそうです。

 上のキャプチャ画像に、スコープの光軸の線を入れてみました。

101 02

 スコープの中心の線とジョーの視線がきっちり一致しています。これなら狙えそうです。さすがジョー……と思ったのですが、ちょっと待て。

 ヘルメットのバイザー越しにこの位置では構えられないんじゃないのか?

 横から見た図はこれでよくても、他のシーンを見た限り、ヘルメットのバイザーは中央がかなり膨らんだ上、前方に飛び出しています。この状態で、丁度良い位置でスコープを真っ直ぐ見るのって至難の業じゃないでしょうか(汗)。どう見てもバイザーとスコープのアイピースが干渉します。冬のワンフェスで健のヘルメットを見てきて、バイザーの飛び出し具合がかなり嵩高いこともわかりました。忍者隊のヘルメットを被って射撃のために照準器やスコープを見るというのはかなり無理があります。
 ぎりぎりで何とか構えられたとしても、スコープとバイザーは多分接触している状態でしょう。引き金を引くと、リコイルのために、銃が勢いよく後退しスコープがバイザーに激突するのが確実です。何回も撃ってたらそのうちどっちか弱い方が壊れそうです。

 つくづく、射撃には不向きなバイザーです。

 こんなものをかぶって精密射撃ができるのだから、やっぱりジョーは射撃の天才なんだなあ、と、妙なところで関心したり呆れたり。

 諸君の中で、一番スコープを見やすい形なのは、竜のヘルメットですね。飛び出していなくて顔の上から下にほぼ真っ直ぐ降りていますから、射撃には楽です。

 鳥にこだわる余り、ジョーがかなり無茶する結果になっているわけですが、南部博士がそのへんどう考えているのか問い詰めてみたい気もします。

元ネタはMJ?

|2013/4/8(月曜日)-22:06| カテゴリー: 初代, 雑記
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 だいぶ前に、気分は赤親父、の筈が……(初代 52話)で、レッドインパルスの銃の元ネタ探しについて書きました。で、ちょっと思いがけないところで似たのを見つけてしまったのでメモしておきます。
 特撮の「マイティジャック」9話より。

 MJ 01

MJ 02

 敵役の組織「Q」が多用している銃です。この回だけではなくよく使っています。放映が1968年4月6日からで、キャプチャした9話は1968年6月1日に放映されました。ガッチャマンの放映開始は1972年10月1日からですから、ガッチャマンの方が後です。2枚目はサイレンサー付きなので、銃身が長くなってます。
 全体の形は、実銃のモーゼルとは明らかに違いますし、むしろ赤親父の銃はこのキャプチャに近い気が。デザイン、参考にしたのかしら。
 そういえば、マイティ号もゴッドフェニックスも空中水中両用ですね。

小学二年生の最終回

|2012/2/27(月曜日)-16:36| カテゴリー: 初代, 蒐集
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 小学二年生に連載されていたガッチャマンの最終回です。
 本編では3回にわたって、ジョーのギャラクター本部への潜入、後を追う健達、本部での戦いを描いていましたが、月刊誌故にそれをわずか2ページでやるしかなかったようです。IIになると小学二年生でもそれなりのページ数の割り当てがあったようですが、この頃は見開き2ページのみ。
 その結果、どうなったか。

Syou2 last 1

Syou2 last 2

 ジョーが活躍するという路線は外してませんが、健の方が先にジョーを待ってるし、ジョーはというと何の脈絡もなくカッツェと一騎打ちの撃ち合い。怪我はするもののカッツェを倒します。総裁Xはどうなったのとか、訊いちゃいけないみたいです。
 また、この展開だと、怪我はしているもののジョーはしっかり生きてます。これを読んでしまうと、本編の展開を思いっきり誤解しそうです。というか、これを読んで本編を見た当時の小学二年生は何も疑問を持たなかったのだろうかとも思います。うーん。

 エポック社から出ていたタツノコのトレーディングカードNo.132です。タツノコプロのアニメのカードなので、ガッチャマンだけではなく、紅三四郎からタイムボカン、キャシャーンなど、主要な作品を網羅しています。
 そのシリーズのNo.132がアレなので紹介。
 表はこれ。

Card132 1

 ガッチャマンFのカードです。
 ところが裏がこんな具合。

Card132 2

【Gタウン】地中に建設された科学忍者隊の新要塞。ギャラクターの攻撃を避けるため、外見は岩場にカモフラージュされているが、その内部には巨大な滑走路を備えた基地が広がっている。Gメカ発進の際には複雑に重なり合った岩場が開く。厳重なチェック体制で外的の侵入に備えていたが、資源探査衛星を用いたギャラクターに発見され、あえなく破壊されてしまう。

