手動なのか?(初代 82話)

|2010/6/13(日曜日)-23:25| カテゴリー: 初代
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 初代82話「三日月サンゴ礁を狙え!」。
 ギャラクター側の基地狙いが本格的になるにつれて、基地内の描写も増えてきています。
 ゴッドフェニックスが後をつけられて基地を発見されてしまいます。誤魔化そうにも間に合わない距離。

大至急移動だ。潜行しろ。ギャラクターが攻めてくる。

 南部博士が言いながらやってきたのがこの部屋。基地の移動用のロケットエンジンの制御室らしい。多分この回が初登場です。スタッフが詰めていることがわかります。

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 この回の描写と、92話で登場する大勢の技師達と、84話の会話を合わせるとまたいろいろ議論できそうなのですが、それはまた後日。

 三日月基地を移動させるために、基地下部のロケット噴射のレバーを操作する南部博士↓。
 潜行しろ、と言うわりには、ロケット噴射を下に向けて吹いているのはいかがなものかと思うのですが、それはさておき。

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 これ見て思わず「手動でやってるのか?」って仰け反りました。
 92話の崩壊シーンを見た限り、基地上部の三日月珊瑚礁ってかなり重量がありそうで、しかも水より重いです。擬装珊瑚礁がメガフロート構造ならば、一部分が破損しただけで一気に全体が水に沈むといったことは無いはずです。しかし、92話の描写では、ほとんど原型を保ったまま海中に沈んで、基地本体とぶつかっていますから、どうも自力で受ける構造ではないらしい。基地本体は、内部に空気を含んでいますから、浸水しなければ材料次第では浮いていられるかもしれません。ということで、そもそも、三日月基地の力学的に安定な姿勢とは、珊瑚礁の方を下にした姿勢ではないかと思われます。従って、珊瑚礁部分を上に出して、同じ場所に止めておくためには、常に制御している必要があります。基地本体の浮力で珊瑚礁部分を浮かせるのはおそらく無理でしょうし、バランスを崩したら上下逆になって、元に戻すのが至難の業になりそうです。こういう発散の強い系というのは、飛んでる航空機と同じで、推力を失わない限り制御が可能って世界になります。また、揺れがある程度大きくなったら、手動のみで安定させることは難しいでしょう。仮に、上の珊瑚礁が水よりかなり軽い(が、構造上何カ所か浸水すると沈んでしまうものだった)としても、制御をサボって浮かせっぱなしにすると、海の真ん中に浮いてる船と変わりませんから、波に揺さぶられることになり、職員の何人かはほぼ確実に「船酔い」する羽目になります。いずれにしても、地上とほとんど変わらない状態を維持するには、コンピューターでも使ってこまめに姿勢制御するしかないのが三日月基地です。
 ですから、南部博士が動かしている噴射レバーが、エンジン直結のような描写をされていたことに驚いたんですよ。それじゃ不安定になりますってば(汗)。

 このあと、焦りまくる南部博士という珍しいものを見ることができます。

博士、第一機関室に浸水です。このままでは潰されてしまいます!

と、担当技師から報告が。

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 その直後、モニターの向こうが水没。技師さんも流されたっぽい。

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 それをモニター越しに見ていた南部博士。

おい!

って叫んでますが、声、裏返ってますよ、博士……。

 その後も手動制御っぽいシーンが。
 

こっちのエンジンと同時にスタートしろ!

指示を出しておいて

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今だ!

掛け声と同時にエンジンのレバーを力一杯押し下げる南部博士。

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 掛け声と手動でタイミングを合わせてこんなデカブツの制御をするってかなり無茶です(汗)。
 おまけに、この直後にエンジン1つ魚雷で完全破壊されてますから、手動でやってたんじゃ推力バランスが狂って姿勢を崩しますよ、まったく……。
 また、上にくそ重い珊瑚礁を乗せた状態で、下から噴射したら、慣性というものがありますから、アームの部分に力がかかって上下方向に潰れそうです。
 こういうことを解決するには、戦闘機の制御と同じにするしかないです。つまり、行きたい方向と速度を指示し、それに応じて4基のメインエンジンと他のエンジンやらスタビライザーやらの状態を全部計算で決め、ほぼリアルタイムで制御して、指示通りの動きを実現する方式でないとダメです。もちろん、加速が急過ぎて本体が破壊しないように、リミッターも必須です。人間が移動の速度や加速度を感じ取ってフィードバックしていたのではとても間に合いません。
 まあ、南部博士だってそのへんは充分わかってて、敢えて人間が動かしてる感を残す実装にしたのかもしれませんが。

 今回は無事助かり、再浮上することができました。前の方に居る人達は、ユニフォームでも白衣でもない、スーツ族ですから、ISOの幹部級の人達が様子を見に来たってところでしょうか。左側はひょっとしてアンダーソン長官?

