パーソナルツール

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ACT.10

しかし、この外部コンピューターが発信する特殊指令波を受信できる範囲でなければ、手足を動かすだけのでく人形なのである。ゴッド・グリフォンはあらゆる意味で未完成なロボットなのである。

 

「ペガサス!大丈夫か!」

ガイン老人の声が耳を打つ。

「‥‥ぐ…ぐぐっ!‥‥やったぜ…じいさん…」

ペガサスはやっとの事で頭を持ち上げた。合体の時、ペガサスはシートとコンソール・パネルの間を三度往復した。全身の血液が頭に昇ってしまったかのような不快感と内臓を引きずり出されるような嘔吐感を必死でこらえる。

「何者だ!貴様!」

円盤獣フビフビが叫んだ。

「フッフッフッ‥‥貴様らを皆殺しにする為に地獄の底から甦ったゴッド・グリフォンだ。」

ペガサスは不敵に言った。

「そ‥‥その声は‥‥ペガサス!き、…君は…!」

ゴッド・グリフォンから発せられた言葉にデュークは驚いた。ダイザーのコックピットにペガサスの声が入る。

「デュ、デューク・フリード‥‥ご苦労だったな‥‥へへ‥‥あとは俺にまかせてもらうぜ。」

「‥‥ペガサス!…一体、そのロボットは…?」

その声が終わらぬうちに、老人の声がペガサスの耳を打った。

「ペガサス!気をつけるんじゃ!敵はすぐ来るぞ!」

「フン…奴等は要するにニセ者じゃねえか。」

「あなどってはならん!歴戦のグレンダイザーでさえそれだけやられておるんじゃ!」

その時、フビフビが叫んだ。

「こしゃくな奴め!片づけてしまえ!」

その声を合図にギンギンとドイドイが宙に舞った。

「‥…!」

ペガサスは一瞬、たじろいだ。イキがって強がりを言ってはいるものの、ロボットによる格闘戦などこれが始めてなのである。老人が叫ぶ。

「ひるむな!ペガサス!左腕を上に翳して左側Bパネルのレバーを上へ押し上げろ!」

ペガサスは言われた通りにグリフォンを操る。グリフォンの左腕がぎこちなく高く翳される。上空からギンギンとドイドイがグリフォンに向けて怪光線を発射した。ペガサスはレバーを押し上げる。すると、グリフォンの左腕の外側を覆っているカバーが下へ伸び、その両脇から扇を拡げるように巨大な金色に輝く円盤状の楯が出現した。金色の楯は怪光線の直撃を受け、光り輝いた。しかし、怪光線は反射され、空中に拡散してしまった。

「------何っ!」