 GタウンはIIの海底移動要塞で、Fのこれは単にガッチャマン基地と呼ばれていました。タイトルからして間違ってます。
 ガッチャマン基地壊滅はFの41話ですが、基地発見の経緯は、健が細胞破壊の検査に出向いた先に居たエゴボスラーのスパイが持った花瓶とぶつかり、粉末状のアンテナ物質をつけられたことが原因で、基地の位置を逆探知されたというものです。資源探査衛星の改造はISO側で南部長官も一緒になってやってまして、こちらはこちらで改造途中ながら地中のギャラクターの移動をキャッチしてました。

 以前の、当時モノカードの甚平カラーの竜といい、タツノコプロ監修だと逆にネタが仕込まれているということなのかもしれません(違うって)。

 福島の原発が津波でえらいことになってますが。

 ガッチャマンの世界では原子力はむしろポジティブな扱いをされてます。作品成立時期が1970年代ですから、被爆国として核の軍事利用はとんでもないが、平和利用なら……という背景があったのでしょう。
 初代の三日月基地は、最下部に原子炉を持っているという設定です。つまり、基地のみなさんは原子炉の真上で暮らしておられると。
 IIのGタウンですが、前方に原子炉を持っているという設定ががあります。メインの推進機関は「ダグラス機関」であることが明らかになっていますが、こちらは原子力利用かどうかは不明です。Gタウンの場合も、原子炉の近くで皆さんお住まいという状態。
 どちらのも、原子力空母で暮らすというイメージでしょうか。でも、どちらも海の中ですので、冷却が問題になることは多分無いかと。その意味では小型原子炉を海中で運用、という南部博士のプランは正しいことになりますね。冷却で苦労している福島と、救援に来ているロナルド・レーガン(原子力空母)を比べるにつけ、興味深いです。

 そういえば、マジンガーZも、原子力をもじって光子力ということにしたのだとか。
 鉄腕アトムの原子炉は、核分裂じゃなくて核融合炉だと、手塚先生がおっしゃったそうですね。

 おそらく、スリーマイル以前と以後で、フィクションの世界でも原子力の扱いが変わったのではないでしょうか。

 現実の日本がどうするかはわかりませんが、風力も太陽光もバイオマスも効率の問題があるので、原子力の代替品にはならないでしょう。火山国として有望なのは地熱かな、と思いますが、そうするとリアルマントルプランをやる羽目になりそうな予感がします。

多少脱力中

|2011/3/17(木曜日)-02:54| カテゴリー: 科学忍者隊ガッチャマン, 雑記
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 Gatchaman Fanfic Archiveというサイトがありまして。
 英語でガッチャマン関係(元々向こうではBattle of the Planetsというタイトルを始め、異なったタイトルで放映されたのでそれらも含む)の二次創作を集めたサイトです。
 当然、スラッシュ、つまりやおい二次創作も公開されていますが、ユーザー登録して、向こうの管理者の審査に通らないと全部は読めません。冷やかしとスラッシュの意味わからない人はお断り、ということなんでしょう。一体何が書かれているのか興味があったので、ちょっと前にユーザー登録しました。数日後にアクセスが認められたので、まさかと思いつつ探したら……。
 赤親父×南部博士のやおい(たぶん)
ありましたorz。いや、噂にはきいていたんですが、実際に書く奴が居るんだとちょっと椅子からずり落ちかけてます。たぶん、というのは、前半の描写を見ただけだとどっちの視点かがわからない上に、固有名詞がお互いの名前を呼ぶ台詞でしか登場しないため、攻め受けがはっきりしないんですよ。もうちょっと英語の小説読み慣れれば解読できるかもしれませんが、素人が書いた説明不足な文章から確定させるのは私の英語力ではちょっと難しい。
 いやまあしかし、あんたらいい歳こいて何やってんだとか、お互い髭が邪魔だろうとか、奥さんも子どもも居るのに南部君手込めにして何がしたいんだ赤親父とか、自分の息子を預けて父親代わりをさせていい相手かどうかを判定するのに寝てみるって発想はどっから出てくるのかとか……。設定上は突っ込む場所は1つしかないわけですが、読んでる側としてはどこからどう突っ込んだらいいのかわかりません(爆)。

「2」祭り:小学2年生2月号

|2011/2/28(月曜日)-23:05| カテゴリー: II, 蒐集
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 今月は2月ということで、2に関連したネタを2月末日にどうにか間に合わせて投下してみます。
 小学二年生の1979年2月号のガッチャマンIIのマンガ、という2づくしネタです。見開きで表示されるように画像を貼ってますが、ブラウザのウィンドウの幅が足りないと縦にならんでしまいます。適当にウィンドウを広げてお楽しみください。でも、ジョーはほとんど登場しなくて、南部博士活躍(?)の回になってました。

