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ACT.8

王宮へ戻ったドク、ジザベル、ニーナの三人に投げられたフリード星人の視線には、一種異様な光があった。当然、フリード星人達は一目で彼等をベガ星人だとわかったし、彼等もフリード星人達の目の光の意味を知っていた。デュークはジザベルの手当とニーナをマリアとエリーナにまかせ、オックスとペガサスに訪ねた。

「ドクに話を訊きたい。君達二人も立ち会って欲しいんだが、どこか部屋はないか?」

オックスが答えた。

「それなら、長老の部屋がいいでしょう。な、ペガサス」

「ああ、俺は構わんが‥‥」

「長老と言うのは昨夜合ったあの老人の事か?」

「そうです。」

「彼の名は?」

「ガイン・アクリオンです。」

「ガイン・アクリオン?あの光量子力学の?」

「御存知なんですか?」

「学生の頃、彼の本を読んだ事がある。そうか…そんな科学者がまだ‥‥」

「長老はペガサスの母方の祖父なんです。」

「オックス。今は関係ない。余計な事を言うな。」

ペガサスは冷たく言った。

「よし、とにかくそこへ行こう。ドク、来てくれ。」

四人はホールから地下への階段を降り、オックスの案内でガイン老人の部屋の前に着いた。

「よし、僕が先に入ろう。」

デュークはそう言い、ドアを軽くノックして開けた。

「失礼します。」

ガイン老人は半身を起こして答えた。

「おお、デューク王子。怪我の具合はいかがかな?」

ガイン老人は思ったより元気な様子だった。

「はい、大した事はありません。そちらこそ、いかがですか?」

「何、儂も大した事はない‥‥して、何の用かな?」

「はい、先程、近くにベガ星の円盤が不時着した事は御存知でいらっしゃいますね?」

「うむ。エリーナから聞いた。」

「実は、その円盤に乗っていたベガ星人が生きていたのです。」

「何、本当か?」

ガイン老人は身を乗り出した。

「紹介します。彼がベガ星人、ドク・メロスです。」

ドクはデュークに一歩前に出された。

「彼は軍人ではなく、民間人だそうです。」

ガイン老人は何も言わず、ドクを見つめていた。

「彼にいろいろと訊きたい事があるのですが、よろしかったらこの部屋を貸していただけないでしょうか?」

「ああ、構わんぞ。」

「ありがとうございます。」

四人は部屋の中へ入った。ガイン老人のベッドのわきの二つの椅子に、デュークとドクは向かい会って座った。ペガサスとオックスはドアの近くに寄りかかって立つ。

「では始めよう。」

デュークが言った。彼が次の言葉を言おうとした時、ドクがそれを遮った。

「その前に訊きたい事がある。」

「何だ?言ってみたまえ。」

「僕達は殺されるのか?」

デュークは意外な質問に驚いた。

「何故だ?」

「僕達ベガ星人は、君達にとっては敵のはずだ。」

「大丈夫だ。そんな事は考えていない。それに君は民間人だろ?僕はベガ星がフリード星を襲ったのはベガ大王と一部の狂った軍人や政治家達のくだらない野望の為だということを知っている。心配する事はない。」

「僕達三人の生命は保障してくれるのだな。」

「もちろんだ。安心したまえ。」

「わかった。君達の質問に答えよう。」

ドクは覚悟を決めたように言った。デュークの質問が始まった。

「まず、君は何をしにこの星へ来たのだ?」

「別に、目的があって来たのではない。円盤が故障したのでこの星へ不時着しただけの事だ。ここがフリード星だと言う事もさっき知ったばかりだ。」

ドクは淡々と彼の質問に答える。

「ウム‥‥それでは君はベガ星の植民惑星から来たと言ったな。何故その星を飛び立った?」

「リーツは‥‥消滅した。」

「何?どう言う事なんだ。説明してくれたまえ。」

「何を言っているんだ。リーツを襲ったのはフリード星のグレンダイザーではないか。」

「何だって!」

一同はドクの言葉に驚いた。