こちらで紹介したフランス語バンドデシネの内容を紹介する。twitterだと数が増えるのでまとめを書くことにした。本を買って自分のペースで楽しみたい人は、本を読んでから見に来て下さい。


研究所では吾郎と団兵衛がダイザーチームの帰りを待っていた。が、先に自動操縦で戻って来たのは失われたスクリュークラッシャーパンチだった。何かあったのではと心配して見守る団兵衛と吾郎は、スペイザーの一機がエンジンにダメージを受け、高度を下げつつあるのを見た。それがマリンスペイザーとわかり、吾郎は不時着した場所に急ぐ。マリンスペイザーは炎上していたが、ひかるは無事だった。団兵衛は吾郎を追いかけ、ひかるを心配するあまり無理に立ち上がって歩こうとするが、胸を押さえて倒れてしまう。

医務室を塞ぎたくない大介は、グレンダイザー格納庫で一人休んでいたところをマリアに見つかる。一方、医務室では、宇門とひかるが団兵衛にペースメーカー埋め込みの手術をしていた。ひかるは、やってきた大介に向かって、倒せるはずの円盤獣を倒さなかったとなじる。

シラカバ牧場の近くで物思いにふけっていた大介の所に、宇門が来て、ギターを差し出した。宇門は、団兵衛は容態は安定していて意識を取り戻すのを待つだけだと伝え、グレンダイザーも同じだという。グレンダイザーは大介と脳への通信でいつも影響しあっていた。宇門はグレンダイザーの不具合を探していたが、結局、大介が戦いを望んでいないことが原意とわかったと言い、フリード星で本当は何があったのかと大介にきいた。

フリード星では、デュークは数多くの強い敵と戦っていた。戦っている間中ずっと、どんなに戦ってもまた侵略されるという心の声をきいていた。殺されてしまったフリード星人に混じって倒れているマリアの姿を見て、デュークは敵を殺すこと以外に何も考えられなくなり、ダブルハーケンを振るい続けた。気がついた時には全てが終わっていた。ベガ生の生き残りが一人、海岸に向かって歩いていた。それがケオスだった。デュークは殺すつもりで銃を手に追ったが、ケオスにはもう戦う意志はなく、妻と子どもを探していただけだった。海はベガ星人の死体で溢れ血に染まっていた。デュークは自分が怪物になったのだと悟った。

話をきいた宇門は、怪物であると自覚できるのならそれは怪物になっていないということだし、ヒドラゴンはまた戻ってくるだろう、皆が大介を必要としているのだと言った。

夜があけて、大介とダイザーチームはグレンダイザーの修理をしていた。そこへ、団兵衛が意識を取り戻したとひかるが伝えに来る。団兵衛は、どうしても大介と直接話をしたがっていて、この戦いを終わらせる方法について話したいということだった。

大介は、団兵衛の病室に向かう。団兵衛は、戦争に勝つのではなく止める方法があり、それは自分がかつて経験したのだと話し始めた。

かつて、太平洋の島で、団兵衛のいる日本軍と米兵の部隊が白兵戦をしていた。6日間、双方に補給はなく、水も食料も尽きた。双方の塹壕の間に小さな池があったが、顔を出したり近寄ったりすると殺されるので、どちらも手出しができないままにらみ合っていた。お互いがお互いを怖がっていた。暑さのせいかバカげたことをする気になった団兵衛は、武器を持たずに塹壕を出て、池で水を汲み、米兵に渡した。その日は銃撃戦はせず、日本兵と米兵はその池の水を飲んだ。少なくとも彼らはその場では死なずに済んだ。

団兵衛は、怖がっていたのでは平和は来ず、地球侵略をしてきた宇宙人の方が大介とグレンダイザーを怖がっているのではないかと語るのだった。


この章のタイトルは”LA GUERRE DE RIGEL”、「団兵衛の戦争」といったところか。放映当時の50代ならぎりぎり戦争を経験している世代である。

医務室、とあるが、本格的な手術室を設備として持っているという想定で書かれている。研究所を閉鎖した時に、武器類は全部無くしたことにしたが、それ以外の物品はそのままにしていたという話なのだろう。