Ninen2 cover

 お話の題材は、コントロールを失ったGタウン、でして、本編の「Gタウン危機一髪」のノリです。

Ninen2 02Ninen2 01

 健が若い感じでジュンもかっこいいですが、甚平と竜はそれなりです。ひどいのは南部博士で、顔はほとんど別人、ツル無し眼鏡が基本なのにことごとくツルが描かれている上、本編では登場したことのない白衣姿。
 それはともかくとして、甚平が新品のラジコンカーで遊んでいます。

Ninen2 04Ninen2 03

 Gタウンが暴走を始めます。南部博士、

コンピューターがくるうなんて考えられん

って言ってますが、何とも70年代の台詞です。コンピューターが普及してみたら、おかしくなるのがむしろ当たり前だったんですが……。

ギャラクターのしわざにちがいない。コンピューターをくるわすそうちを、Gタウンのどこかにしかけたんだ。

 自分トコのミスは微塵も疑ってない博士です。まあ、それで正しかったわけですが……。

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 電源全部切っても動き続けるGタウンってある意味凄いです。
 ギャラクター側の作戦は、Gタウンを予め設置した爆弾に突っ込ませるものでした。
 こんなデカブツを動かすよりは、爆弾をミサイルに積んで爆撃かけた方がよっぽど楽に攻撃できそうに思います。
 それにしても、オモチャのリモコンを見て「これか。」って、博士、ぶっ飛び過ぎです。いや、勘は当たってたんですけども。

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 ジョーの強面は忠実に描かれています。その場で壊そうとするジョー、性格があらわれています。南部博士は、ニューゴッドフェニックスにGタウンを牽引させます。トラクタービーム、装備してることになってます(汗)。総重量60万トンの代物を引っ張るというのも豪快な作戦ですが。誘導装置の方はミサイルに積んで爆弾目がけて発射。

Ninen2 10Ninen2 09

 作戦は成功するのですが、そのラジコンはそもそも誰が買ったのかとか、ラジコンのコントローラーに怪しい装置が仕掛けられることになった経緯とかが全く不明のままです。紙面に限りがあるから仕方無いのでしょうけど。
 最初の方で、部下が「さくせんどおりうまくしかけてきました」と報告してますが、Gタウンの中に入り込んでまで、ラジコンのコントローラーだけに装置を仕掛けるくらいなら、内部のあちこちにもっとたくさん爆弾をしかけて破壊工作した方がずっと効果的なような。
 ゲルサドラ、「お、おのれガッチャマン」って言ってますけど、今回の作戦の成功を阻んだのは、ガッチャマンよりもむしろ南部博士でした。
 最後の甚平も、Gタウンと引き替えの状況で、ラジコンを気にしている場合ではないんじゃないかと。

ど近眼ですか、博士

|2011/2/22(火曜日)-22:44| カテゴリー: 初代
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 事件が起きて、未知の物質やら生物やらが出てくると、南部博士が慌てて調べることになります。
 調べるのに使っている設備の機能やスペックが全てわかっているわけではありませんが、明らかに光学顕微鏡だったり、実在の装置としては電子顕微鏡に近いかな、といったものが登場します。

 7話「ギャラクターの大航空ショー」。ギャラクターが超金属ウィスカーを開発したことを突き止めます。

007

 26話「よみがえれゴッドフェニックス」。海洋汚染物質の浄化方法を調べています。

026

 39話「人喰い花ジゴキラー」。謎の古代植物ジゴキラーの弱点を探しています。

039

 55話「決死のミニ潜水艦」。海洋汚染の原因を調べています。

055

 65話「合成鉄獣スーパーベム」。健がブーメランで切り取ったベムの触手を調べて正体を突き止めます。

065

 97話「明日なき宇宙船レオナ3号」。打ち上げを待つレオナ3号を見ています。

097

 この手の装置を使ったことがあればわかるのですが、眼鏡越しに覗いて視野をきちんと見るのは見づらいです。余計な光が入らないように接眼部分が覆いになっていることも多いのですが、眼鏡越しだと横から入った光が反射したりして見る邪魔になります。
 一方、この手の光学機器のピント合わせにはある程度幅がありますから、近眼の人が眼鏡を外した状態でも、ピント合わせの範囲が間に合えば、問題なく見ることができます。もちろん、視力の違う人が見るとピントがずれてますから、また少しピント合わせが必要になりますけど。
 ところが、近眼の度が強すぎる場合、眼鏡を外したまま接眼レンズを見ようとしても、装置側のピント合わせの範囲を超えてしまっていて見えなくなります。この場合は眼鏡をつけたままでないとピントを合わせられないんですよ。
 さて、南部博士、見づらいだろうのに、常に眼鏡越しに接眼レンズを覗いています。南部博士伊達眼鏡説も一部にはあるようですが、大事な研究をしていて、眼鏡を外さないと見づらい場合にまで伊達眼鏡に拘るとも思えません。つまり、南部博士は、装置のピント合わせが追いつかないほどの「ど近眼」てことじゃないかと思うんですが……。