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 さすがに南部博士は浮かない顔です。

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 最悪の場合も覚悟しつつ、この先どうやって基地を守るのか、考え込んでいるご様子。触角頭もそれなりに跳ねてるので、気合い入れて先のことを熟考中のようです。
 ここで一度いろいろ考えていたから、基地の最後に際して、判断も決断も早かったのかもしれません。

 ついチャチャを入れたくなったので……。初代92話「三日月基地の最後」。
 魚雷で大破して崩壊する基地から救出された後の南部博士です。

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竜、ゴッドフェニックスを戻せ。三日月基地を爆破する。

超バードミサイルで基地を爆破するんだ。

と、血相変えて言い出します。

健、それからみんなも聞いてくれ。このあたりの海底は7000メートルだ。ギャラクターの科学力からして引き上げるのは簡単な作業だ。そうなれば、あの基地の中にある記録や資料が全てギャラクターの手に渡ることになる。科学忍者隊は感傷に溺れてはいけない。現実を厳しく見つめ、分析し、行動する。

 そりゃまあ、最大の問題は、忍者隊やISOの活動記録や資料が敵の手に渡るのを防がなくちゃならんということだというのはよーくわかるんですが……。

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 このイケメン南部博士を見ていたらどーしても聞いてみたくなったことが。
 博士、機密情報以外に他に何か隠してませんでしたか?
 いやその、博士も1年以上、三日月基地に住み着いていたわけで、プライベートにこっそりいろいろ持ち込んでいたんじゃないかと。マッドな方だと、例の砂漠で見つけた赤い砂とか、ギャラクターからかっぱらった蟻メカとか、ジゴキラーの苗とか、こっそりすり替えたヤマシナ博士の脳標本とかその他の人達の脳標本とか、表に出たらいろいろと倫理的に問題があったり危険だったりしそうな「南部コレクション」がありそうです。こういうのがもう一回ギャラクターの手に渡って兵器にされたんじゃ面倒なことになりそうです。でも、博士だって健康な男性ですから、それだけじゃ済まなくて例えば魔改造したフィギュアとかあったんじゃないかと疑ってます。無傷で引き上げられて全世界に晒されたら、地球の危機とは何の関係もないけれどもかなりイタいことになりそうで、そりゃ血相変えて超バードミサイルも撃ち込むだろうなあ、と思ってしまったわけですが。
 一度、膝詰め談判して「で、他に何持ってたんですか博士」と直撃インタビューしたくて仕方がないんですが、それをやったらその場で南部君に張り倒されそうな予感もします(汗)。

上司と部下(初代84、86話)

|2010/6/11(金曜日)-22:50| カテゴリー: 初代
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 ちょっと出張続きで忙しいので小ネタ。
 84話のアンダーソン長官。本部ビルの長官室(多分)から、南部博士に電話しているところ。

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 86話の南部博士。諸君を調査に向かわせて報告を待っているところ。

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 手を後ろに回して腰に当てる姿勢が似すぎていて笑った。
 長く一緒に仕事をしていると、上司と部下で仕草が似てくるものなのか……。

やっぱりわからん……

|2010/6/7(月曜日)-23:05| カテゴリー: 考察や議論など
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 南部博士の名前の調査、手持ちの資料だけで何とかならんかとちょいと考えてみた。
 そういえば、劇場版ガッチャマンの大部分がTV版の編集でできていたなぁ、と。劇場版の脚本は手元にあるわけで、南部博士のフルネームが出てくるところを探せばいいや、と思って見てみた。
 まず、冒頭近くのISOでの会議のシーン。タートルキングが暴れた後くらいのところ。
シーン14より。

声「判っている」
  代表たち、ハッと声の方を見る。
  声の主、南部千三郎博士が立つ。
アンダーソン「南部博士、判っていると?」

 この部分は、設定画の「仙三郎」を引きずった記載と考えるしかなく、TV版の呼び方とは違っているため、採用するわけにはいかない。
 ところで。
 劇場版の脚本の中に、81話の問題の個所が含まれていた。
シーン189より。

市長「ああ、ありました。そのドクターの名は南部……」
カッツェ「なにっ?」
市長「南部耕三郎です。サインもあります」
カッツェ「な、南部が……バカめッ、なぜそれを隠していた?」
市長「はァ? このドクター南部がどうかしましたか?」
カッツェ「国際科学技術庁の南部だ。そして裏で、科学忍者隊を動かしてるのもその南部だ」

