弓教授の珍指揮の回を紹介したが、兜剣造博士と宇門博士に比べてあまりに間抜けなシーンだったので、かっこいい台詞を言ってるシーンも集めてみることにしました。

 Z7話。変装したあしゅらに煽られた暴徒に石を投げられて負傷してしまう回。ヘルが攻めてくるのは光子力研のせいだ、と謂われのない非難をされる。

さやか「私達はもう光子力を放棄して静かに暮らしましょう」
弓「いかん、今あれを放棄したらどうなると思うんだ。地上は悪魔の支配する星となる。それだけはなんとしても食い止めねばならん」
さやか「でも私、甲児くんみたいにひとりぽっちにはなりなくないわ」
弓「なんだんって」
さやか「彼の両親は光子力の開発途上で実験に失敗して死んだわ。その上に、おじいちゃんの兜博士は光子力を完成したために殺されちゃったじゃないの」
弓「さやか。この悲劇を悲劇のままでは終わらせん。ここで光子力を放棄してしまったら、今まで大きな犠牲を払ってきた人たちに仇で返すようなものだ。光子力を本当に平和利用するまで、悪用しようとする者と戦わなければならないのだ」
弓「わかったかね、さやか。一個人の幸せに関わる問題ではないのだ」

 28話。だまされてあしゅらに人質にとられる。

弓「甲児君、さやか、戦うのだ。わしにかまわず機械獣を倒せーっ!」
あしゅら「マジンガーZ、アフロダイA、一歩でも動いてみろ、弓博士の命は無いぞ」
弓「甲児君、Drヘル一味にジャパニウムを渡してはならん」
弓「さやか、私一人の死を恐れて人類をDrヘルの奴隷にしてはならん。二人とも、戦ってくれ」

 戦えない二人を見て、

弓「私が二人の足手まといになっている。そうだ、私が死ねば二人は戦えるんだ」

 思いっきり崖からダイブする弓教授。Zが何とか受け止めますが。
 37話。ニセスミス博士がスクランダーを爆破しようとする回。格納庫で気付いて、ニセ者に腕を撃たれるも、

偽スミス「動くな、今度は命がないぞ」
弓「撃てるものなら撃て。私は死なんぞ。いや、たとえ死んでもお前達のたくらみを成功させはしない」

 負傷したままがんばって偽スミスを取り押さえます。
 43話。ブロッケン伯爵の鉄十字軍団に攻め込まれる光子力研究所。

弓「さやか、光子力研究所はもはや防ぎようがなくなった。お前はみんなを連れてヘリコプターで逃げるんだ」
さやか「お父様は?」
弓「私は光子力研究所を見捨てるわけにはいかない。」
さやか「そんなことをしたら殺されるわ」
シロー「そうですよ、先生早く一緒ににげましょうよ」
弓「いや、それはだめだ。船長は船が沈むとき一緒に船と運命を共にする。私は責任者としてこの光子力研究所と運命を共にしなければならないんだ」
弓「私はお前達が一緒に死んでくれても少しもうれしくはない。わかってくれ、私の気持ちが」

 57話。Zが罠にかかっている間に、光子力研究所が攻撃されてバリアも破壊される。

ドクターヘル「どうだ弓弦之助、無駄な抵抗はやめろ。直ちに研究所を明け渡さなければ、機械獣バルモスQ7とともに奪い取るだけじゃ」
せわし「しょ、所長」
弓「みんな、逃げてくれ」
もりもり「それじゃ所長」
弓「やむを得ん。ドクターヘル、研究所は明け渡す。攻撃を止めたまえ」
ドクターヘル「やっと観念したか」
弓「ただし、これ以上市民ならびに研究所に犠牲者を出すな」

せわし「所長、一緒に逃げてください。それからのことはそこで考えましょう」
弓「君たちこそ早く行くんだ」
せわし「し、しかし」
弓「これは所長命令だ」
せわし「しょ、所長……」
弓「早くしないか!」
弓「甲児君、残念だ」

 この後、管制塔内に一人残った弓教授、ピストルを出して頭に当て、自決寸前のところを、甲児君からの連絡で救われます。
 65話。

弓「我々の戦いはいつもこんな苦しみの連続なんだ。しかし、我々には正義という武器がある。さいごまであきらめてはいけない。バリヤを張れ!」

 光子力研の雰囲気がでている、新ホバーパイルダー開発の70話。

弓「とにかく、ドクターヘルの攻撃はこのところただならぬものがある。新機械獣の出現といい、作戦失敗のときの体当たり戦法といい、まさに、瀬戸際作戦に出てきたといってもいいと思う。我々はこれに対処するため、ホバーパイルダーを修理するという考えを捨て、あらゆる条件に耐えうるものを新しく誕生させなくてはならないと思う」
拍手する一同。
せわし「とにかく新ホバーパイルダーを設計しなくては」
弓「それでは、ホバーパイルダーの建造委員会を、せわし、のっそり、もりもりの三博士を中心に発足させる。委員長には私が就任しよう」
再び一同拍手。

 科学要塞研究所は軍隊方式のトップダウン組織だから会議してこういうシーンにはならないし、宇宙科学研究所は所長が趣味で突っ走ってそう。
 74話で研究所のバリアが破られた後。甲児は負傷して出撃できない。

弓「全員避難せよ。防衛不能」
せわし「所長」
弓「博士、残念だが今回はどうにもならない。今まではマジンガーZを信じて望みをつないできたが、それも不可能だ。せわし博士は早く避難を」

弓「おい、ドクターヘル。研究所は明け渡そう。攻撃を中止したまえ。ドクターヘル」

 このあと、アフロダイAを壊したくないと言って出撃しないさやかに、

弓「さやか。甲児君は自分の命を捨てて出て行ったぞ。それでも、お前はアフロダイAにこだわるのか。さやか。誰にも犠牲にしたくない大事なものがある。しかし、人間の命に代えられるものは無いんだぞ。これが最後だ。弓弦之助の娘として恥ずかしくない決断をくだしたまえ」

 結局アフロダイAは破壊される。
 アフロダイAの後継を作ることになった75話。

甲児「とにかく、新しいアフロダイAは戦闘用として作り替えるべきです」
せわし「うん、しかしちょっと待ってくれ甲児君。アフロダイAは平和の使者に、彼女は戦闘用にすべきじゃない。あくまで平和のためのロボットとして甦らせるべきなんじゃよ」
甲児「せわし博士。いまはそんなことを言っている場合じゃないでしょう」
弓「甲児君、せわし博士、ちょっと待ってくれないか。お互いの意見はよくわかった。しかし、ここにさやかがおらんというのは片手おちというものだ。この際、戦闘用にするか平和ロボットに徹するかは次の会議で決めよう」

とまあ、やっぱり会議をしているあたりが光子力研究所だなあ、と。兜剣造博士や宇門博士なら、設計を決めてみんなに示すだろうねぇ。
 78話でも、攻撃を受けて管制塔が大破。所員達を避難させたあと、弓教授が一人で管制塔に残って甲児君を呼び続ける。

 普通に指揮している回とか、それなりに技術で対策してる回とかもいろいろあるんだけど、こうやって見てみると、弓教授は本当に使命感の人だなぁ。自分は死んでもいいけど所員に被害は出したくない、というか。古き良き日本人の組織のトップ、というイメージが強い。