 こちらは、84話「くもの巣鉄獣スモッグファイバー」。装置開発中で保護眼鏡をつけています。

084

 これも、眼鏡をかけたままだと、保護眼鏡と眼鏡の両方で反射が起きて、やはり少々見づらくなりますね。やっぱり、眼鏡越しでないと細かいものが何も見えないということなんでしょうねぇ。

 

言ってる本人が……(II 20話)

|2011/2/2(水曜日)-03:51| カテゴリー: II
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 II20話「Gタウン危機一髪」。

 Gタウンのメインエンジンの開発者ビル・ダグラスの娘エバ・ダグラスがジュンに変装してGタウンに潜り込み、レーダーを狂わせた上で機関システムを破壊します。罠にかかったGタウンはギャラクターの攻撃を受けて大ピンチに。南部博士はシステムの不具合に気付いたものの、すでにかなり手遅れ状態。
 渦に巻き込まれて大揺れのGタウンの通路を走ってきた南部博士、

諸君!落ち着け!スクランブル態勢に切り替えだ!落ち着け!

II20 07

係官「博士、動力システムが作動しません」
南部「何!機関システムをチェックしたまえ!」

 このあとすぐに大きな揺れがきて、博士もつんのめってました。既に職員多数は床に投げ出されていましたが。

II20 08

 他人に向かって落ち着けという南部博士が一番慌てているように見えてました。微笑ましいというか可愛いというか。

「人喰い花ジゴキラー(前編・後編)」(初代 39、40話)。

 カッツェが宇宙空間からジゴキラーの種を蒔いたために、巨大化した食甚植物が大暴れします。が、なぜか女性ばっかり襲われる。ジュンも襲われたのですが、かろうじて逃げる。ジュンのスケッチから、人類発生前にはびこっていたジゴキラー草だろうということに。

 南部博士はタイミング良く特殊カプセルを開発済みでした。ジゴキラーによる深刻な被害をよそに、諸君を前に説明する南部博士、上機嫌です。

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南部「まさか、世界中の女性にあんなものをかぶせるわけにもいかないし」
ジュン「何ですの、あれは」
南部「どんな圧力にも耐えられる深海用のカプセルさ。やっと試作品の第一号ができたばかりなんだがね」

 ジュンを見てにっこり南部博士、なかなかの自信作だったようです。

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 その後、ジュンは、勝手にカプセルを持ち出して着用し、ジゴキラーの調査に向かいます。

人聞きの悪い事言わないでよ。博士のために実験用モデルになるんですからね

 南部博士が聞いたら泣いて喜びそうな台詞を残して……。案の定、甚平の目の前でジゴキラーに飲み込まれてしまいます。
 ジュンが居なくなったのも気にせず、ジゴキラーの研究に熱中する南部博士。

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 ジゴキラーが貯水池に集まってきた、というので、わざわざ現地に出てきた南部博士。すごく嬉しそうです。

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 ジュンが中に居るかもしれないのに、焼き払え、と命令する博士。

しかしあの何十万、何百万とある花の中からどうやってジュンを探し出すのだ。それは不可能に近い。ぐずぐずしていれば、あの花は増えていくばかりだぞ。

 南部博士としては、この時点で、自分が作ったカプセルの性能に自信があったから、ジュンが居たって大したことないや、と思っていたのでしょう。しかし、カプセルを着て出たことは博士も甚平も伝えず。ジュンを殺すのではないかとしょげている健にも博士は何も伝えず。多分、カプセルに自信がありすぎて、「お前は何を言っているんだ」くらいにしか思ってなかったのかも。
 結果として、諸君は、自分達がジュンを焼き殺したのではないかと思い込んだまま、後編に突入します。

 落ち込みまくっている諸君は放置して、博士はジゴキラーに熱中。

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 来てくれたのか。

と嬉しそうな博士。暫く一人で閉じこもって研究していろいろ進んだので、ジゴキラーの話を聞いてくれる人が来たから嬉しがっているだけでした。

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見たまえ、これが君たちの届けてくれた小さな花だと信じられるか。ジゴキラー草は暗闇と水の中では大きくなり、太陽のもとでは小さくなって身を守る習性があるのだな。
君たちはシーモンキーを知ってるだろう。あの小さな生物は孵化する条件が揃うまで、いつまでも卵の中で生き続ける。このジゴキラー草も同じだ。

