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ACT.10

地中からの姿を星空の下に現わした巨大ロボット、ゴッド・グリフォン。このロボットはグレンダイザーの試作機である。フリード歴2000年(フリード星の公転周期を1年とすれば今から1013年前)、今となっては伝説の人、ビッグ・フリードが全フリード星人を単一民族として統治し大王として君臨して以来(むろん、そこへ至までには大国同志の戦争が数度に渡ってあった訳だが)、フリード星人は常に平和を好む民族へと変わっていった。そして1000年以上もの年月が流れたフリード歴3003年、フリード星人はこの上なく平和な日々を送っていた。しかし、デューク・フリードの父、第20代目大王フリーダム・フリードは考えた。------フリード星人は堕落しているわけではない。真に平和を愛する民族なのだ。しかしこの宇宙時代、異星の文明社会との接触を考えずには政治を運営できないこの時代に、もしも、この美しく平和なフリード星を強大な暴力で侵略せんとする不逞の輩が出現した時、現在のフリード星人達はその異星人を撃退し、自らの星を守る事ができるのだろうか?しかし、その為に軍隊を増強する事は星民が納得すまい。ならば、いざという時に平和的なフリード星人が異文明の暴力に立ち向かう最低限の防衛策とは何か?------そして、フリード大王は星民に巨大万能ロボットの開発を提唱した。フリード大王は言った。

「これは兵器ではない。平和の象徴である。現在のフリード星が、そして宇宙が平和であるが故に必要なのだ。」------と。

フリード大王は優秀な科学スタッフをフリード星の各地から招集した。そして、この科学陣のリーダーにガイン・アクリオン、サブ・リーサーにシザース・ゴカルテンを指名したのだった。フリード大王はこの巨大万能ロボットの設計、建造の全てをガイン・アクリオン、シザース・ゴカルテン率いる科学陣に委任した。かくして、この試作型ゴッド・グリフォンの開発が始まった訳である。そしてある日、フリード大王立ち合いの下、ゴッド・グリフォンの超兵器のテストが行われた。その場において、フリード大王はその数々の超兵器の猛威に戦慄した。その攻撃力、破壊力は予想をはるかに超えるものであり、まさにその姿は全宇宙をも席巻するかのごとくであった。フリード大王はこのロボットの戦闘能力の強大さを恐れた。今、このロボットを平和の名の下に完成したところで、フリード星人はこの超兵器の集合体をもてあますのではないか?