いろいろと酷評されまくってた映画の実写版ガッチャマンですが、映画館で見る機会が無かったので発言は控えていた。DVDが出るという情報を冬コミケで入手し、アマゾンで注文可能になったので予約を入れておいたのが先日届いたので本日鑑賞。
 以下ネタバレ含む。自分で見て確認したい人はスキップしてください。

 まず、基本の設定から。
 ギャラクターになる原因はウィルスXに感染すること。ウイルスXは地球外から来た。ガッチャマンになる条件は石の適合者であることで、誰が適合者かはセンサーみたいなのでわかるっぽい。石の適合者は同時にウィルスXの感染者でもある。ウイルスXに感染すると超能力が使えるようになって、通常の兵器が通用しなかったり、念力でいろいろ飛ばしたり動かしたりできるようになる。石の適合者がウイルスXの感染者に攻撃を加えて石の力を送り込むとウイルスXもろとも相手を倒すことができる。
 ヨーロッパ方面がギャラクターに征服されて、北米と東京はまだ無事、という状態で話が始まる。

 最初の作戦。ISOの日本支部(新宿にあるらしい)で、ギャラクターについての会議してたらキャタタローラーと共にギャラクターが攻撃してきたので迎撃する。この部分の街の壊されっぷりとか、ビルの間を飛び回るシーンはかっこよく出来ている。しかし、装甲服着たギャラクターの一般兵士が強すぎて、一人倒すのに諸君が時間を掛けすぎている気が。何となく雑魚キャラの強さ設定間違えたクソゲーって感じがひしひしと。また、諸君が来る前に自衛隊だか軍隊だかが迎撃するんだけど、手にしている武器がM4A1カービン。一応警戒態勢ということで街中に兵士が居たり、戦車が走ってたりするんだけど、通常兵器が全く役立たずでヨーロッパ全域をはじめ地球の半分がギャラクターに占領されました、って状態なのだから、陸軍を展開する意味が全くない。案の定撃つだけ無駄な状態で兵士は一方的にやられていて、何しに来たの状態。せめてもうちょっと効果のあるビーム砲持たせるとかしてあげないと、人類がただのアホに見える。
 キャタローラーの起爆解除をジュンがやるのだけど、止めたはずが止まってない、で焦りまくりでISOのビルぎりぎりでやっと止まるというドジッ子演出。はらはらさせたかったのだろうけど、最初にかっこよく登場する掴みのシーンなんだからそれはどうなんだと……。

 で、全員基地に戻ってきたら、白っぽい壁の部屋で、貫頭衣みたいなのに着替えさせられて、ベッドに寝かされたり何かの装置でスキャンされたり。部屋の隅っこの方には白衣の人達が何人か。ガッチャマンて出撃してきたら精密検査が必要って設定らしいけど、そんなにデリケートで弱かったっけ、と違和感が。しかも既にここでジュンが健を口説いてるし。出撃して戻って来たプロの戦士じゃなくて、部活動終わった後のサークルのダベり。