 ジゴキラーが育ったので本当に嬉しそうで、嬉々として語り始めます。諸君は、ジュンのことを相談しに来たに違いないのですが、そんなのはガン無視してジゴキラーの話ばっかり。
 シーモンキーは懐かしいですね。私も育ててたことがあって、学校から帰ると、この回の博士みたいに、ずっと顕微鏡にかじりついて見てましたよ。

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南部「その昔、といってもまだ人類が出現していない時代、この地球上は雨と雷の一時期があったという。おそらくこの花は、その頃棲息していたのだろう。もっともっと大きな姿で。やがて、太陽が地上を照らし、明るいのどかな時代がくると、ジゴキラーは小さな花となり、無駄なエネルギーを使わないように身を守った。次に日射しから身を守るため、固い殻につつまれて永い眠りについた」
健「しかし、なぜジゴキラーは女性ばかり狙うんですか」
南部「それは……まだわからない。それさえわかれば一挙にジゴキラー草を壊滅させる手も考えられるんだが」

 と語りまくっておいて、ジュンを焼き殺したのではないかとめげている諸君を前に、

いや、ジゴキラー草は生きている。あの作戦はあのまま増え続けるのを防いだだけだと思っている

 と、あっさり片付けてしまいます。
 博士のこの平然とした表情、ジュンのことは全く心配してない上に、諸君が悩んでいるとも思ってなさそうです。諸君にとっては大ダメージな言葉ですが、南部博士の方は、そんな簡単に退治する方法がわかったのではおもしろくない、と、研究者としての挑戦心をかき立てられてむしろ楽しんでいる様子。

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 だから、健が

もし、もしジゴキラーが生きているとしたら、俺達は何のためにジュンを犠牲にしたんだ。

と言い出したのを聞いて、逆にビックリしています。

君たちは、まだジュンがあの花の中に居たと信じているのか

 本当に、「えっ?」という顔してます南部博士。燃やす前に健とジョーで揉めてたのは見てるはずなんですが、多分、ジゴキラーのことで頭がいっぱいで、気にしてなかったんでしょう。

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馬鹿な、君たちはなぜ私を信じてくれない。私の作ったカプセルをジュンは着ていた。圧力にも熱にも耐えられるようにできているんだ。もし、ジュンがあの花の中にいたとしても、焼け跡から元気で出てくるはずだ。

 せっかく新製品自慢してるのに、今度は諸君が聞く耳持たず。まあ、最初にもっとカプセルの性能を説明しておけばよかったんですが……。が、しょんぼりしている理由は、無視されたからではなくて、せっかく作ったカプセルの性能を誰も信じてくれないことの方ではないかと……。ジゴキラーの方はそんなことにはおかまいなしに元気いっぱいですけれど。

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 無線で健によびかけても無視されています。
 このあと健はスナックJに行き、家に戻ってきたところをレッドインパルスに張り倒されます。南部博士がレッドインパルスに何か愚痴ったんでしょうけど。しかし、南部博士にも説教しておいた方がいいと思います>レッドインパルス。南部博士ときたら、ジュンが死ぬわけない、という肝心のことをちっとも諸君に言わず、自分だけ勝手に納得してるわけで。

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 バードスクランブルをキャッチして集まってきた諸君を前に、南部博士は平然としています。

南部「何い、バードスクランブル?」
健「はい、俺だけではありません。ジョーや、竜や、甚平にも」
南部「バードスクランブルは言葉で交信できないとき、ブレスレットを強く押さえて連絡をとるのだが、しかし罠かもしれん」
健「罠?」
南部「あくまでも一つの推定だが、ブレスレットを手に入れたギャラクターが使い方を知らずに叩いても同じ発信は出る」
健「たとえ罠だとしても、行かせてください博士。今の俺達はそうでもしなければ」
南部「よし、科学忍者隊、ギャザーゴッドフェニックス発進せよ」

 博士の頭の中では、ジゴキラーを焼いてもジュンは出てこなかった→カプセルのおかげでジュンは生きているが貯水池のジゴキラーの中には居なかった→しかし連絡もないところを見ると生きてギャラクターにつかまったに違い無い、ということで納得済みの模様。納得すると同時に、やっぱり自分の開発したカプセルの性能に間違いはなかった、と思ってそうですが。

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 出撃命令は出しても指示は与えず、さっそくジゴキラーのところに来ている南部博士。
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わからない。あらゆる毒物を使用しても効き目がない。一体ジゴキラーの弱点はどこにあるんだ

 相手が思いの外頑丈だとわかって段々手段がエスカレートしてる模様。嬉々としてややこしいものを入れまくる南部博士の姿が目に浮かびます。一体どんなヤバイ実験をしたのか、詳しく聞いてみたいものです。