 同じ脚本の中に、準主役キャラのフルネーム表記が違うものが混じっていたorz。劇場版脚本を書いたの、メインライターの鳥海尽三氏と陶山智氏だぞ……(汗)。
 これはひょっとして、劇場版をTV版の編集によって作るという計画が出た時、TV版の脚本をつなぎ合わせて脚本にしたのではないか。それならば、元々のTV版シナリオに書かれていたものがそのまま転記されているのではないか、と考えたくなる。
 直接の証拠にはならないが、ガッチャ缶さんのところで出ているTV版シナリオや、私が5冊ばかり持っているTV版のシナリオの内容と全く同じ部分が劇場版台本に存在すれば、転記されたという可能性の裏付けになるよなぁ……そう思って、さっきまで、脚本片手に劇場版DVDを見ていた。
 しかし、劇場版も、脚本とはだいぶ異なった編集がなされていて、既にわかっているTV版シナリオの内容と、劇場版DVDと、劇場版脚本の3つを同時にチェック出来るシーンは存在しなかった。
 また、TV版を編集するという計画なら、録音台本を参考にして書き写して脚本を作れば、順番は入れ替わっても、TV版のままの映像の部分では書かれた台詞と脚本の内容がそれなりに一致するはずだが、どうもそうでもないらしい。
 劇場版の公開は1978年(昭和53年)7月15日、元になったTV版の放映期間は1972年(昭和47年)10月1日〜1974年(昭和49年)9月29日、IIの放映が1978年(昭和53年)10月1日〜1979年(昭和54年)9月30日。
 「耕三郎」説が有力なIIの企画が立ち上がったのと、劇場版の準備は時期としても近い。
 いくつか可能性がある。
(1)「千三郎」が設定画の「仙三郎」の誤記で、「耕三郎」も変更後の別の記載の誤記である場合。←誰だよ劇場版脚本の活字打ちしたの……。
(2)TV版のシナリオで最初に「千三郎」になっていたのが途中で変更されて「耕三郎」になっていて、劇場版脚本は両方ともTV版のシナリオを正しく書き写したものである場合。←この場合は初代も「耕三郎」で確定、ムック本等の記載の方に根拠が無かったことになる。
(3)TV版のシナリオでは、ムック本の通り「考三郎」or「孝三郎」だったが、既に走りつつあったIIに合わせるつもりで「耕三郎」にした。←じゃあ最初の「千三郎」は一体何?
(4)逆に、劇場版脚本で手違いで「耕三郎」になったのが、遅れて始まったII以降に引き継がれた?
 ということで、やっぱり、手持ちの資料だけでは、確定させることができなかった。少しは進むかと思ったのになぁ。

 劇場版のシナリオの表記も今一つ基準がわからない。例の海岸にある南部博士のでかい家、TV版シナリオのNo.55(陶山智)とNo.100(久保田圭司)では「南部博士の別荘」と明記してあるんだけど、劇場版だと「南部邸」になってるし。

 「誰だ、誰だ、誰だ」の歌詞は、大人になっても覚えていたけれど、まさか指揮官の南部博士のフルネームが「誰だ、誰だ、誰だ」状態だというオチは、ちょっと想定外だったわ……。

 おまけに資料(史料?)は足りないし出てこないし、もうね、これ一体何て邪馬台国論争かと……(爆)。

 なお、初代の総監督鳥海永行氏による小説「科学忍者隊ガッチャマン」(朝日ソノラマ、昭和53年)では、154ページに「南部孝三郎」の表記がある。初代、II、Fでシナリオを書き、初代の企画・原案をやった鳥海尽三氏によるリライト版の「小説科学忍者隊ガッチャマン」(エニックス文庫、1989年)では、58ページに「南部孝三郎」の表記がある。
 初代の総監督と、企画原案および全作通して脚本を書いた、このお二方は、「南部孝三郎」のつもりでいたのかもしれない。

フルネーム判明の回(初代 81話)

|2010/6/6(日曜日)-23:42| カテゴリー: 初代
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 81話「ギャラクター島の決斗」。
 ジョーの物語&過去が判明する回、ということで名高い回ですが、そちらはジョーファンの方にお任せして、こちらでは南部博士に注目しておきます。
 まず、ジョーが居ないシーンから始まります。事情を知ってるらしい甚平に気付きますが、南部博士、妙に物わかりが
いいんですね。

そうかな?お前だけジョーのことを心配している風にも見えないんだがな

 と、さすがに鋭い観察力なのですが、その後、顎に手を当てて考え込むいつものポーズで

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そうか……みんな、そう甚平を責めるな。甚平はきっと、ジョーと、男の約束をしたんだろう

