頑丈だし動じないし(初代 34話)

|2011/1/11(火曜日)-02:16| カテゴリー: 初代
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 34話「魔のオーロラ作戦」。

 人間の脳波を動物の脳波と入れ替えるという、かなりものすごいガジェットが登場する回。脳波を入れ替えられると、入れ替えられた動物そっくりの行動をする、という設定です。
 今だと、変な「脳ブーム」があったりして、気軽に「脳波」とか持ち出すとクレームが来そうですが、そこは70年代のおおらかさ、何でもOKなノリがステキです。

 さて、脳波入れ替え作戦のせいで、あちこちで事故が続発します。電磁波攻撃だというので、誤作動を恐れて三日月基地の自爆装置の電源スイッチを切る南部博士。
 忍者隊で最初に被害にあったのが竜で、猫の脳にされてしまって、三日月基地内で四つん這いで走り回ります。
 それを見た南部博士。

いかん、竜をすぐ病院へ。

 と言うものの、全く焦ってないところがさすがです。

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 シーン変わって、運転手付きの車で移動中の南部博士。目を綴じて考え事をしている模様。

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 そこへ、お約束の脳波攻撃が。
 博士の居る後部座席は一応シールドされていたけど、運転席はノーガードだったので、まず運転手が異常を来し、さらにパワーアップしてシールドを破り、南部博士にも影響が及びます。
 運転手がやられたら事故必至、そうなると後ろの南部博士だって無傷じゃすまないわけだから、運転手共々シールドしないと意味がないはずですが、なんでこんな仕様にしたんですかねISOは。

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 それはともかく、運転手発狂で車はガードレールを突き破って谷へ。南部博士は途中で放り出されます。運転手はそのまま車といっしょに地面に激突して炎上。おそらく無事ではないでしょう。南部博士の運転手というのも、何かと巻き添えを食らいやすい職業のようです。

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 何だか普段より汚れたお姿に。それはともかく、これだけ放り出されても体の方が無傷って、博士無意味に頑丈過ぎ。放り出されつつその勢いで立って歩いてるような移動の仕方(しかし現場はかなり急斜面とみられる)してます。Fで諸君も驚愕の運動能力を発揮してくれた南部博士ですが、その片鱗は既にあったようです。

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 ともかく、意識が戻らないまま三日月基地に収容された南部博士。
 ところが、健が「博士、しっかりしてください」と呼びかけて、博士を起こしてしまいます。

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 寝てる南部博士などというややこしいものを起こした結果がこれ。
 既に猿の脳波にされていた南部博士、飛び起きるなり物凄い勢いで、切っておいた自爆装置の電源を入れようとします。健が慌てて止めますが、振り払ってやっぱり自爆装置に向かいます。ガードレール突き破った自動車から放り出されたのだから、足か腕の一本でも折っててくれて、動けなくなってくれてた方が良かったような。頭がおかしくなってるのに体は元気って、本当に始末が悪いです。
 それはそうとして、猿の脳波になったのに、なんで自爆装置一直線なんですか南部博士。猿になったのは仕方ないとして、それならそれで、バナナをねだるとか、壁に登ろうとするとか、毛繕いするとか、交尾するとか、先にやることがあるでしょう。自爆装置の電源を入れるって、猿的には、かなり優先順位の低い行動の筈ですよ。

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 挙げ句にジョーに一発入れられます。一撃で倒れてくれたからいいようなものの、起き上がってきたらもう二、三発追加する気満々のジョー。

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 床に倒れて伸びている南部博士。せっかく意識を取り戻したのに、また意識不明に。
 ジョー曰く、

おそろしいことだ。あの物静かな南部博士がこうまで変わってしまうとは。

 南部博士って物静かでしたっけ?一話では会議の席上で長官を前にして「あるときは一つ……」ともったいつけまくり、三日月基地作るのに成功すると高笑いしてました。メカニカの回ではブチ切れて遊園地作るは、見えない悪魔の回でも最後にわざわざ出てきて罠を用意したとか言いまくる。カミソラールでは順調に進んでる計画を横取りして暴風雨を引き起こしてたし。ジョーにしたって、バードミサイルを勝手に撃つなとさんざん説教されまくりのはずです。一体どこをどう見れば、「物静か」という結論になるのかが謎です。どう考えても「口うるさい」の間違いだろうと……。

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 さて、竜が偶然頭をぶつけて電気ショックを喰らって正常に戻ったので、博士も……ということで諸君達が提案。

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健「お願いです先生、南部博士の頭に強い電流を流して下さい」
ジョー「毒には毒をもって制す、というわけですよ」

 普通、この手のSFでは、おかしくなった奴に電気ショックをかけるのは博士の役割です。ところが、この話では、博士に電流を流そうとする斬新な展開に。言い出しっぺの健とジョー、さすがに南部博士に育てられただけのことはあって、マッドな発想はしっかり受け継いでいるようです。
 さすがに、プロである医者は

ドクター「馬鹿なことを言っちゃいけない。そんな素人療法じゃ無理じゃよ」

 と冷静に却下。しかし、

ジュン「だって、この竜は治ったんです」

 おいちょっと待てっ!南部博士を竜と一緒にしちゃいかんだろう、竜と……。
 というか、電流流して治ったとして、南部博士が竜並みになってたらいろいろ困るでしょうが。