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 手すりで怪我をしたので、ハンカチで手当して戻ろうとしたら、ジゴキラーが暴れ出してびっくり。

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どうしたんだ……おぉ、枯れた……。ジゴキラーが枯れた……

 どうやっても枯れなかったジゴキラーなので、本気で驚いている南部博士。

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 折角育てたジゴキラーが枯れて、めちゃくちゃ残念そうな南部博士。ジュンが居るかもしれない状態で「焼き払う」とやった時とはえらい違い。
原因不明の理由で実験材料に死なれた研究者の反応としては正しいんですが……。

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血……私の血を吸って枯れた。そうか、ジゴキラーがなぜ男を襲わなかったか。

 弱点に気付く南部博士。

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こんな簡単なことがなぜ今までわからなかったのだ。はははは……

 両手を腰に当てて高笑いする南部博士。解決策発見で一人で大満足。

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 さっそく、ジゴキラーを枯らすための薬を作ってレッドインパルスに持たせます。そこに、ジュンを救出した健からの連絡が。

南部「南部だ。健か」
健「博士、ジュンは助け出しました」
南部「そうか、良かったな、健。私の方もジゴキラーを壊滅させる方法を見つけたぞ。簡単なことだったよ。ジゴキラーが男を襲わなかったのは、男の体内にジゴキラーにとって毒作用を起こすものがあったからだ」
甚平「あ、おいらたちの体に毒が?」
南部「染色体だ。いいか、女性の染色体はXが2つ、男性はXにYだ。ジゴキラーは染色体Xを必要としているが、男性だけが持っているYには異常反応をあらわすんだ。私は染色体研究所からこのYという染色体を大量に借りて特殊爆弾をつくりあげた。今、レッドインパルスがそっちへ飛び発った。ジゴキラーが滅びるのは時間の問題だぞ」

 ジュンが助かったことは「そうか、良かったな」の一言で片付けて、ジゴキラー対策を延々説明する南部博士。

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 最初から最後まで、ジュンの心配はちっともせず、ジゴキラーばっかり気にしていた南部博士でした。我が身を使って性能テストに協力したんだから、もうちょっとジュンも大事にしてあげてほしいです……ってそういう問題じゃないか。

工夫の余地が……(初代 38話)

|2011/1/21(金曜日)-19:42| カテゴリー: 初代
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38話「魔のメカニックジャングル」。

 マントルプランによって地熱を利用して砂漠の真ん中に超近代的な都市を造った……というところから話が始まるんですが、住民の様子がこんな具合。朝の出勤前のシーン。

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 要するに、人間がほとんど何もしなくても機械が勝手にやってくれる、という住宅が出来上がったということらしいです。
 このネタにありがちなオチは、死んでるのに機械が無理矢理支度させて出勤させて誰も気付かない(星新一)とか、機械の方の手違いで動作が1ステップずつずれる(手塚治虫)だったりします。それはさておき、こういう方向に自動化すると人間が堕落しそうな気がします。この開発プランにOKを出したISOって何を考えてたんでしょうか。

 落成式に呼ばれる南部博士。ジョーが護衛についています。人を怠け者にさせる都市を造っておいて、平然と式典に呼ばれてくる南部博士。

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 ムカシスキー博士なる人物がパレードに登場して、訝しがる南部博士。

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 そんな奴いたっけか、と考え込んでます。

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 式典が終わって宿泊場所に移動したらしい諸君と博士。夜景を見ながらくつろいでいます。

うむ、我々のマントル計画さえ順調に進めば、こんなことは夢でなくなるのだがね。世界征服を狙うギャラクターを倒さない限り、本当の夢の都市は実現できないんだ。

 南部博士としては、この全自動住宅付き都市には肯定的です。博士、独身だと何かと身の回りのことが不便なので、とうとう、機械に全部やらせるという方向に走ろうというのでしょうか……。

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 くつろいでいたら爆発が起き、調査に向かった健は、恐竜博物館の中で襲われてブレスレットを無くしてしまいます。

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 報告をきいた南部博士。

なんたることだ。科学忍者隊のリーダーであるお前が、ブレスレットをとられるなんて。あれがもしギャラクターの手に入ったら……

 と言ってますが、この場合はむしろ博士の設計ミスでしょう。

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 絶対無くしてはいけないブレスレットなら、衝撃を受けたくらいではずれるバックルをつけてちゃいけませんよね。
 以前、カヤックの講習を受けたことがありますが、はめ込み式のバックルの腕時計は海に落すと回収できないから外すように言われました。穴あきのベルトで止めるやつだと、ぶつかったくらいでは外れないから大丈夫なのだそうで。ダイバーズウォッチを見ても、衝撃ではずれるようなバックルは採用していないはずです。