 次の作戦は、ギャラクターのNo.2であるイリヤが亡命を希望してきたので確保せよというもの。ターゲットがどっかの大使館で行われるパーティー会場に来るのでそこで確保、ってことになってる。
 健とジュンがパーティー会場に入り込む方法が、正規の招待客とすり替わるというもの。ジョーが入れ替わり対象を気絶させ、入り口の掌紋認証は甚平がハッキングで騙す。順番が来てもハッキングが終わって無くてエラーが出たり、顔写真が違ってたりで怪しまれるけどどうにか入場する、というのもお約束の展開。
 会場のパーティーで掲げられていたのは、ヨーロッパ奪還計画、ってスローガン。奪還計画なら、ヨーロッパから逃げてきた各国要人が集っているのだろうなあと見てる側は思うわけで。ISOだってその計画なら全面協力するはずだから、ISOのエージェントがわざわざ非合法な手段で本来のメンバーに危害を加えてまで入り込む必要が全くない。要人警護とかいろんな理由つけて普通に参加できるはずだよねえ。しかも仮面舞踏会って感じで参加者全員素顔を隠してて、どう見ても地下組織の会合にしか見えない。このヨーロッパ奪還計画、ひょっとしてマフィアが主催しててメンバーもお尋ね者ばっかりとかそういう集まりですかね。
 ギャラクター幹部がホイホイ簡単に、招待制&掌紋認証でないと入れない場所に正式に招待されてるってどういう状況なのか首をかしげるわけで。うまいこと地球人側のフリを続けて今に至るのなら、何もそんな会場に来なくたって、ISO支部に普通に出頭すれば接触できそう。会の開催側も、ヨーロッパ奪回などというギャラクターにあからさまに刃向かうイベントをやるのなら、スパイには注意しないといけないわけで、仮面で顔を隠すって逆に入れ替わりを容易にするだけじゃないかしら。
 ドレス着て健と作戦できるジュンは早速恋人気取りで浮かれていて緊張感まるで無し。
 イリヤって何者、ってのはパーティー会場の途中の回想シーンで語られるわけですが。これからターゲットに接触しようというところで長々と回想シーンを入れたら流れがダレるわけで、大丈夫かこの演出、と思いながら見てた。しかしそんな心配を吹き飛ばすほど回想の内容がアレだった。
 ヨーロッパでは健、ジョー、ナオミの3人でユニットを組んでたと。廃墟になったところを、UNマークの輸送車が行くシーンになって、中には救助された人と健、ジョー、ナオミの3人が。あとちょっとで安全なところに辿り着く、って状態のときに、この車内でジョーがナオミに指輪を渡してプロポーズ。いつ襲撃されるかわからない護衛の仕事中に何やってんの状態。ナオミ、状況を考えろとか言いつつOKする。車内拍手……ってそんな状況じゃないだろこれは。案の定バスが襲撃され、3人は外に放り出されて戦闘不能状態に。何でも、大きなダメージを受けると石が光らなくなって、普通の人に戻っちゃうらしいです。襲撃にぶち切れた健が敵を追いかけ、包囲され、撃たれたところをナオミがかばって撃たれてしまう。ナオミはそのまま行方不明に。この時の指揮官がイリヤ。だからジョーとしては彼女の敵なのでイリヤを保護する気は無い、という説明。いやこんなアホなプロポーズシーン入れるくらいなら、原作通り、親の敵だからギャラクターは殺す、って突っ走ってくれた方がよっぽどジョーらしいというか。
 パーティー会場でイリヤと接触、連れ出したのは良かったが、ジョーがイリヤを殺す気で、ジュンとリュウを縛り上げた上イリヤに銃を突きつける。健は撃つなといってジョーに銃をつきつける。ジョーが撃とうとしたので健が発砲、実体弾ではなく電気ショックを与えるような弾でジョーを倒す。
 イリヤはISOの基地に連れてこられて捕虜となり、ギャラクターの次の作戦について教えろと尋問される。健が銃を突きつけて脅したりしてますが、健あなたそれどこに隠し持ってたの、というのはもはや細かいことですよねえ……。
 ISO本部の方は、Gストーンのパワーを使って軌道上から地上に発射するという衛星兵器モスコーンを使ってギャラクターからヨーロッパを奪回する作戦がカークランド博士によって提案され、承認される。捕虜も居るんですけど、捕虜は見殺し決定。えーと、普通はこの作戦やるから攻撃前に捕虜を解放しろ、って諸君に命令が出るところじゃ……。
 話の内容をモニターされているのを承知の上で、「カークランドの妻拷問して殺したけど何も白状せんかったわ」発言するイリヤ。マジギレしたカークランド博士、わざわざイリヤの捕らわれている部屋に甚平を護衛に伴って現れ、お前を殺してやる宣言。
 電磁バリアの檻に入れられてたイリヤ、見張りの兵士を引っ張り込んでバリアを喰らわせると、バリアがあっさり消滅。何だか情けないバリア。これなら普通に鉄格子の部屋に入れておいた方がよっぽどマシだったよねえ。カークランド博士はあっさり拉致され、甚平も捕らわれて液体窒素ぶっかけられて、リュウが助ける。健とジョーは命令されてイリヤを追いかける。ジョーがどっかの広い部屋でイリヤに追いついて、そこで会話が始まって、イリヤは実はナオミの変身した姿で、ナオミ=ベルクカッツエだということも判明する。というかナオミが自分からバラす。このナオミさん、ウィルスXの機能とか性質とかいろいろ一方的に全部ジョーに一方的に説明してくれてギャラクターに勧誘もしてくれるというとても親切なお方。説明の状況はジョーの通信機で健と南部博士にも伝わっている。ジョー、突っ立っててナオミにキスされ、ウイルスXに感染おめでとう状態。感染者同士が手を合わせるとゲートが開く、ってことで、ジョーとナオミでハイタッチして部屋の中にゲートができて、ナオミ、カークランド博士を連れてギャラクター要塞に瞬間移動した。
 モスコーンの起動キーはカークランド博士自身なので、要塞に体ごと組み込まれたみたいになって意志を奪われてモスコーンの起動をさせられる。本当はギャラクターに占領された都市を殲滅するはずが、ターゲットがまだギャラクターの手の及んでいない都市を順番に攻撃するように変えられてしまって、あと30分で1つ目の都市消滅な、って状態に。
 当然諸君が出動することになるのだけど、なんで戦うのとかジュンが言い出すし、甚平を助けないでイリヤ追っかけてたのはけしからんとリュウは怒り、険悪な雰囲気に。そんな口げんかしてるときに南部博士は黙って見てるだけ。そこ、馬鹿者、って叱るところですよねえ。
 結局5人で出撃することになり、ゴッドフェニックス使えって南部博士が言うのだけど、まだ試験飛行もしてませんってリュウに言われる始末。それでも無事にちゃんと飛んで、バードミサイルとか使って要塞潜入を果たすのはお約束。
 基地に潜入したら、一般兵士相手にえらく手間取って、全部倒した時には完全息切れ状態。健、こんなに弱かったっけ。そこは爽快になぎ倒すシーンだよねえガッチャマンなら。ジョーはずっとカッツェ剣で斬り合いやってるし。甚平は、意志を奪われて要塞に組み込まれてるカークランド博士の制御を取り戻そうとするんだけど、ギャラクターの装置のインターフェースがわからず、結局カークランド博士の首の後ろのコネクタに信号線をつないで目標をずらす命令をブチ込む。なんか攻殻機動隊っぽい。でも、最後の目標の東京だけはずらすの間に合わず。ギャラクター要塞(タートルキングがモチーフらしい)がなぜか上空高く上がっていく。それじゃあ要塞を衛星にぶつけて直接壊そうぜ、ってことになって、斬り合いやってるジョーの応援に行く。ただ、要塞の制御パネルらしいもの、カークランド博士を乗っ取ってたのと同じ形状なので、カッツェ倒したところでどうやって動かすんだよ、という疑問が。
 結局応援にかけつけた健がカッツェ=ナオミを倒すのだけど、感染したジョーはベルクカッツェに変わりかけてる。でも、石の力で押さえ込んでとりあえず元のガッチャマンスタイルに。全員でゴッドフェニックスに戻って、さあ飛び立とうとすると、要塞の枝みたいなのに捕まってて逃げられない。バードミサイル打ち込んでその辺破壊して飛び立ち、次の一発で衛星破壊するぞ、な状態になる。都合良く要塞はなぜか衛星のすぐ側に来てるし。
 衛星破壊の直前、あと数秒で東京攻撃されまっせ、のカウントダウンをやってます。お約束のやつです。で、バードミサイルの発射タイミングが、3,2,(撃て)……この状態でミサイル頼みならビーム発射に破壊は間に合わないっぽいし、カウントが2,の状態で既に衛星のビーム発射口は要塞にぶつかって潰れつつあって、角度とかもずれまくりのはずだから、これってミサイル無くても衛星破壊は要塞だけでいけるだろうとか、壊れながらビームが出ても東京は逸れるだろうとかそんな感じで、演出の意図が全くわからない。
 衛星も要塞も爆発してくれたので地球に帰るのだけど、衛星軌道上からだから大気圏突入でゴッドフェニックスが真っ赤。甚平が、科学忍法火の鳥、って言ってるけど、空力加熱で赤くなってるだけ。火の鳥やって何かするつもりじゃなくて、戻ろうとしたらスペースシャトルの大気圏突入と同じで熱で赤くなっちゃっただけの随分と消極的な火の鳥で、見せ場でも何でもないという……。まあ、試験飛行もしてない機体で大気圏突入かまして空中分解もしなかったのだから良かったねえとしか。

