国際科学技術庁本部のシーンから始まるんですが。
 中盤までに出てきた本部ビルと形が違う上に、

N「アメリス国が誇る巨大都市アメガポリス。その都市のほぼ中央に、国際科学技術庁の本部がある」

ですから、一体どうなってるのかが謎です。

 それはともかく、国際科学技術庁本部の廊下で、南部博士はボロンボ博士とすれ違います。

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南部「ボロンボ博士、相変わらず仕事熱心ですな。いかが……」

 折角呼びかけたのに、ボロンボ博士は無視してさっさと立ち去ろうとします。まあ、この時には既にギャラクターに娘を人質にとられて、秘密データを盗み出すように脅されていたので仕方ありませんが。

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 よびかけたのに挨拶もしてもらえない南部博士。

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 ボロンボ博士はさっさと立ち去ります。
 取り残されっぷりが見事な、置き去り南部君……。あまりに見事に無視されて、一瞬絶句して固まってる後ろ姿が、なんだか寂しげでかわいいです。ISOでマントル計画室長をやってる自分が、「仕事熱心」って持ち上げた相手から、ここまで無視されるとは思ってもみなかったのかも。

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「博士、ボロンボ博士!」

 放っておけばいいのに、大声上げてわざわざ呼び止める南部博士。あからさまに無視されたのが気に障ったんでしょうか。

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 南部博士だって、仕事ぶりからいうと、普通の人の2倍も3倍も働いていることは確かです。その南部博士に「相変わらず仕事熱心」と言わせるボロンボ博士の普段の仕事ぶりは、多分相当なものであっただろうと推察されます。が、いくら多忙でも限度というものがあるわけで……。
 上の空だったボロンボ博士も、さすがに気付きますが、「本当に嫌な雨ですなあ」とだけ言ってさっさと廊下の向こうに消えます。やっぱり上の空。ところが本日の本部周辺は快晴。
 不審に思った南部博士が後をつけると、ボロンボ博士は、立ち入り禁止のコンピュータールームのドアを、ペン型のレーザーで焼き切ろうとしていました。
 階段の途中で立ち止まり、見ぃ〜ちゃった状態の南部博士。

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 普通ならここで、「一体何をやっているんだ」と声をかけたり、止めたりするでしょう。ところが、南部博士はそのまま階段を駆け上がります。南部博士が目撃したということを、ボロンボ博士に気取られないように、さっさと姿を消すわけです。そのまま警備室へ向かう。

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 警備室のモニターで、ボロンボ博士の挙動を監視します。

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 さすがに険しい表情です。
 監視しただけではなく、きっちり記録もしたようで、この後、三日月基地の巨大ディスプレィに、ボロンボ博士がコンピューターに怪しい装置をとりつけているところを諸君に見せています。
 仕事熱心で知られている(そして南部博士もそのこ認めている)ボロンボ博士が、スパイのような行動をとるというのは、南部博士にとっても驚きだったと思うのですが、とっさに「止めさせるよりも泳がせる」という判断をするあたりは、実に南部博士らしいです。これまでも、敵を欺くには味方から、というパターンで散々作戦をやってきているわけで、そうでもしないと秘密が保てない状況である以上、怪しいのを見つけたら背後関係まで探って関係者全員引っ張り出さないと、対策したことにはならないということなんでしょう。
 諸君への説明で、南部博士は

あのコンピュータールームは、シークレット回線と呼ばれる極秘事項を収納した、いわば国際科学技術庁の心臓部だ。そして、極秘作戦の1つである、君達科学忍者隊の組織や秘密が、もれなく組み込まれているところでもあるのだ。

 と言ってますから、忍者隊結成も、一応はISOがらみのプロジェクトだったと考えるべきでしょう。南部博士の私兵として作られたのかと思っていましたが、それなら、忍者隊の組織や秘密をISOのコンピューターに入れる必要はありません。とはいえ、アンダーソン長官でさえ忍者隊の秘密を知りませんでしたから、南部博士の権限で行った極秘プロジェクトだったのでしょう。
 笑えたのが南部博士の自問自答。

いや、事態はもっと深刻なのだ。あれほど厳重な警備装置を置き、万全の態勢をとっているにも関わらず、今度のような事件が起きたとなれば、今後の警備態勢ももう一度考え直さねばならない。

と言っておきながら、魚を眺めてちょっと考えただけで、

そうだ。ちょっとした特殊プラスチックでも使用したら、赤外線などは苦もなく騙される。

あっさり警備の抜け穴に気付いてます。博士気付くの早すぎ。というか、こういう事態が起きるまで真面目に考えてなかったのではないかと疑ってしまいます。

 それはそれとして、南部博士が警備室に行ったとき、警備室に誰も居ない様子だったのはいかがなものかと。ボロンボ博士が許可なく立ち入れない部屋にドアを壊して入って変な装置を取り付けていれば、真っ先に怪しんで様子を見に行くのは警備員だし、南部博士が来た時にはその話をするはずですが、そんな様子はありませんでした。一応、警備員が居るシーンもありましたので、警備室担当の方々はパトロールにでも出かけていたのでしょうか。だとしたら、むしろ、警備の穴はそっちではないかと。警備室の監視が無い時間帯を狙えばやりたい放題ってことですから、立派なザルです。南部博士は、赤外線のゴマカシ方を問題にする前に、警備員のシフトの方を問題にすべきではないでしょうか。



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