 37話「電子怪獣レンジラー」。

 ゲストキャラのミワ博士と飼い犬タロウが登場します。翼竜が住むと言われている湖が、何故かこの年だけ凍らなかったのでミワ博士が調査に向います。案の定、ギャラクターが来ていて追い掛けられる。証拠写真を撮ったカメラを愛犬タロウに持たせて放します。

タロウ、こいつを届けるんだ。行先は南部博士だ。

 で、シーンが変わって三日月基地。
 タロウと共に部屋に入ってきた南部博士。

太陽エネルギーを研究している世界的な科学者三輪博士が自分の子供のようにかわいがっている犬だ。そのタロウがカメラをくわえてはるばると私の所へやってきた。

 タロウが放たれたのはとんでもない山奥で、かなり標高も高そうです。一方、南部博士の居場所って、アメガポリスのISO本部か、南の海の三日月基地でしょう。タロウ、一体どんだけの距離移動したんだよ(汗)。
 三日月基地まで直接到達したのだとしたら、タロウ、驚異的な調査能力です。ギャラクターが血眼になって探しても見つからなかった基地をあっさり発見って……。
 ISO本部に来たのだとすると、ISOの職員が犬を見て「南部博士に届けよう」と思ったってことですよね。まさか、職員がタロウをよく知っていたとも思えないので、普段から迷い犬はとりあえず南部博士に見せるということになっていたとしか……(汗)。マントル計画室長の普段の業務って一体……?

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 で、ミワ博士がやばいらしいというので、諸君がタロウと一緒に救出に向かい、ギャラクターの秘密基地に突入します。
 タロウ、諸君と遜色ない戦闘能力を見せています。
 しかし、基地内でタロウは諸君と透明な壁で分けられ、タロウの居る区画には大量の水が。タロウは溺れて、そのまま、湖に放り出されます。諸君も閉じ込められてピンチ。
 ところが。

健「タロウが死んでいなければ、これでここへ呼ぶことができる」
甚平「もし死んじゃっていたら」
健「一時間以内なら、タロウの脳に入っている装置によって、生き返らすことができるんだ」

 タロウ、ややこしいものを埋め込まれていました。

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 呼び出し装置がこれ。

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 南部博士、

そして、ミワ博士は私のかけがえのない友人なのだ

と、こんな顔して言ってます。

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 どうやら、南部博士はミワ博士とは旧知の間柄で、仲も良かったようです。
 さて、健が持ってる呼び出し装置は、南部博士から渡されたものでしょう。ミワ博士がタロウを逃がした時は、そんなものを一緒に持たせる余裕はありませんでした。
 呼び出し装置を持っていたということは、タロウの脳に埋め込んだ装置を南部博士はよく知っていたということになります。ということは、タロウがやってきてから埋南部博士が埋め込み手術をしたという可能性が出てきます。南部博士、あなた、かけがえのない友人の愛犬に一体何やってるんすか(大汗)。
 一方、埋め込みをやったのがミワ博士で、南部博士もそれを良く知っていたという可能性もあります。この場合も、南部博士が呼び出し装置を用意して健に渡すことができます。で、ミワ博士、タロウを大変可愛がっていました。可愛がる余り、もしものことがあっても生き返らせることが出来る装置を脳に埋め込むって、それはそれで何か違うというか、飼い主のエゴ炸裂というか……。この場合は、

ミワ「実は愛犬のタロウに、呼び出しに応じたり、死んで一時間以内なら生き返らせる装置を埋め込んだんだよね」
南部「ふむ、それは興味深い。で、呼び出し装置はどんな仕組みなのかね?」

といった会話がにこやかに交わされたであろうことが想像されます。ミワ博士、南部博士の友人の資格充分なマッドっぷりです。類は友を呼ぶというのは、こういうことなんですね(爆)。
 後半、ミワ博士もタロウも救助され、追っ手から逃げる時にタロウがミワ博士を助けて谷底に……という、感動的な忠犬の話になるはずなんですが、タロウが極端に優秀過ぎる上、博士のマッドさが気になって、素直に感動してられません。

 でもまあ、こんな便利な装置があるなら、タロウに仕込む前に、自分の脳に埋め込んでおくべきだったと思いますよ、南部博士。

頑丈だし動じないし(初代 34話)

|2011/1/11(火曜日)-02:16| カテゴリー: 初代
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 34話「魔のオーロラ作戦」。

 人間の脳波を動物の脳波と入れ替えるという、かなりものすごいガジェットが登場する回。脳波を入れ替えられると、入れ替えられた動物そっくりの行動をする、という設定です。
 今だと、変な「脳ブーム」があったりして、気軽に「脳波」とか持ち出すとクレームが来そうですが、そこは70年代のおおらかさ、何でもOKなノリがステキです。