 ギャラクターの重要作戦がこれからだ、って時に、リュウは母親(といっても実の母じゃなくて母親代わりになってくれた人)が余命いくばくも無いから除隊して帰りたいと言い出すし。ジュンは、両親死んでるって話があったのに自分では死んでない行方不明なだけ、といかにも現実を直視したくないっぽい発言してるし。
 なにより問題なのは、SF的に見ると悪役が悪役に見えない。カッツェはウイルスXは人類に進化をもたらす、って言ってて、実際、感染すると念動力使えたり空飛べたりと能力は飛躍的に伸びるわけで、ウイルスXに感染した方がどう見ても便利に見える。ぶっちゃけ、ギャラクターばっかりになって旧人類が滅んでも何かまずいことあるの?ってのがわからない。生物の大量絶滅って地球の歴史じゃ珍しくないわけで。となると、旧人類の秩序を力のある奴に壊されるのがまずい、という既得権を擁護しているだけであって、ISO側は人類の進化を邪魔するアカン奴になってる。新人類が出て来て種の存続をかけて争う、というのはSF的には有りだと思うけどそういう展開でもない。

 まあ、叱るべき時に叱ってこなかった南部博士がいけないのだろうけれど、こんな諸君を使って重要作戦を指揮する羽目になった南部博士、胃に穴があくんじゃないかと思った。



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