この件に関して、日本のマスコミ(テレビ、新聞)は役立たないどころかむしろ被害を拡大する情報をまき散らしています。印象操作か煽り報道かのどっちか。「識者」からコメントをもらう場合も、人を選び間違えていることが。日本では、原発推進派と原発反対派の長年にわたる、感情的かつ呪術的紛争のおかげで、メディアで声の大きい人の意見で中立なものはほとんど無いのが現状です。

 あと、政府や東電やマスコミによる陰謀論が流れてるようですが、私個人としては、政府や東電やマスコミがこの期に及んで陰謀をめぐらせるほど気が回って賢かったら、もうちょっとマシな状態になっているはずだろう、と思います。陰謀ならやめろと言えますが、無能には打つ手がありませんので、よりたちが悪いかと。

 いずれにしても、海外メディアや専門サイトの方がずっと役に立ちます。私が参考にしているサイトを挙げてみます。

 英国大使館が出したお知らせを翻訳したものが公開されています。一般市民へリスクを説明する場合の良いお手本です。
http://clip.kwmr.info/post/3896045912

 MITの原子核工学の人達による解説。
http://mitnse.com/
この翻訳ができています。
http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110316/fukushima_nc_power_plants
http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110317/hydrogen_explosions_units_1_3
http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110318/fukushima_nc_updates
http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110319/nc_plant_decay_heat
http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110319/on_worst_scenarios

 別のわかりやすい解説はこちら。
http://online.kitp.ucsb.edu/online/plecture/bmonreal11/
この情報については、日本の物理学者の有志によって、翻訳が作られました。
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
タイトルをクリックすると、スライドを翻訳したpdfファイルを見ることができます。ただ、内容を理解するには専門的知識が必要です。原子核工学の専門的な知識までは必要ありませんが、初歩的な物理学の知識が必要です。

 最悪のケースに関する考察。
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/03/the-worst-case-what-if-the-water.html

 再臨界は起こりそうにないという記事。
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo7.pdf

 リアルタイムでの放射能の測定値については、文部科学省が計測を開始しています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm
アクセス困難な場合のミラーサイトも用意されています。
http://eq.yahoo.co.jp/
http://eq.sakura.ne.jp/
http://eq.wide.ad.jp/

 世界の核査察の元締めIAEA。
http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

 放射能に汚染されてしまった場合の対策は、放射線医学総合研究所のページにまとめられています。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
国内RI管理の総元締めみたいな研究所ですんで、さすがですね。

 東大病院放射線治療チーム(ツイッターでは@team_nakagawa)も、解説を公開しています。
http://www.u-tokyo-rad.jp/2011/03/17104924.html

 人体内放射能の除去技術(pdfファイル)。放医研のグループが中心になって出版した本です。
http://homepage2.nifty.com/wadanori/data/readme.pdf
 風評被害を防ぐために。上記放射線治療チームの出した情報まとめ。牛乳問題。
http://togetter.com/li/113523
ヨウ素・セシウム防護まとめ。
http://togetter.com/li/114324

 原子力関係の防災パンフレット。
http://www.jnes.go.jp/kouhou/bousai-pamphlet.html

 本当に危険な場合の脱出の基準。
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html

 日本のマスコミのダメっぷりについては、「頼れるどころか、もはや「有害」な日本の震災報道」が鋭く指摘しています。
 問題のない数値を「通常の100倍」などとマスコミのバカが煽った結果、福島県は地震に加えて物流混乱という人災に見舞われていますし。

 テレビを消し、新聞もどっかに放り投げて、これらのサイトを熟読したほうが有意義そうですね。それから、日本の報道があまりにダメなせいで、英語で海外の情報に直接アクセスできるかどうかが、判断の分かれ目になりそうだということもわかってきました。英語が必要な理由としてはかなりトホホなんですが……。
 ためになりそうな現状まとめ。
http://ameblo.jp/satoshitaka/entry-10834940369.html

 中年以上が気にしたって仕方ねーだろ!という考察。
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/201103210001/

【追記(どんどんマスコミのぼろが出たりしてるので随時上にも下にも追記します。)】

 日本のマスコミでもまともな情報を流すところが出てきました。他の煽りが強ぎてかすんでるっぽいのが悲しいですが。
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110318k0000m070147000c.html
 上記中川先生の解説が新聞にも登場しました。
http://mainichi.jp/life/health/nakagawa/news/20110320ddm013070043000c.html

 新聞の限界を議論したエントリー。
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20110318/p1
 一方で、患者置き去りというデマを振りまいた報道に対する批判も。
http://news.livedoor.com/article/detail/5424517/
 こちらは、幸福の科学発のデマを記事にした読売新聞への批判。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51655601.html
 ロイターからもデマだという記事が。
http://www.reuters.com/article/2011/03/11/japan-quake-nuclear-coolant-idUSN1125270120110311
 日経新聞がやらかした例(意図的な語訳)についての批判。
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2011/03/18/entry_30021364/
 日本人の英語力の低さを利用したほとんど捏造の煽り。ネット中心のメディアでもやってくれてます。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20110320

 ツイッター発のデマを突き止める方法。Google先生が教えてくれます。
http://ebilog2009.seesaa.net/article/191045647.html

 もともとトラブルが多かったという話。使用済み核燃料の問題を解決せずに先送りにしたのが、被害拡大の原因という指摘。http://jp.wsj.com/index.php/Japan/node_206736

 実は津波のことを考えてなかっただろー、という指摘。ワシントンポスト。
http://www.washingtonpost.com/world/japanese-nuclear-plants-evaluators-cast-aside-threat-of-tsunami/2011/03/22/AB7Rf2KB_story.html

 他の事故との比較検討をするなら、その前に読んでおくべき文献が2つあります。誤解を防ぐため原文にあたりましょう。
スリーマイル島事故報告書(米大統領委員会)
http://www.threemileisland.org/downloads/188.pdf
IAEAのチェルノブイリ報告書
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1239_web.pdf

 こちらはチェルノブイリのその後。
http://www.angelfire.com/extreme4/kiddofspeed/index.html

 防災対策を考えてはいた。
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/history/59-15.pdf

 解説本(ブルーバックス)の一部が読める。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/bluebacks/special/nuclearinstallation.html