フルネーム判明の回(初代 81話)

|2010/6/6(日曜日)-23:42| カテゴリー: 初代
| 2 個のコメント

 81話「ギャラクター島の決斗」。
 ジョーの物語&過去が判明する回、ということで名高い回ですが、そちらはジョーファンの方にお任せして、こちらでは南部博士に注目しておきます。
 まず、ジョーが居ないシーンから始まります。事情を知ってるらしい甚平に気付きますが、南部博士、妙に物わかりが
いいんですね。

そうかな?お前だけジョーのことを心配している風にも見えないんだがな

 と、さすがに鋭い観察力なのですが、その後、顎に手を当てて考え込むいつものポーズで

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そうか……みんな、そう甚平を責めるな。甚平はきっと、ジョーと、男の約束をしたんだろう

と発言。

私にはジョーの行き先がわかっている。

今日はジョーの両親の命日なのだ。

多分、墓参りに行ったんだろう。ジョーは君達にも言えぬ悲しみを胸にして、ギャラクターと戦ってきた。その苦しさを両親の墓にぶつけに行ったんだろう。

 南部博士には、大体予想がついていたようでした。
 それでも、なぜ今になって、と訝っています。

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それにしても、あれから10年経った今、なぜ急に墓参りなどに行く気になったのだろう。

 つまり、ジョーは、この10年間両親の墓参りはしていなかったということです。
 「なぜ急に」に対する回答はマリンサタン号での出来事で、健が南部博士に説明しました。
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そうか。そんなことがあったのか。

 南部博士によって語られた、ジョー救出の経緯は次の通り。

10年前、私は学会の帰りにBC島を訪れた。ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ。そして、彼らに命を狙われたジョーを、密かに島から連れ出したのだ。

 ジョーの行き先がBC島ならそこは今でもギャラクターの巣窟ですから、危険極まりない。

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うん、この際ギャラクターの養成機関であるBC島を叩く必要があるな。よし、科学忍者隊出動!ゴッドフェニックス発進せよ!

と、またまたツンデレな出動命令素直に「ジョーを助けに行け」って言えないのかね南部君は……

 それはともかくとして、ジュゼッペ一族暗殺の結果を確認に来たカッツェと市長の会話はこんな具合でした。実はこれ、南部博士ファンにとっては重要なシーンなんです。

カッツェ「ジュゼッペの子供が死んだと報告してきたのは、確かお前だったな」
市長「はい、カッツェ様」
カッツェ「間違いあるまいな」
市長「間違いありません。ドクターが立ち会い、確かに死亡したという報告を受け取りました」
カッツェ「ドクターが?すると、その子供は病院で死んだというのか」
市長「はい。私達は、ギャラクターを裏切ったジュゼッペ浅倉とその家族を、一人残らず抹殺せよとのカッツェ様のご命令通り、あの海岸でジュゼッペ夫婦を射殺、その子供ジョージを爆弾で吹っ飛ばしました。ところが子供の方はまだ息がありまして。とどめの一発をぶち込もうとした時、騒ぎをききつけて市民が集まり始めました。そして医師の資格を持っているという旅の科学者がやってきて、ジョージを病院に連れて行きました」
カッツェ「診察はその男に?」
市長「はい、そして1週間後にジョージは死んだのです」
カッツェ「うーん、その旅の医師の身元はわかっているのか」
市長「えーと、10年前のことですから……待ってください、記録は残してありますから……ああ、ありました。そのドクターの名は南部」
カッツェ「なに」
市長「南部考三郎です。サインもあります」
カッツェ「な、南部が!馬鹿なヤツ、なぜそれを今まで隠していた!」
市長「は?このドクターの南部がどうかいたしましたか」
カッツェ「国際科学技術庁の南部だ。そして、裏で科学忍者隊を動かしているのも、その南部考三郎だ」

 南部博士のフルネームが呼ばれたのって、これが最初だったのではないかと。普段は「南部博士」「博士」「南部君」と呼ばれることはあっても、名まで呼ばれることは無いし、アニメのクレジットも「南部博士」しか出ていません。設定初期の「仙三郎」(設定画の記載)や、映画シナリオでの「千三郎」から変更されたことは、このシーンで確定です。ただ、この表記は有力説に基づいて書いただけであって、後に記すように、「考三郎」が確定したわけではありませんので、ご注意ください。