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約束の7日を待たずにアルケンは東京を攻撃した。大きな犠牲と被害が出た。宇門は、闘う準備がまだできておらずあと数日の訓練と準備が必要だと言うが、ダイザーチームは出撃する。宇門が見守る中、大介もグレンダイザーを発進させる。グレンダイザーの機能が一部しか使えず、戦闘服に変身することもできないままの出撃だった。

オオタ将軍の部隊が誘導する避難民達は、ビルのガレキと円盤獣に行く手を阻まれていた。グレンダイザーは円盤獣に攻撃を開始し、3機のスペイザーはミニフォーと空中戦を始めた。マリアは、上空から避難民の様子を見て取ると、ドリルスペイザーでガレキの下に穴を掘り、避難路を作った。

ヒドラゴンは、アルケン、ケオス、アルガイアが操縦していた。ヒドラゴンには、グレンダイザーのビーム兵器は通用せず、シールドで受け止めて撃ち返してしまう。スピンソーサーで攻撃しても、ヒドラゴンを作っている繊維を少し切っただけで、すぐに再生が始まってしまった。ダブルハーケンで表面に亀裂を作り、スペースサンダーを亀裂に打ち込もうとするが、不調によりスペースサンダーを出せない。その隙をつかれ、グレンダイザーは繊維に絡め取られて引き倒され、攻撃を受け、胸部の反重力ストーム発射装置に穴を開けられてしまった。左手のダイザーパンチを放ったが、攻撃されて、腕に戻すことができなくなってしまった。

デュークを助けに行こうとひかるは焦り、マリンスペイザーがミニフォーの攻撃を受けてしまう。高度を維持できなくなったマリンスペイザーを、ひかるは一旦川に潜水させ、水の中でエンジンを再起動させて戦いに復帰した。

左腕を失い、触手にからめとられて自力での脱出ができなくなったグレンダイザーは、ドリルスペイザーに地中から押し上げられ、ダブルスペイザーに掴まってどうにか離脱した。

ケオスはグレンダイザーを追いかけようとするが、ベガトロンが残り少なくなっていたため、アルケンに止められる。富士山に行けば補給可能とケオスは主張したが、補給中に反撃されることを恐れたアルケンは、マザーバーンに戻ることを決めた。


エネルギー問題に悩まされるベガ星の生き残りと、十分に動かないグレンダイザーで戦うデューク、という展開。

7章のタイトルは”ILS ONT BESOIN DE TOI”で、宇門博士の台詞として出てくるので、「皆がお前を必要としている」といった訳が良いだろう。

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宇門博士の監督のもと、ダイザーチームは3機のスペイザーの整備を始める。作業はまずは掃除からだった。ダブルスペイザーの整備が終わり次第、マリンスペイザーの整備を始めることになった。多忙なチームを励ますために、宇門は古いレコードをかけた。それは、昔、グレンダイザーが闘っていた時、子供たちが学校で歌っていた歌だった。

古いロッカーを探して、ダイザーチーム達はかつて使っていた戦闘服に着替えた。ひかるは昔を思い出し、甲児との付き合いは何も進展しないまま終わったことを少し後悔し、それをきいた甲児も沈むのだった。

試験飛行の準備が整い、3機のスペイザーは研究所から飛び立っていく。が、グレンダイザーの準備は遅れた。観測室から、大介と一緒に見守る宇門は、パイロットは訓練不足で、機体は本来の性能の半分も発揮できないことを憂慮する。が、悪天候の中を長時間飛行するダイザーチームを見て、訓練でどうにかできるかもしれないと期待するのだった。

しかしグレンダイザーはロックしたままになり、コマンドは受け付けず、デュークの戦闘服を作り出すこともできない。宇門は、本当はフリード星で何があったのかと大介に訊く。

ちょうどそのとき、ベガ星の兵士が研究所に侵入し、人質をとって、デュークを呼び出す。人質の声が番太だとわかった大介は、宇門が止めるのも訊かず、呼び出しに応じた。番太を人質にとったのはケオス大佐だった。大介は銃をつきつけるが、ベガの将軍に地球に手出しするなと伝えるように指示した。番太は、ケオスと撃て、と言ったが大介は見逃した。