と発言。

私にはジョーの行き先がわかっている。

今日はジョーの両親の命日なのだ。

多分、墓参りに行ったんだろう。ジョーは君達にも言えぬ悲しみを胸にして、ギャラクターと戦ってきた。その苦しさを両親の墓にぶつけに行ったんだろう。

 南部博士には、大体予想がついていたようでした。
 それでも、なぜ今になって、と訝っています。

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それにしても、あれから10年経った今、なぜ急に墓参りなどに行く気になったのだろう。

 つまり、ジョーは、この10年間両親の墓参りはしていなかったということです。
 「なぜ急に」に対する回答はマリンサタン号での出来事で、健が南部博士に説明しました。
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そうか。そんなことがあったのか。

 南部博士によって語られた、ジョー救出の経緯は次の通り。

10年前、私は学会の帰りにBC島を訪れた。ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ。そして、彼らに命を狙われたジョーを、密かに島から連れ出したのだ。

 ジョーの行き先がBC島ならそこは今でもギャラクターの巣窟ですから、危険極まりない。

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うん、この際ギャラクターの養成機関であるBC島を叩く必要があるな。よし、科学忍者隊出動!ゴッドフェニックス発進せよ!

と、またまたツンデレな出動命令素直に「ジョーを助けに行け」って言えないのかね南部君は……

 それはともかくとして、ジュゼッペ一族暗殺の結果を確認に来たカッツェと市長の会話はこんな具合でした。実はこれ、南部博士ファンにとっては重要なシーンなんです。

カッツェ「ジュゼッペの子供が死んだと報告してきたのは、確かお前だったな」
市長「はい、カッツェ様」
カッツェ「間違いあるまいな」
市長「間違いありません。ドクターが立ち会い、確かに死亡したという報告を受け取りました」
カッツェ「ドクターが?すると、その子供は病院で死んだというのか」
市長「はい。私達は、ギャラクターを裏切ったジュゼッペ浅倉とその家族を、一人残らず抹殺せよとのカッツェ様のご命令通り、あの海岸でジュゼッペ夫婦を射殺、その子供ジョージを爆弾で吹っ飛ばしました。ところが子供の方はまだ息がありまして。とどめの一発をぶち込もうとした時、騒ぎをききつけて市民が集まり始めました。そして医師の資格を持っているという旅の科学者がやってきて、ジョージを病院に連れて行きました」
カッツェ「診察はその男に?」
市長「はい、そして1週間後にジョージは死んだのです」
カッツェ「うーん、その旅の医師の身元はわかっているのか」
市長「えーと、10年前のことですから……待ってください、記録は残してありますから……ああ、ありました。そのドクターの名は南部」
カッツェ「なに」
市長「南部考三郎です。サインもあります」
カッツェ「な、南部が!馬鹿なヤツ、なぜそれを今まで隠していた!」
市長「は?このドクターの南部がどうかいたしましたか」
カッツェ「国際科学技術庁の南部だ。そして、裏で科学忍者隊を動かしているのも、その南部考三郎だ」

 南部博士のフルネームが呼ばれたのって、これが最初だったのではないかと。普段は「南部博士」「博士」「南部君」と呼ばれることはあっても、名まで呼ばれることは無いし、アニメのクレジットも「南部博士」しか出ていません。設定初期の「仙三郎」(設定画の記載)や、映画シナリオでの「千三郎」から変更されたことは、このシーンで確定です。ただ、この表記は有力説に基づいて書いただけであって、後に記すように、「考三郎」が確定したわけではありませんので、ご注意ください。

 ところで、今回の南部博士の説明をそのまま受け取ると矛盾が出ます。52話で語った内容は、

いや、諸君。健を責めないでくれ。むしろ私が責められるべきなのだ。ちょうどいい機会だ、君たちに話しておこう。もう14年前のことだ。ホントワール国がギャラクターと組んでV2計画の準備を進めていると知ったとき、私の研究所のテストパイロットをしていた一人の男に、ホントワール国に潜入し、その計画書を手に入れるように要請した。だが、悪の一大組織と一つの国家を相手のスパイ行為だ。万が一家族に危害があってはならないと、男はその時4歳の子供を私に預けた。そして、南の空で事故を起こし死んだと見せかけ、名を消し、姿を変え、ホントワール国に潜入した。そう、その男、レッドインパルスが健の父親だ。

