原画展に行ってきた

|2010/6/27(日曜日)-13:59| カテゴリー: 雑記
| 2 個のコメント

 「山田ゴロと愉快な仲間たち2010」に行ってきた。
 桜多吾作先生の原画が展示されるということなので出かけた。

 子供の頃はテレランを買ってもらえなかったので、桜多吾作先生のマジンガー3部作を読んだのは、大学に入って、親にとやかく言われなくなってからでした。TV版とは違うハードなSFとか、リアルな戦闘の描写に痺れて今に至ります。

 原画では、グレートマジンガーと地獄大元帥が向かい合ってて、地獄大元帥の頭のところにドクターヘルが居る絵が印象的でした。ドクターヘルが何だか妙にかわいい……。考えてみれば、ヘルって、バードスの杖で機械獣を操ってはいたけど、自分が搭乗することってなかったような。一方、ライバル十蔵の作ったマジンガーZはいつも甲児が中の人。ひょっとしてドクターヘルって中の人をやりたかったんじゃ……。それがグレートでやっと叶った(?)わけで、「ワシもこれで中の人じゃ、十蔵見てるか?」という台詞が頭のなかに響きまして(笑)。
 さやかが中央にいて、背景が、ラーガとズリルとグレンダイザーの絵も、桜多マジンガーワールドを象徴していて素敵でした。桜多版はさやかがキーパーソンなんですよね。東映アニメ版は、3作通して出たのがボス&ボスボロットなので、陰の主役はボス達なんですが(!)。

 会場では、「マッハSOS」の絵はがきとTシャツ、「新釣りバカ大将」の台湾語版(桜多先生サイン入りの巻)、「赤ちゃんからのメッセージ」1,2,4巻等を購入。500円で1回引ける籤があって、10枚引いたら、9枚が3等賞で1枚が1等賞。1等賞は直筆色紙で、飾ってある中から選ぶんだけど……すみません実は色紙の先生方の作品読んだことがありませんでした(汗)。それで、見ていて何となく惹かれたねもと章子先生の色紙を選んで、サインしてもらって、その後、ねもと先生の原画を見たら……すごく面白そうじゃないですか!!これは良縁だぜひ買って読まねば、ということで、展示してあったコミックスのタイトルと出版社をメモメモ……。

 そのあと、「石森プロ一夜限りの同窓会」へ。チケットを買って並んだ。山田先生、桜多先生はじめ、石森プロ出身の方々があつまっての座談会。
 撮影とかサインは禁止だったけど、折角の機会というとで、主催者が、途中で先生方の撮影タイムを設けてくれたので撮影。
 当時の石森プロって、入るとあらゆる仕事をさせられたとか。SFありギャグあり何でも。それで、仕事の間口が拡がって、あるジャンルの仕事が減った時でも他のジャンルで仕事ができて、漫画家として生き残れたということらしいんですね。さらに、プロの方方は大量生産が可能な体力というか腕力がまず必須なんだなぁ、と。
 チャリティーオークションは、石森プロファンの方々が頑張ってたし、私は既にいろいろ買い物した日だったので見送りました。最後にじゃんけん大会で、先生方が前に坐っておられた時のネームプレートがもらえるというのがあって、チャレンジした。運良くそれなりの順位で勝って、桜多先生の自画像入りプレートをゲット。

 終わった後でダイナミッカー飲み会。菅さんが連絡してくれて、同窓会飲み会終了後の桜多先生が来てくださった。桜多先生の隣でずっと話を聞けたのでもう幸せいっぱいですよ。コミックスを買ってハードな内容にびっくりした時は、まさか桜多先生に会える日が来るなんて思ってもみなかったよ……。
 出版不況の影響はもろに及んでいるらしい。連載していた新聞社が潰れて仕事が減った話が出てました。読者の側だと、新聞や雑誌が不調というのは報道でしか見ないのだけど、実際に原稿を送っている側の視点の方が、不況というか不振なのはもろ丸わかりみたいです。
 帰りの電車で途中までご一緒させていただいた時も「みんな新聞読んでないでしょ」。確かに電車の中を見回すと、携帯弄ってる人ばっかりで、たまに文庫本読んでる人がいるくらいで、誰も新聞を持っていませんでした。昔だと3分の1くらいの人が新聞読んでたのだそうで、そりゃー新聞不振なわけだわ、と。
 マグロを釣り上げるのに格闘した話はスペクタクルでした。漫画家の腕力って……(汗)。
 他にもいろんな話を伺ったのだけど、絵の練習の話が具体的で参考になりました。
 絵になるかどうかがわからないと、漫画家としては続けていけない。練習する方法は、例えば通勤途中や散歩の途中で、「これは絵になる」と感じる風景を見かけたら、1枚15分から20分でクロッキー帳に描いて「絵にする」こと。これを1日3枚のノルマでやる。長時間かければ誰でもそれなりに「絵になる」ものを描けるのだけど、プロはそれじゃダメで、短時間でやらなくてはいけない。ただやっぱり向き不向きはあるらしく、3ヶ月でモノになる人も6ヶ月かかる人も、結局「絵になる」がわからないままの人も居たとか。
 アマチュアとして上手くなってどんどん描けるようになりたい人にとっても、この練習法なら安く手軽に試せそう。
 学校で学ぶ美術って、時間をかけて1枚描くのばっかりで、手数を増やす練習て無いですしねぇ。短時間で結果を出すような腕力をつける練習って、なかなか気付かないですよ。