マザーバーンでは、ケオスが、グレンダイザーが動き出す前に攻撃すべきだと主張するが、アルケン将軍は、7日の猶予を与えたのだといって攻撃命令を出さない。ケオスは、ヒドラゴンはベガトロン不足で十分活動できないが、富士山の地下からベガトロンが見つかったので、日本を征服すればグレンダイザーと闘うエネルギーが得られると主張した。アルケン将軍は、ケオスに、個人的復讐と作戦を一緒にするなと諭した。アルケン将軍はアルガイアに相談するが、アルガイアは自分自身に問うよう言うのだった。


最後までストーリーに絡んでくるオリキャラが登場したのでまとめておく。

まず地球側。オオタ将軍。

Screenshot 05

ベガ星の生き残りの人々。割とありそうな読み方でカタカナにしてみたが、フランス人がどう発音しているかはわからないし、発音を正確にカタカナにするのも無理な話なので、その点は了承してほしい。

イロス・ド・アルケン将軍(Yros D’Arkhen)

Screenshot 01

ケオス大佐 (Kehos)

Screenshot 04

この章のタイトル”J’ARRACHERAI DE MES MAINS LE COEUR D’ACTARUS”は、「この手でデュークの心臓をとり出してやる」のような意味で、作中のケオスの台詞。

アルガイア(Argaïa)。アルケン将軍の娘で、下の少年カシオールの母。

Screenshot 03

カシオール (Kasior)

Screenshot 02

デュークの戦闘服への変身メカニズムは、アニメでは特に何も設定されていない。ムック本などを見ても、製作側の公式見解として出されたメカニズムはない。グレンダイザーが戦闘服を作り出す、というのは、このバンドデシネのオリジナル設定である。

作業が忙しいダイザーチームを励ますために、宇門博士がレコードをかけようとするシーンは、

Rec1

のように描かれている。宇門博士が持っているレコードは、アニメ放映当時にフランスで作られた歌のものである。ジャケットのデザインは、

Rec2

で、マンガのコマと一致している。アーティストはClaire Diterziで、L’Arbre en Pocheというアルバムに収録されたらしい。曲はたとえば、https://www.youtube.com/watch?v=SvDsjWerRugで聴くことができる。歌詞は次の通り(カッコ内の日本語は裕川による)。

Il traverse tout l’Univers
Aussi vite que la lumière
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Formidable robot
Des temps nouveaux
(光の速さで宇宙を横切る、彼は誰?どこから来たの?驚異のロボット、新時代)

Il jaillit du fond de la mer
Il bondit jusqu’à Jupiter
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Ce terrible géant
Des nouveaux temps
(海底から飛び出し木星に跳躍、彼は誰?どこから来たの?とてつもなく大きい、新時代)

C’est Goldorak le Grand
Le Grand Goldorak
C’est Goldorak le Grand
Le Grand Goldorak
(これは偉大なグレンダイザー、偉大なグレンダイザー、これは偉大なグレンダイザー、偉大なグレンダイザー)

Il arrive du fond du temps
Comme un soleil éblouissant
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Ce merveilleux génie
De l’infini
(時間の底からやってきた、太陽のようにまばゆい、彼は誰?どこから来たの?すばらしい守護神、それは無限)

Il est né d’une galaxie
Aux frontières d’une autre vie
Qui est-il ? D’où vient-il ?
L’invincible robot
Des temps nouveaux
(銀河で生まれた、別の生命の果てに、彼は誰、どこから来たの?無敵のロボット、新時代)

Il traverse tout l’Univers
Aussi vite que la lumière
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Formidable robot
Des temps nouveaux
Nouveaux
Nouveaux
(光の速さで宇宙を横切る、彼は誰?どこから来たの?驚異のロボット、新時代、新しい、新しい)