というものでした。
 健とジョーの設定年齢は同じで、18歳です。健を南部のもとに残して鷲尾健太郎がホントワールに行ったのが14年前ですから、14年前には、南部博士はギャラクターの(地球上における)存在や活動状況をある程度は知っていたはずです。すると、今回の「 10年前、私は学会の帰りにBC島を訪れた。ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ」をそのまま受け取ると矛盾が出ます。ニュースで1回見た、程度なら、前に見たけど忘れていたという説明も可能ですが、親友の息子を引き取り親友はスパイに出かけた原因がギャラクターですから、これを南部博士が忘れるはずがありません。今回の南部博士の説明は「(BC島にまで)ギャラクターという組織があるのを知ったのはその時だ」といった意味にとらないと、矛盾が生じてしまいます。

【お願い】
 もし、この回のシナリオあるいは録音台本を持っておられる方がいらっしゃいましたら、上のカッツェと市長の会話のシーンがどう書かれているか教えていただけないでしょうか。南部博士のフルネームの漢字表記が、どうなっているのか知りたいのです。この回のシナリオや録音台本での表記が、初代での南部博士の漢字フルネームの、最も公式な表記ということになるはずで、南部博士ファンにとってはかなり重要なことなんです。1級資料で確定するわけですから。他のフルネームの漢字表記はムック本などの2級資料のものばかりで、それぞれ違っていても優劣がつけられないのです。

性格が出てる描写(初代 80話)

|2010/6/5(土曜日)-23:03| カテゴリー: 初代
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 80話「よみがえれ!ブーメラン」
 アッシャム国を調査に行き、健だけが、車を運転したまま鉄獣の攻撃を受け、車が炎上した後、捕らえられてしまいます。回収できたのは、すすで汚れたブーメランだけ。

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 甚平は泣いてるし、他の3人は、すぐには信じられず実感も湧かない様子。
 南部博士はこの通りです。

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 そこへ、カッツェからの通信が入り、車ごと、鉄球やらドリルやらで健を殺す映像が流されます。
 このあとの南部博士、こんな様子でした。

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 まだ、カッツェからの健処刑映像が続いているのに、画面から目を背け、背を向けてしまうんです。
 指揮官なら部下の最期は見届けろ、と思うのが普通ですが、親子のような関係で過ごした時間がそれなりに長かったせいか、非情な指揮官にはなりきれなかったんだなぁ、ということがわかるシーンでした。

 健死亡確定、と思った後の南部博士が痛々しいです。
 諸君なら、お互い抱き合って「健〜〜」と泣くこともできるでしょうが、南部博士は指揮官という立場である上、V2計画阻止の時は健の親父を犠牲にし、今また健まで戦死させたとあっては、諸君と一緒に泣くこともできません。
 なので、一人で、三日月基地の窓に向かってしょんぼりするしかありません。実はこの部屋の手前側に4人が居るはずです。窓の外の魚はいつも通り元気です。

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 表情も暗く、落ち込みまくりです。

レッドインパルスよ。私は何と言って君に詫びればいいのだ。

 と、鷲尾健太郎氏の面影を思い出してめげる南部博士。

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 考えてみたら、こういう時に南部博士の愚痴の聞き役とか、慰め役になれる人って、回りに誰もいないんですよね。ISO公認(?)の目玉プロジェクトであるマントル計画でコケたんなら、アンダーソン長官あたりが愚痴聞いてくれそうですが、極秘プロジェクトの戦闘指揮官から「手塩にかけて育てた部下が戦死しました」て愚痴られても何ともし難いわけで。また、攻撃があったらアンダーソン長官は南部博士に向かって忍者隊を出動させろと命令しなければならない立場ですから、やっぱり南部博士が何か言える関係ではなさそうです。
 ところがこんな状況でも仕事は待っててくれません。「鉄獣が暴れ回って大被害なのでどーにかしてくれ」の電話が……。

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 めげてるヒマなぞありゃしないのですが、悲しんでる諸君に命令を出さなければならないのは南部博士です。そんなわけでやっぱりしょぼーん。

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 健処刑映像を流されてから、諸君も博士も部屋を移動していません。全体の位置はこんな感じでした。抱き合って泣いてるジュンと甚平の奥に見えるのが、南部博士が立ってた窓です。ジョーと竜も手前側に居ます。机一つ隔てて、向こう側とこちら側の立場の違いが際立っています。それが、余計に、孤独に耐えなければならない南部博士の姿を強調する演出になっています。

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 受話器を置いてから、諸君の方に向き直るのですが、その間、目を瞬かせていました。絵では描かれてませんでしたが、涙が滲んでるのを誤魔化しているような感じでした。

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 なんと切り出そうか一瞬躊躇った後、出撃命令を出す間も目を閉じています。目を開けたら涙が出そうだという感じです。

