チェックリスト

|2010/4/28(水曜日)-20:59| カテゴリー: 創作, 読書メモ, 雑記
| コメントする

 遅ればせながら「ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義」佐藤健志著、(文芸春秋)を読んだ。巻末のチェックリストが興味深かったので引用しておく。

作品を破綻させないための二十の法則

総則 作品におけるイデオロギーは、何も主人公が最後の場面で口にする「テーマ」や「メッセージ」のみに表れるものではない。物語の展開のしかたや、登場人物たちの行動もまた、不可避的に作者のイデオロギーを反映する。
第一条 日本と地球全体を同一視してはならない。ましてや宇宙全体と同一視するなど、もってのほかである。
第二条 外国(とくにアメリカ)に喧嘩を売るときは、当の相手に甘えたりすることがないよう充分に注意せよ。
第三条 日本人が外国人に比べて、とりわけ平和を愛しているという客観的根拠はない。
第四条 「自然と共に生きている」人々は、ほとんどの場合仕方なくそうしているにすぎない。また前近代的共同体(たとえば農村)にあこがれるなら、それらの共同体が実際にどんなものなのかを理解してからにせよ。
第五条 人間を尊重することと、環境を保護することは両立しない。
第六条 「愛」や「真心」があれば、それで不可能が可能になると思うな。
第七条 自分の力が弱いことは、身を守る努力をしないことの言い訳にはならない。
第八条 作品中に地理座標を出すときは、まずその場所を確認してからにせよ。
第九条 みんなが愛し合っていたら、アクション・シーンは作れない。
第十条 「よそ者」に依存してばかりいると、いずれ不満が爆発する。
第十一条 権力者はつねに自分のことしか考えないというのは神話に過ぎない。また権力者を悪者としてしか描けないのは、政治がわかっていない証拠である。
第十二条 どういう政府を作るのかという点を充分考えないまま、その場の気分で革命を始めないこと。
第十三条 自分の手を汚す覚悟ができていない者を、純粋などと言ってほめてはならない。
第十四条 同じ女だからといって、妹と母親を混同しないこと。
第十五条 すべては夢だったというのは最低のオチだ。
第十六条 話し合いですべてが解決するというのは妄想にすぎない。
第十七条 死ぬ気でやったところで、バカな事はバカな事だ。
第十八条 いじけたりバカになったりすれば、それで同情が買えると思うな。
第十九条 自分の日常が脅かされたからといって、何をしてもいいというわけではない。
第二十条 物事は変われば変わるほど同じものである。

 ちょっと前に買った「上原正三シナリオ選集」に「M78星雲の島唄」が収録されていた。ウルトラマンのシナリオを書いた金城哲夫の生きざまを描いたシナリオである。金城氏を追い詰めたものの正体は何か、といったことが解説に書かれていて、気になっていたのだけど、「ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義」では、金城氏が抱えた矛盾についての分析がなされている。
 「ノンマルトの使者」も入手したのでこれから読んでみるつもり。
 ジョゼフ・キャンベルやクリストファー・ボグラーの、ストーリー分析と構築手法は、モノを書くなら知っておくべきと思うのだけど、この2冊は思想的な面での構築法法については(目的が違うので)扱っていない。物語が含むイデオロギー的な破綻の出方は、書く側がどういう社会や文化で育ってきたかに大きく依存するだろうから、アメリカやヨーロッパの人と日本人とでは、当然違ってくると思われる。佐藤氏のチェックリストは、ある世代の「日本人が陥りがちな誤り」のリストになっているので、意識しておいた方がよさそうである。時代と共に変わってはいくのだろうけれど。

※「ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義」には、斎藤美奈子氏の「紅一点論」(ちくま文庫)に取り上げられていた参考文献からたどり着いた。

文体診断

|2010/4/27(火曜日)-17:55| カテゴリー: 創作, 雑記
| コメントする

文体診断ロゴーン」てのがあるらしい。あとでチェックしてみよう。

 家露さんのところで、「博士の肖像」を見て、私も渋くてかっこいい南部博士を描きたいと思ったんですよ。でも、画力的に無理でした。もうちょっとソフトになれると、塗り方とか変えられてそれっぽくなるんでしょうけど。
 一応ジゴキラー祭りがまだ開催中なんで、ジゴネタも入れてみました。
 南部博士……じゃなくて長官の方のつもりです。結局、家露さんのとは似ても似つかない南部博士になりました。
続きを読む……

真の「攻め」=作者、なのだろう

|2010/3/28(日曜日)-22:12| カテゴリー: 創作, 雑記
| 8 個のコメント

 二次創作とかファンフィクとか呼ばれる一連の「アレ」の攻め受けの話。自分なりに納得できる説明を思いついたのでメモ。あくまでも私が納得出来る説明であり私なりの理解なので、全然違うよ、という人はたくさん居るだろうから、その場合はスルーしてくれればと。