フランスでは、グレンダイザーのオリジナルテーマソングがいくつか作られていて、これもその1つ。グレンダイザーの人気を考えると、この本を買うような人はこの歌詞を良く知っているはずである。従ってフランス人には追加の説明は不要だろう。一方、日本人でこの歌を知っている人は少ない。マンガでは、宇門博士がレコードをかけ、甲児君がそれに合わせて一緒に歌った後、俺達は仲間に入れて貰えない、と言っている。日本人がマンガだけ見ているとこの台詞の意味がわからないのだが、上記の歌詞にはグレンダイザーだけが登場し、3機のスペイザーは出て来ないので、宇門博士がグレンダイザーだけを称える歌を流したことに対する甲児君のコメントだとわかれば意味が通る。

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ダイザーチーム一行は、閉鎖されたシラカバ牧場にやってきた。残っていた食料を取りだし、火をおこし、朝まで眠ることにする一行。車の中で、フリード星で何が起きたかというマリアの説明をきいていた大介は、なぜ本当のことを全部話さなかったのかという。マリアは、そんなことをしても戦いの役に立たないと答えた。

ひかるはクローゼットから大介が昔着ていた服を取りだした。何か思い出が残っているのかとマリアが聞いた。ひかるは、牧場で何があったか説明を始める。

大介とマリアが去ったあと、団兵衛は納屋で事故に遭った。番太は休みで、吾郎は学校に行っていた。団兵衛は車椅子が必要になった。牧場を続けたかったのだが、結局閉めるしかなかった。牧場へは時々は来ていたのだが、だんだん来ることも無くなった。

皆は一度寝たが、上の階から報道の音声が聞こえてきた。噴火と攻撃で数え切れない死者が出た、というテレビ放映を、大介が見ていた。集まってきた皆に向かって大介は、円盤獣はこれまでベガ星が作った中でも最も強力で、コードネームをヒドラゴンといい、フリード星ではグレンダイザーはヒドラゴンのプロトタイプにほとんど倒されかかったのだと言った。スペイザー3機ではどうにもならないだろうと。皆は、これまでも一緒に戦って来たので、今回も一緒に戦うと言うのだった。

早朝、一行は研究所に向かう。しかし、途中の橋は壊れてしまっていた。ダムを監視する人が居なくなって流されてしまったのだった。一行は山道を行くことになった。険しい山道を進む道すがら、甲児に、グレンダイザーをどこに隠したのかと訊かれた大介は、ルート9に隠したという。ルート9はベガ星連合軍との戦いの終わりまで建設中で、完成を待たずに戦いが終わったのだった。このため、軍が探しても見付けられなかったのだ。大介は、グレンダイザーを保守できる設備があるのは研究所だけで、研究所は家なのだと言った。

ようやく研究所に入れる扉のあるところまで辿り着いたが、研究所はロックされていて、宇門にもすぐには解除できなくなっていた。大介がグレンダイザーを隠した時、既に研究所は放棄されていた。その後で、宇門は、山田、大井、林と宇門とで3機のスペイザーを運び込んだ。誰かが脅されて研究所のセキュリティを危険に晒すことがないように、メインコンピュータに監視機能と自己破壊機能を組み込み、侵入を検知して15分以内に4人のうちの2人が同時に生体認証しないと自爆することになっていた。山田は去年亡くなり大井と林はヨーロッパに居る。

宇門は、研究所がグレンダイザーのコンピュータを参考にして作ったものなので、グレンダイザーを同時に研究所に接続すればグレンダイザーが自己破壊を回避するだろうということに気づく。全員で研究所に侵入し、カウントダウンが始まる中、大介はシューター移動通路からグレンダイザーをかくした水の底へ、残りのメンバーは観測室へと向かう。観測室から研究所の防壁を解除し、グレンダイザーの接続が間に合い、自爆はどうにか回避できた。