気持ちはわかる。しかし諸君達は科学忍者隊なんだ。命令に背くわけにはいかん

 という台詞からわかるように、今回の出撃命令は博士が先に決めたものでは無かったようです。南部博士にこう言わせることができ、忍者隊の出動命令をかけられるとしたら、アンダーソン長官しか居ません。長官直々の出動依頼だったのでしょう。
 科学力の差など理由で出撃したら全滅必至の場合であれば長官命令でも拒否する南部博士ですが、今回は、健を欠いた状態でも出動を拒否していません。錯乱光線の情報は甚平が持って帰ってきているし、4人でも何とかなるという判断はしていたのでしょう。
 被害状況の報告だけが来たとしても、南部博士のことですから、結局は、出動命令を出したのでしょうけど。

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 こうやって目を閉じててもイケメンで、しかも痛々しい様子の南部博士に萌えました……。
 ジョーが、「来るんだ、出動じゃない、健の仇をうちにいくんだよ」と、全員を鼓舞して出て行ったので、南部博士も少しは気持ちが楽になったかもしれません。すぱっと仇討ちに気持ちを切り替えることができたのは、やはり、両親を殺されたジョーの恨みがそれなりに深かったからでしょう。泣いたってギャラクターの危機が去るわけじゃない上に、落ち込んでるままの4人を戦いに行かせたのでは、逆に危険です。仇討ちということで気合いを入れて出て行ったのなら、勝って戻ってくる可能性はそれなりに高まります。
 結局、健はうまく逃げていて無事でした。ほっとして喜ぶ南部博士の姿が目に浮かびますが、やっぱり指揮官なのではしゃぐわけにはいかず、基地の窓向いて微笑んでたりしそうです。

現実は世知辛いなぁ……

|2010/6/4(金曜日)-23:25| カテゴリー: 雑記
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 MSN産経ニュースにこんなのが出てました

地震予知の失敗は過失致死!? イタリア検察が捜査に着手
2010.6.4 09:54
 308人が死亡した昨年4月のイタリア中部地震の最大被災地、同国中部ラクイラの検察当局は3日までに、地震の危険度を判定する国の委員会が中部地震前、大地震の兆候がないと判断したことが被害拡大につながったとして、過失致死の疑いで、地震専門家ら委員会メンバー7人の捜査を始めたと発表した。
 ANSA通信などが伝えた。非常に困難とされる地震予知の失敗で刑事責任が問われるのは異例で、捜査開始の妥当性の議論も起きそうだ。
 同国防災庁付属の委員会は専門家や同庁幹部から構成され、群発地震が続いていた中部の状況を検討。昨年3月31日、現地自治体などに対し、群発地震は大地震発生に結び付くものではないと報告。しかし、その6日後、マグニチュード(M)6・3の地震がラクイラなどを襲った。(共同)

 これじゃ、地震予知をやろうという科学者が居なくなりそうですね。今の技術レベルで、外したら投獄される可能性があるなんてリスク、背負いたくないでしょう。
 まあ、この専門家連中が、地震あるって結論になってたのにわいろとか貰って言わなかったっていうのなら話は別ですけどねぇ。普通にやって外したんなら仕方無いと思うけどなぁ。
 日記帳の方で、リアルマントルプラン……とまではいかない、地熱利用のために地面を掘ったら地震というか振動というかが頻発して損害賠償を請求された、ってのをちょっと前に紹介しましたが、それに匹敵するくらい何だかなあなニュースですよねぇ。
 70年代の未来科学のイメージって、ISOみたいな組織があって、無公害エネルギーの開発に着手して、地球についても地震についてもかなりいろいろわかってて制御できてるってイメージだったみたいだけど、21世紀になってみたら現実はこうだった、と。

 リアル世界でマントルプランレベルのことを強引にやったら、南部博士、投獄の1回や2回じゃ済まないかもなぁ(汗)。

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 国際科学技術庁本部のシーンから始まるんですが。
 中盤までに出てきた本部ビルと形が違う上に、

N「アメリス国が誇る巨大都市アメガポリス。その都市のほぼ中央に、国際科学技術庁の本部がある」

ですから、一体どうなってるのかが謎です。

 それはともかく、国際科学技術庁本部の廊下で、南部博士はボロンボ博士とすれ違います。

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南部「ボロンボ博士、相変わらず仕事熱心ですな。いかが……」

 折角呼びかけたのに、ボロンボ博士は無視してさっさと立ち去ろうとします。まあ、この時には既にギャラクターに娘を人質にとられて、秘密データを盗み出すように脅されていたので仕方ありませんが。