 さて、脳波入れ替え作戦のせいで、あちこちで事故が続発します。電磁波攻撃だというので、誤作動を恐れて三日月基地の自爆装置の電源スイッチを切る南部博士。
 忍者隊で最初に被害にあったのが竜で、猫の脳にされてしまって、三日月基地内で四つん這いで走り回ります。
 それを見た南部博士。

いかん、竜をすぐ病院へ。

 と言うものの、全く焦ってないところがさすがです。

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 シーン変わって、運転手付きの車で移動中の南部博士。目を綴じて考え事をしている模様。

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 そこへ、お約束の脳波攻撃が。
 博士の居る後部座席は一応シールドされていたけど、運転席はノーガードだったので、まず運転手が異常を来し、さらにパワーアップしてシールドを破り、南部博士にも影響が及びます。
 運転手がやられたら事故必至、そうなると後ろの南部博士だって無傷じゃすまないわけだから、運転手共々シールドしないと意味がないはずですが、なんでこんな仕様にしたんですかねISOは。

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 それはともかく、運転手発狂で車はガードレールを突き破って谷へ。南部博士は途中で放り出されます。運転手はそのまま車といっしょに地面に激突して炎上。おそらく無事ではないでしょう。南部博士の運転手というのも、何かと巻き添えを食らいやすい職業のようです。

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 何だか普段より汚れたお姿に。それはともかく、これだけ放り出されても体の方が無傷って、博士無意味に頑丈過ぎ。放り出されつつその勢いで立って歩いてるような移動の仕方(しかし現場はかなり急斜面とみられる)してます。Fで諸君も驚愕の運動能力を発揮してくれた南部博士ですが、その片鱗は既にあったようです。

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 ともかく、意識が戻らないまま三日月基地に収容された南部博士。
 ところが、健が「博士、しっかりしてください」と呼びかけて、博士を起こしてしまいます。

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 寝てる南部博士などというややこしいものを起こした結果がこれ。
 既に猿の脳波にされていた南部博士、飛び起きるなり物凄い勢いで、切っておいた自爆装置の電源を入れようとします。健が慌てて止めますが、振り払ってやっぱり自爆装置に向かいます。ガードレール突き破った自動車から放り出されたのだから、足か腕の一本でも折っててくれて、動けなくなってくれてた方が良かったような。頭がおかしくなってるのに体は元気って、本当に始末が悪いです。
 それはそうとして、猿の脳波になったのに、なんで自爆装置一直線なんですか南部博士。猿になったのは仕方ないとして、それならそれで、バナナをねだるとか、壁に登ろうとするとか、毛繕いするとか、交尾するとか、先にやることがあるでしょう。自爆装置の電源を入れるって、猿的には、かなり優先順位の低い行動の筈ですよ。

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 挙げ句にジョーに一発入れられます。一撃で倒れてくれたからいいようなものの、起き上がってきたらもう二、三発追加する気満々のジョー。

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 床に倒れて伸びている南部博士。せっかく意識を取り戻したのに、また意識不明に。
 ジョー曰く、

おそろしいことだ。あの物静かな南部博士がこうまで変わってしまうとは。

 南部博士って物静かでしたっけ?一話では会議の席上で長官を前にして「あるときは一つ……」ともったいつけまくり、三日月基地作るのに成功すると高笑いしてました。メカニカの回ではブチ切れて遊園地作るは、見えない悪魔の回でも最後にわざわざ出てきて罠を用意したとか言いまくる。カミソラールでは順調に進んでる計画を横取りして暴風雨を引き起こしてたし。ジョーにしたって、バードミサイルを勝手に撃つなとさんざん説教されまくりのはずです。一体どこをどう見れば、「物静か」という結論になるのかが謎です。どう考えても「口うるさい」の間違いだろうと……。

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 さて、竜が偶然頭をぶつけて電気ショックを喰らって正常に戻ったので、博士も……ということで諸君達が提案。

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健「お願いです先生、南部博士の頭に強い電流を流して下さい」
ジョー「毒には毒をもって制す、というわけですよ」

 普通、この手のSFでは、おかしくなった奴に電気ショックをかけるのは博士の役割です。ところが、この話では、博士に電流を流そうとする斬新な展開に。言い出しっぺの健とジョー、さすがに南部博士に育てられただけのことはあって、マッドな発想はしっかり受け継いでいるようです。
 さすがに、プロである医者は

ドクター「馬鹿なことを言っちゃいけない。そんな素人療法じゃ無理じゃよ」

 と冷静に却下。しかし、

ジュン「だって、この竜は治ったんです」

 おいちょっと待てっ!南部博士を竜と一緒にしちゃいかんだろう、竜と……。
 というか、電流流して治ったとして、南部博士が竜並みになってたらいろいろ困るでしょうが。