この章のタイトルは、ROUTE No9。そのまま「ルート9」でいいだろう。建設中の知られていないルートがまだあったというこの本のオリジナル設定。

シラカバ牧場に何が起きたのか語られる回。

山田所員が死んだことになっている(涙)。観測室メンバー、割と気に入ってたので、山田所員についてはたとえば南極に飛ばすぐらいにしておいてほしかった。

佐伯所員の存在は完全に無視されている。演出の都合だろうけど……。できれば所員たち再集合も見たかったのでちょっと残念。

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団兵衛に会えた吾郎は、避難するため、一緒に、港へ行く。ところが、吾郎は空席の最後の一人として乗れるが、団兵衛病気持ちの年寄りだから、何かあっても責任をとれないという理由で乗船を断られる。団兵衛は、吾郎に船に乗るように促し、自分は牧場の家にいる方がいい、という。吾郎は団兵衛に付き従うことにした。

場面が変わって、山道を走るマリアの移動販売トラック。ヘリのままだと通信から位置を特定されるので、わざとに破壊して、全員がマリアのトラックに乗り換えたのだった。衰弱した大介は、研究所に行かなくては、と繰り返す。宇門は、何年も前に研究所は閉鎖したので一体どこにグレンダイザーを隠したのかと大介に訊く。

道すがら、大介とマリアが地球に戻ってきた理由について、マリアが説明する。

生きて戻ったフリード星人はわずかしか居らず、戦争の数年間隠れていた人達も集まってきた。悲惨な状態だったが希望に満ちていた。デュークが戻ったということは、戦争が終わったことを意味していた。しかしデュークは、自分が国民を見捨てたことを気にしていた。それでも、生きるために種を蒔いて収穫するしかなかった。作業の規模は小さく、資源も足りず、このまま生存するのは無理だった。それでもフリード星で暮らそうとしていた。そこへ、ベガ星の生き残りが襲ってきた。デュークはグレンダイザーで戦ったが、戦う術を持たなかった他の人々は皆殺され、マリアも重傷を負った。襲ってきた母艦は2つで、1つを破壊したがもう1つには逃げられてしまった。デュークが地球に戻ったのは、マリアの傷を治療するためだった。グレンダイザーは軍のレーダーにとらえられたが、どこに着陸したかのかわからなかった。デュークはマリアを病院の玄関に置いて立ち去った。その後軍に見つかって捕えられたが、一人で戻ってきたということ以外、何も話さず、そのまま投獄された。退院してからマリアはデュークを探していた。軍に捕らわれていることだけわかっていたから、見張りを続けていた。

話している間に、トラックは、閉鎖された宇宙科学研究所前に到着した。宇門は、ベガ星との戦いが終わった後、戦闘用の設備を全て捨てて研究所を放棄した。そうする以外に、当局に忘れてもらうことができなかったからだ。2年語に、軍の最後の査察があった後、3機のスペイザーを、林、大井、山田の手を借りて元に戻したのだった。


4章のタイトルは”EUPHOR”. UFOの発音から連想した単語と思われる。なので、ストレートにUFOと訳したくなるところだが、フランス版ではデューク・フリードのことを、”PRINCE D’EUPHOR”のように呼んでいる。なので、日本語に対応させるなら、この章のタイトルは、「フリード」または「フリード星」になる。

なぜデュークとマリアが地球に戻ったのかが語られる章。

軍のデュークに対する扱いや、研究所の査察を繰り返したことから、軍は、兵器としての3機のスペイザーやグレンダイザーを手に入れたがっていて、いろいろと無茶をしていたということになっている。

いつも観測室に居た名前持ち所員は、フランス語版でも名前持ち。林所員がArgorli、山田所員がAntarès、大井所員がCochye。あともうひとり、佐伯所員はOctan。第一話の所員紹介シーンで、呼ばれた名前の順に所員が並んでいなくて、顔と名前が一致するには何話か先までみないとわからない状態になっている、フランス版でも修正されずにそのままになった(つまり日本語音声で出てくる名前の通りにフランス版の名前を対応させた)。

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甲児は、愛着のあるTFO2号機があっさり壊されてがっかりしていた。が、部品を集めればどうにかなる、と気を取り直す。宇門と一緒に居た中尉は、甲児たちが博士に会える手はずがととのっている、と伝えて、ひかるが面倒をみていた患者を引き取った。