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 よびかけたのに挨拶もしてもらえない南部博士。

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 ボロンボ博士はさっさと立ち去ります。
 取り残されっぷりが見事な、置き去り南部君……。あまりに見事に無視されて、一瞬絶句して固まってる後ろ姿が、なんだか寂しげでかわいいです。ISOでマントル計画室長をやってる自分が、「仕事熱心」って持ち上げた相手から、ここまで無視されるとは思ってもみなかったのかも。

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「博士、ボロンボ博士!」

 放っておけばいいのに、大声上げてわざわざ呼び止める南部博士。あからさまに無視されたのが気に障ったんでしょうか。

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 南部博士だって、仕事ぶりからいうと、普通の人の2倍も3倍も働いていることは確かです。その南部博士に「相変わらず仕事熱心」と言わせるボロンボ博士の普段の仕事ぶりは、多分相当なものであっただろうと推察されます。が、いくら多忙でも限度というものがあるわけで……。
 上の空だったボロンボ博士も、さすがに気付きますが、「本当に嫌な雨ですなあ」とだけ言ってさっさと廊下の向こうに消えます。やっぱり上の空。ところが本日の本部周辺は快晴。
 不審に思った南部博士が後をつけると、ボロンボ博士は、立ち入り禁止のコンピュータールームのドアを、ペン型のレーザーで焼き切ろうとしていました。
 階段の途中で立ち止まり、見ぃ〜ちゃった状態の南部博士。

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 普通ならここで、「一体何をやっているんだ」と声をかけたり、止めたりするでしょう。ところが、南部博士はそのまま階段を駆け上がります。南部博士が目撃したということを、ボロンボ博士に気取られないように、さっさと姿を消すわけです。そのまま警備室へ向かう。

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 警備室のモニターで、ボロンボ博士の挙動を監視します。

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 さすがに険しい表情です。
 監視しただけではなく、きっちり記録もしたようで、この後、三日月基地の巨大ディスプレィに、ボロンボ博士がコンピューターに怪しい装置をとりつけているところを諸君に見せています。
 仕事熱心で知られている(そして南部博士もそのこ認めている)ボロンボ博士が、スパイのような行動をとるというのは、南部博士にとっても驚きだったと思うのですが、とっさに「止めさせるよりも泳がせる」という判断をするあたりは、実に南部博士らしいです。これまでも、敵を欺くには味方から、というパターンで散々作戦をやってきているわけで、そうでもしないと秘密が保てない状況である以上、怪しいのを見つけたら背後関係まで探って関係者全員引っ張り出さないと、対策したことにはならないということなんでしょう。
 諸君への説明で、南部博士は

あのコンピュータールームは、シークレット回線と呼ばれる極秘事項を収納した、いわば国際科学技術庁の心臓部だ。そして、極秘作戦の1つである、君達科学忍者隊の組織や秘密が、もれなく組み込まれているところでもあるのだ。

 と言ってますから、忍者隊結成も、一応はISOがらみのプロジェクトだったと考えるべきでしょう。南部博士の私兵として作られたのかと思っていましたが、それなら、忍者隊の組織や秘密をISOのコンピューターに入れる必要はありません。とはいえ、アンダーソン長官でさえ忍者隊の秘密を知りませんでしたから、南部博士の権限で行った極秘プロジェクトだったのでしょう。
 笑えたのが南部博士の自問自答。

いや、事態はもっと深刻なのだ。あれほど厳重な警備装置を置き、万全の態勢をとっているにも関わらず、今度のような事件が起きたとなれば、今後の警備態勢ももう一度考え直さねばならない。

と言っておきながら、魚を眺めてちょっと考えただけで、

そうだ。ちょっとした特殊プラスチックでも使用したら、赤外線などは苦もなく騙される。

あっさり警備の抜け穴に気付いてます。博士気付くの早すぎ。というか、こういう事態が起きるまで真面目に考えてなかったのではないかと疑ってしまいます。

 それはそれとして、南部博士が警備室に行ったとき、警備室に誰も居ない様子だったのはいかがなものかと。ボロンボ博士が許可なく立ち入れない部屋にドアを壊して入って変な装置を取り付けていれば、真っ先に怪しんで様子を見に行くのは警備員だし、南部博士が来た時にはその話をするはずですが、そんな様子はありませんでした。一応、警備員が居るシーンもありましたので、警備室担当の方々はパトロールにでも出かけていたのでしょうか。だとしたら、むしろ、警備の穴はそっちではないかと。警備室の監視が無い時間帯を狙えばやりたい放題ってことですから、立派なザルです。南部博士は、赤外線のゴマカシ方を問題にする前に、警備員のシフトの方を問題にすべきではないでしょうか。

