方針間違ってます、博士(20話)

|2010/8/28(土曜日)-16:21| カテゴリー: 初代
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 20話「科学忍者隊危機一発」。
 子犬を助けようとして頭にミサイルの破片を受けて大ピンチのジョー、という、ジョーファンにとって人気の高い回ですが、南部博士の行動の方に注目してみます。といっても、最後の方で良すぎるタイミングでゴッドフェニックスの通信装置に現れる部分は、諸君監視装置を装備しているのだろうというネタを既に書きましたので、今回はジョーの治療の方から。

諸君、これを見たまえ。鉄の破片は脳の一番危険な場所に触れている。手術で取り出すことは不可能だ

ということになります。破片は図にしめした場所にあります。

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 手術が無理なので、南部博士はいきなり乱暴な方法を提案。

宇宙科学研究所にある高速遠心分離装置にかけて頭部から破片を抜くことだ。しかし、一つ間違えば人体そのものが分離してしまうおそれが多分にある。

 人体そのものが分離、って、よく考えるとめちゃくちゃスプラッタな話なんですが、諸君は全員スルー。その上、健ときたら、

博士、我々科学忍者隊は常日頃から体を鍛えています。ちょっとやそっとのショックでは死にはしません。ジョーがもし死んだら、ゴッドフェニックスの威力も発揮できなくなります。お願いです。遠心分離機にかけてください。

 頑丈さにかけては定評があります、という趣旨の発言。
 結局、遠心分離機にかけることになります。
 今回、南部博士はずっとジョーのことを気にかけていて、悲しい顔をしています。

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 しょぼーん、ですね。

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 いつもの元気がありません。

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 しかし。
 振り回している画像を見て、私は椅子からずり落ちかけました。

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 ジョーの包帯の位置を見てください。頭の周囲をぐるっと取り巻くように巻いています。ということは、鉄の破片が入った傷は、頭頂部分ではなくて頭の側面で、倒れたシーンも考えると後頭部のあたりにあるはずです。つまり、寝かされているジョーの頭が台に触れているあたりに傷があるわけです。
 そのジョーを水平に寝かせて、足元を中心にして振り回すと、破片は水平方向の遠心力を受けます。すると、頭頂方向に向かって引っ張られることになります。南部博士の試みが成功していた場合、破片は、脳のまだ無傷な部分を傷つけながら、包帯の無い頭頂に近い部分をぶち抜いて出てくることになります。これではジョーの傷倍増です。
 メスを入れられないから振り回して抜こうというアイデアは良かったのですが、破片が動く方向は考えないと……。

 結局、遠心力10倍でも破片が抜けなくてがっかりの南部博士。

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 そこへ、お約束の攻撃があって、諸君に出撃命令。

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 遠心力作戦は失敗し、「ジョーは必ず助けてみせる」と諸君に大口叩いたにもかかわらず目を離した隙にジョーには逃げられ、攻撃をうけて錐揉みするゴッドフェニックスの中で振り回されるとジョーの破片はあっさり抜けてしまう。「遠心力を10倍に」と苦悩しつつ叫んでいた南部博士の立場が全くありません。
 この回は、努力の方向が違っていたり空振りしたりするという意味で、いいところ無しの南部博士です。でも、悩んでいる姿もまたかわいいんですよねぇ。



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