ひかるは、老人ホームにいる団兵衛がどうなったか気がかりで、吾郎に電話をする。吾郎は老人ホームに来ていたが、皆避難したのに団兵衛が見当たらないという。ひかるは、屋上に居るはずだと伝える。団兵衛は相変わらず、車椅子に乗ったまま宇宙人ウェルカムと叫んでいた。

場面が変わって軍の基地。オオタ将軍は宇門、甲児、ひかるを監獄に案内する。オオタ将軍によると、グレンダイザーが去って数年した後、戻って来たことをレーダーでキャッチしたが、グレンダイザーがどこに降りたかはわからなかった。大介を見付けたので包囲したが、大介が事情を何も語らなかったし当初は反抗的だったので、監獄に入れ、以後ずっとそのままになっていた、ということだった。オオタは宇門に対し、グレンダイザーで円盤獣と戦うように大介を説得するように頼んだ。

監獄の中で、宇門は大介と再会を果たす。大介は髪も髭ものびて、すっかりやつれていた。オオタは拳銃をひかるに向け、大介が戦うことを承諾しなければ撃つ、と脅した。

そこに、マリアが兵士に連れられてやってきた。銃を突きつけていたオオタをあっさり投げ飛ばし、銃を奪った。そのままオオタを人質にし、軍のチヌークを奪って、全員で基地から脱出する。オオタは、ひかるに拳銃をつきつけられていたが、途中で湖に落とされた。湖から上がったオオタが見たのは、奪われたチヌークが墜落し炎上、残骸となった光景だった。


とりあえずグレンダイザーチーム全員集合、の章。

大介とマリアがなぜ戻って来ていたのかとか、グレンダイザーがどうなったのかという謎を提示して終了。

団兵衛が牧場ではなく老人ホームに居る理由もまだ語られない。

まあ、グレンダイザーのような超兵器を野放しにはできないから、一体どこだと探すしか無かったのだろうが、オオタ将軍は仕事熱心な悪役になっている。ただ、何年も監禁しておいて、円盤獣が来たから戦ってくれというのも随分と虫の良い話ではある。

大介を見付けたのなら宇門博士呼べよ、と思わんでもないし、オオタ将軍、世捨て人になってたとはいえ宇門博士の居場所や消息を全く知らなかったわけでもなさそうなので、連絡ぐらいすりゃよかったのにねえ。

そんなわけで、感動の父子再会シーン↓。

Screenshot 02

オオタ将軍から銃を突きつけられておどされたひかるさん、ヘリに乗ってからは逆に拳銃つきつけて脅してたりして、相変わらずの「しっかり者」であった。

そんなこんなで、大介は暗いし、甲児は楽天的で前向きだし、ひかるはしっかり者で、マリアは鮮やかに登場して美味しいところを持って行き、宇門博士は変人のままで、団兵衛は宇宙人ラブ、吾郎はお父上を気にしている、と、それぞれの人生を歩んでも相変わらずな様子に描かれているあたりに、作者の愛を感じた。

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円盤獣の攻撃によって、倒壊寸前になった大学病院に、ひかると子供の患者が取り残されている。そこへ、甲児がTFOで救助にかけつけた。ひかると患者は窓からTFOに乗り移って脱出、直後に病院が倒壊する。逃げるために飛ぼうとした先に円盤獣が居た。TFOは発見され、ダブルミサイルで牽制しながら脇をすり抜けようとしたが、円盤獣の攻撃を受け、TFOは墜落してしまう。甲児は足に金属片が刺さって怪我をしてしまった。

ちょうど機甲部隊がオスプレイでやってくるのが見えた。が、救助にきたのではなく、国会を守りに来たのだった。円盤獣の攻撃を受け、機甲部隊はあっさり撃墜されてしまう。円盤獣は国会議事堂に接近し、中からベガ成人が降りてくる。

ベガ成人は、イロス・ド・アルケン、と名乗り、滅んだベガ星の師団の最後の将軍だと言った。かつて移住目的で地球を目指したがグレンダイザーに追い払われたので、今回は日本を7日以内に明け渡せ、でなければ全員殺す、というのが要求だった。