 ところで、今回の南部博士の説明をそのまま受け取ると矛盾が出ます。52話で語った内容は、

いや、諸君。健を責めないでくれ。むしろ私が責められるべきなのだ。ちょうどいい機会だ、君たちに話しておこう。もう14年前のことだ。ホントワール国がギャラクターと組んでV2計画の準備を進めていると知ったとき、私の研究所のテストパイロットをしていた一人の男に、ホントワール国に潜入し、その計画書を手に入れるように要請した。だが、悪の一大組織と一つの国家を相手のスパイ行為だ。万が一家族に危害があってはならないと、男はその時4歳の子供を私に預けた。そして、南の空で事故を起こし死んだと見せかけ、名を消し、姿を変え、ホントワール国に潜入した。そう、その男、レッドインパルスが健の父親だ。

というものでした。
 健とジョーの設定年齢は同じで、18歳です。健を南部のもとに残して鷲尾健太郎がホントワールに行ったのが14年前ですから、14年前には、南部博士はギャラクターの(地球上における)存在や活動状況をある程度は知っていたはずです。すると、今回の「 10年前、私は学会の帰りにBC島を訪れた。ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ」をそのまま受け取ると矛盾が出ます。ニュースで1回見た、程度なら、前に見たけど忘れていたという説明も可能ですが、親友の息子を引き取り親友はスパイに出かけた原因がギャラクターですから、これを南部博士が忘れるはずがありません。今回の南部博士の説明は「(BC島にまで)ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ」といった意味にとらないと、矛盾が生じてしまいます。

【お願い】
 もし、この回のシナリオあるいは録音台本を持っておられる方がいらっしゃいましたら、上のカッツェと市長の会話のシーンがどう書かれているか教えていただけないでしょうか。南部博士のフルネームの漢字表記が、どうなっているのか知りたいのです。この回のシナリオや録音台本での表記が、初代での南部博士の漢字フルネームの、最も公式な表記ということになるはずで、南部博士ファンにとってはかなり重要なことなんです。1級資料で確定するわけですから。他のフルネームの漢字表記はムック本などの2級資料のものばかりで、それぞれ違っていても優劣がつけられないのです。



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2 個のコメントがあります


  1. 廖化 on 2010/6/7(月曜日) 07:40

    裕川さんは既に御存知かもしれませんが
    ガッチャ缶さんのこちらのカテゴリに脚本集があります。
    http://homepage1.nifty.com/shampoo/G-kan/shiryoukan/daihon/daihon.html

    しかし残念ながら#81はしゃんぷーさんも捜索中のようです。

    #52と#81での矛盾は、博士が「名称は不明だがV2計画を進めている組織の存在を知った」のが14年前、「その組織名がギャラクターだと知ったのが10年前」と無理やり(笑)解釈していました。

  2. 裕川涼 on 2010/6/7(月曜日) 17:50

    廖化さん、

     見てきました。シナリオサイト、以前にちらっと見たことがありましたが、その後忙しくて失念してました。興味深い資料なので、連絡を取って利用させてもらえないか頼んでみます。
     しかし、南部博士のフルネーム漢字表記については解決しませんでした。気長にシナリオが発見されるのを待つしかないのかも。
     調べる内容が絞り込まれているので、タツノコに問い合わせて答えてもらえるなら、それが一番手っ取り早いんですが、そのへんはどうなんでしょうねぇ。

     台詞の意味については、解釈が分かれるところです。
     52話は現在から見て過去のことを語っているので、当時は判明していなかった組織名を今は分かっているから言っている、という説明が可能です。ただ、14年前に陰謀団らしい組織の存在を知っていたのなら、81話の台詞は「ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ」ではなくて、「陰謀組織の名前がギャラクターだということを知ったのはその時だ」になりそうな気もするんですよ。だから、私は、エントリーに書いたような解釈をしてみました。

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