続きを読む……

やっぱり難しいな

|2010/3/24(水曜日)-01:26| カテゴリー: 創作
| 2 個のコメント

 某所で、大介受けのフィクが登場して盛り上がっている。別の某所だと、ジョー×健が王道で、ちょっと毛色の違うのとしては、赤親父が攻めとか南部博士が攻め、といったパターンがある。
 結構皆さんが楽しそうなので、そっち系を私が書くとしたらどうなるんかいな、とちょいと考えてみた。
 私の感覚だと南部博士受けの方がしっくりきそうだなぁ、とふと思ってはみたものの、あの博士のキャラだと、本来ならエロのクライマックスになる筈のシーンで、例えば攻めが「入り口がきついな」とか口走ると「そこはそもそも入り口ではなくて出口なのだから当然だろう」と冷静にコメントしたり、コトが終わってから「出口と入り口に関する私の認識は間違っていたのだろうか……」と顎に手を当てて考え込んだり頭を抱えたり(悩むところはそこかよ!)というシーンが思い浮かんだりして、これじゃどうやってもギャグにしかならんな、という結論が。

 あきらめて普通の冒険話を考えるか……。

再版された……

|2010/3/16(火曜日)-02:57| カテゴリー: 創作, 雑記
| コメントする

 だいぶ前から欲しかった「神話の法則」が再版されて、予約していたのが届いた。amazonじゃすごいプレミア価格というか、ぼったくり価格になってて手出しできなかったのよ。出版元を見たら去年の9月に再版予定になってて、でも出ないから何回か問い合わせたら、今年の2月には何とかなる、って返事が来て、やっと出たらしい。3月に入って順次発送されたみたい。
sinwa-no-housoku.jpg
 ストーリーテリングの基本原則を解説した本で、プロットを作るために知っておくべきことがまとめられている。ファンフィクを書き始めてから、物語の構造をどうやって設計しようかといったことを考えるようになったので、まあとにかく標準的な作法をきちんと学んでみようかと……。「物語の文法」でとりあげた本の仲間みたいなもんかな。
 これ以外には、ジョセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄 上・下」も必読かも。こっちも、下巻品切れだったのでamazonマーケットプレイスでうまく購入。
 小説作法の本はいくつもあって、キャラをどう作るかとか、文章そのものをどう書くか(視点も含めて)という技術については説明があるけど、物語全体をどう構成するかといった話は、個別の作法とは多分別物。私の場合は最初に全体の構造が決まらないと何も書けない、まずはプロットありきなので、物語の基本パターンは押さえておかないと行き詰まりそうな……。だから、この本にはかなり期待してる。

【フィク】求人広告その2

|2010/2/28(日曜日)-22:38| カテゴリー: ガッチャマン, 創作
| 6 個のコメント

 Reeさんのところと連動企画
 やっぱり、正社員募集しておいて時給じゃ安いしあまりにブラック企業だろうということで、求人広告第二弾です。
 とはいえ、万が一の場合だの丸腰で来いだの、前より募集内容がやばくなっています(爆)。
recruit2.png

 相変わらず腰タオル南部君に出てきてもらいました。このポーズで「ギャザー、ゴッドフェニックス発進せよ!」をやる予定だったんですが、そっちが進まないのでポスターに流用。配送担当が追加され、健とジョーが応募可能になっています。
 「イケメンCEOの南部考三郎博士が花を背負って登場するポスター」と文章で書くと、70年代の少女漫画の一コマを思い浮かべたくなるわけですが、百聞は一見に如かずってヤツでして、ご覧の通りの代物です。私が描くと色気もへったくれもありません。恋愛要素なんか銀河の彼方にすっ飛んでしまいます。というか、この場合、文章で書くとむしろ詐欺かもしれん(汗)。
 ジゴキラー4本の色塗りが大変だった……。すっかり懐かれてます>南部君。

【フィク】求人ポスター

|2010/2/25(木曜日)-01:29| カテゴリー: ガッチャマン, 創作
| 4 個のコメント

 販促ポスターだけじゃ済まないだろうということで……。詳細は画像をクリックして拡大してからご覧下さい。
recruit.png
 意味もなく腰タオル南部君登場です。フラスコの中はジゴキラーの培養細胞。生ジゴ使わなくても製造ラインにのせられる目処がたった瞬間、ってイメージですかね。折角なので花を背負って登場。
 しかし、CEOがこんなで、募集かけて、まともな人材が来るのか大変に不安を感じますね。ついでに、労働条件の福利厚生が「生命保険に加入」ってことは、一体どんなヤバい目にあうのかと……。入ってみたらとんでもないブラック企業だった、ってオチが待ってるかもしれません。

 そもそも、科学忍者隊からしてが、給料安い(リーダーがいつもオケラ)、サビ残当たり前、時間外の呼び出し有り、仕事内容はキツイ汚い危険の3Kをばっちり満たしているし、仕事が増えても人員の補充は無いし、そして何よりも上司がマッドサイエンティストですから。

 本当はこの絵、制作予定のマンガの1コマになるはずだったんですけどね。なかなか進まないうちにポスターに流用。