場面がかわって富士山麓の神社。黒い衣を着た宇門博士が、両側におけのついた天秤に水を入れている。そこに、オオタ将軍がやってくる。オオタ将軍は、宇門博士がノーベル物理学賞を断ったことに触れ、自分がなぜここに来たのかわかるかと問う。宇門は状況を把握していた。が、できることは何もなく、富士山麓の農民達は火山が爆発したら立ち去るだけだと言う。このままだと大勢が死ぬ、と言われた宇門は、提供できるのは3機のスペイザーだけだと答えた。スペイザーは全て壊したと日本政府に伝えたのでは、と驚く将軍に、安全のため嘘を言ったのだと宇門は言った。ひかると甲児を呼んで、ドリルスペイザーには自分が乗ることにしても数時間で負けるだろう、と。

すると、将軍は、そうはならないと行って、運んできた箱からデュークのヘルメットを取りだした。

神社の入り口あたりでは、将軍についてきた兵士たちが、移動販売のホットドックを食べていた。将軍は宇門を伴って入り口の鳥居のところまで来る。移動販売をしている女性の胸には、グレンダイザーに近づくと光る青い石の入ったペンダントがあった。


ひかると甲児は無事に助かり、宇門博士の消息がわかり、どうやらマリアもデュークも地球に居るようだ、ということを示したのが2章の内容。

舞台設定は、TV本編でデュークがフリード星に帰ってから10年後。ただし、ガジェットは現代(インターネットもスマホもある)。マジンガーシリーズは放映当時はリアル社会と同じ時間軸を共有する物語だったが、現実の社会の10年後の設定をそのまま持って来たたのでは、スマホどころかケータイも無いしインターネットも普及していないので、今の我々に響かないだろう。我々のおよそ40年間が、作品世界の10年ぐらいに圧縮されている。Mazinger Z Infinityと同様である。まあ、我々の時間軸に完全一致させたら、宇門博士や団兵衛は生きていてもよぼよぼの寝たきりで耄碌してるか、二人とも死んでいてもおかしくない年齢なわけで、活躍させるには10年語ぐらいが限界ではある。

10年あれば、キャラ達もそれぞれの道を歩むわけで、レギュラーメンバーの消息を明らかにして再集結していく過程が描かれている。

2章のタイトルはSEPT JOURSで、7日間、の意味。ベガにとっての新天地を新たに確保しようという話なので、7日間というのは、旧約聖書の創世記に由来するのだろうか。

このマンガでは、宇門はもう研究を続けていなくて、農作業の手伝いだかどこぞの修行僧だか(神社だから僧じゃないけど)な隠遁生活を送っている。こんな姿だったり↓。ほぼほぼ世捨て人と化してる。

Screenshot 01

ノーベル物理学賞授与の設定になっているが、宇宙人を養子にしたという理由でイグノーベル生物学賞の方が先に来そうな御仁ではあるw。

“patrouille des aigles”、とあるのは、フランス語版で、ダブルスペイザー、マリンスペイザー、ドリルスペイザーをまとめて呼ぶ時の呼び方。これに対応する日本での呼称は無い。

日本では、敵はベガ星に住むベガ星人からなるベガ星連合軍でトップは恐星大王ベガ、と、「ベガ」で統一している。フランス版では、ベガ星は”Stykadès”。王様の方は、”grand stratéguerre de véga”なので、ベガ大王のままである。

TFO2号機のミサイル発射シーン、”missiles alpha!”となっているが、これはフランス版でのダブルミサイルの呼称。TV版のTFOのミサイルは単に”Missile”. 2号機を作った時に、ダブルスペイザーに搭載していたのと同じミサイルを取り付けた、ということだろう。

こちらで紹介したフランス語バンドデシネの内容を紹介する。twitterだと数が増えるのでまとめを書くことにした。本を買って自分のペースで楽しみたい人は、本を読んでから見に来て下さい。


月面の、スカルムーン基地のあった辺りを、宇宙飛行士が調査に来ているシーンから始まる。隕石か何かが落ちたので調査に来てみたことが通信内容からわかる。スカルムーン基地は℃台の部分だけ残っていて、ベガトロン放射能も検出されたが、異常が見当たらない。ベガトロン放射能の線源に向かって調査を進めると、放射能が減ってしまう。ベガトロンは自然に減らないのでおかしい、と周辺を調べると、円盤の一部らしきものが地面から飛び出していた。巨大な円盤が飛び立ち、宇宙飛行士との交信は途切れてしまう。

東京のミッションコントロールセンターでは、ベガ星連合軍が戻って来たことを察知する。

それからすぐに、富士山に巨大な飛行物体が落下する。落下地点を調査すると、地面が割れ、その下は融けてしまっていて、富士山は噴火しつつあった。

場面変わってどこかの大学病院の手術室。ひかるが子供の患者を執刀していて、医学部の教授が指導している。手術は完璧であった。手術室に看護師が駆け込んで来て、富士山が爆発し、救急治療室に患者が運び込まれていると伝えてくる。ひかるも処置に加わる。患者の一人が、グレンダイザーがかつて戦っていたのよりもっと恐ろしい円盤獣が来たと言う。

都心のビルにある甲児の会社。秘書が甲児の電話を預かっていて、ひかるからの電話をうけ、取り次ごうとする。最近巨額の売り上げがあって、社長の甲児はボーナスをどうするかで従業員たちとゲームの最中で、なかなか電話に対応しようとしない。ふと外を見ると隕石のようなものが炎の尾を引いて凄いスピードで降下してきた。落ちてきたのは、禍々しい雰囲気の3つ首の円盤獣だった。甲児の会社も落下の衝撃で窓ガラスが割れる被害を受けた。

落下してきたのはひかるの病院の直ぐ側で、病院の建物がダメージを受ける。このとき、甲児とやっと電話が繋がる。ひかるのピンチを知った甲児は、バイクに乗って走り出した。とある倉庫まで来て中に入ると、尾翼に「2」の数字の入ったTFOが置いてあった。甲児はずっと趣味でコツコツTFO2号機を作っていたのだった。


1章はここまで。この本の作者は、次の展開が気になるところで章を区切っている。

1章のタイトルは、”LUNE NOIRE”で、直訳すると「黒い月」あるいは「暗い月」。しかし、フランス語版グレンダイザーでは、スカルムーン基地のことを”Camp de la Lune Noire”と呼んでいるので、この場合の”LUNE NOIRE”は「スカルムーン」の意味になる。

バンドデシネでは、甲児君は会社のCEOをしていて、眼鏡をかけて登場する(p.12のコマより)。

Screenshot 01

これと似たような甲児君が、実は、日本のマンガにも登場している。こちらの甲児君は、剣鉄也と一緒に会社を経営していて、眼鏡とスーツ姿で登場する。出典は、「THE RIVIVAL OF MAJINGAR SPIRITS」 (榎本明広)で、「ザ・モーションコミック」という雑誌の10号と11号に連載された。10号は、1989年12月1日に発行された。

Screenshot 02

p.14の1コマ目。甲児君からの電話の着信音は、David BowieのLet’s Dance。

バンドデシネの後の方には、企画についていろいろと書かれているのだが、全部フランス語なのでまだ内容が確認できていない。榎本氏のマンガをリスペクトして眼鏡甲児君にしたのか、偶然の一致なのか知りたいところではある。

円盤獣は東京の文京区に来たことになっている。リアルでは、文京区には、東京大学医学部、順天堂大学、東京医科歯科大学、日本医科大学の、4つの医学部の大学病院がある。ひかるさんはどの大学かな、と、読んでいてちょっと気になった。圧倒的に学費が安いのは東大だが……。

日本では先にマジンガーZが放映されて、兜甲児はZで戦う主役だった。それが、グレンダイザーになって、手製の強く無い円盤で飛んでしばしば撃墜されるようになったんので、Zのファンでヒーローであってほしいという人達は、グレンダイザーを良く思わないということが起きた。フランスでは最初に放映されたのがグレンダイザーだったので、そういうわだかまりは無かった。会社経営していてもこっそりTFO2号機を作っているという演出を見る限り、甲児君=自分で円盤を作る人、という位置づけになったのだろう。