リアルカッツェ様ですか

|2010/6/2(水曜日)-23:20| カテゴリー: 雑記
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 asahi.comのこの記事なんですけど。

専用機に自分だけ脱出装置 グルジア大統領、国費6億円
2010年6月1日11時31分
 【モスクワ=副島英樹】グルジアのサアカシュビリ大統領が、自分の専用機に緊急脱出装置を約700万ドル(約6億3千万円)かけて設置したのは国家予算の浪費だとして、野党勢力が非難している。

 脱出装置は1人用。インタファクス通信によると、4月にポーランド大統領ら96人が乗った政府専用機がロシア西部カチンの近くで墜落し、全員が死亡した事故をきっかけに導入を決めた。

 ロシア紙コムソモリスカヤ・プラウダは「最も勇敢な大統領が臆面(おくめん)もなくおびえて再び国民を驚かせた」などと皮肉った。同紙によると、既存の機体に脱出用の穴を開ける改修をすれば、かえって墜落の危険度は増す、と指摘する航空専門家もいるという。

 グルジア野党勢力は、大統領はかつて、民間機しか使わないと言っていたのに、約5600万ドル(約50億円)で専用機を購入したとも指摘。「経済危機を口にしながら、自らの快適と安全のために散財している」と批判を強めている。

 専用機に自分専用脱出装置って、リアルカッツェ様ですか?と、記事を読んだ瞬間大笑いしてしまいました。お付きの人全員墜落でも自分だけ座席ごと射出って……。助かったとしても赤っ恥極まりないような。もっとも、ISOも、47話の長官専用機はイスごと脱出する装置完備だったけど。何て言うか、アニメみたいなことを本気でやる人が居るんだ、というところが妙にツボにはまりました。

 78話「死斗!海底1万メートル」
 ジョーの両親がギャラクターのメンバーで、抜けようとして殺されたことが明らかになる回ですが、そちらはジョーファンの方にお任せするとして……。
 今回は珍しく、ギャラクターとは関係無しに出動することになります。ギャラクターも後からやっては来るのですが、ギャラクター側も運任せの部分があったような。
 仕事のきっかけは、断層地震が頻発中のマリアン海溝にある国際科学技術庁の海底研究所から1週間連絡がないので調査が必要になった、というものです。この調査のために、南部博士は、健とジョーを潜航艇マリンサタン号に乗せて派遣します。ジョーは体調悪そうなんですが、南部博士はジョーに仕事を依頼します。

いや、万一の事故を防ぐためには計画通り実行したい。

よし、念のため言っておくが、もし潜行途中でマリサタン号に事故が起きた場合、たとえどんな状態にあろうとも、任務を放棄し、帰還するように。いいな。なお私達は水中レーダーでマリンサタン号を監視している。では、成功を祈る。

 二人が出発した時点では、海底研究所のトラブルとギャラクターを結びつける証拠は何もありませんでした。南部博士も、ギャラクターとは関係無いと考えて送り出したようで、事故の可能性しか考えていません。
 南部博士も、調査船に出向いてそのまま滞在し、マリンサタン号の監視やら何やら仕事をしています。ジュンは、博士のアシスタント役をこなしています。

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 研究所に向かうのは健とジョーだけです。状況次第では、救助した技術者達を潜航艇に乗せて戻らなければいけない状況なので、最初に大人数で行くわけにもいかなかったのでしょう。ギャラクターを相手にする時は単独行動を戒める南部博士も、今回は2人だけで別行動をとらせています。このことからも、南部博士が、研究所のトラブルとギャラクターとはさしあたり関係がないと考えていたことがわかります。

いや、それもおかしい。ギャラクターははっきりと利益があると見ない限り、手を出さない。海底研究所が今までに集めたデータを整理しても、有益な資源があるとも思われないのだ。

 これが南部博士の考えでした。研究所の業務自体はマントルプランの一環だったかもしれませんが、資源の確保にも結びつかず、さほど重要な位置づけでは無かったことも、ギャラクターがわざわざ手間暇かけて狙うはずはないだろうということの根拠になっていたようです。
 ところが、ギャラクターの海底空母がやってきて、マリンサタン号を追い抜いて海底に向かいます。マリンサタン号よりも先に基地に到着したギャラクターの隊長と兵士達は、研究所に誰もいないことを不思議がっていました。カッツェは、忍者隊が出てくると予想していた口ぶりで命令を出していましたが、研究所からの連絡途絶の調査に忍者隊が出てくることを予想していたというよりは、研究所を襲えば確実に研究所まで忍者隊をおびき寄せることができる、というつもりだったのではないでしょうか。ただ、ギャラクターが到着した時には、既に研究技師達は全員居なくて、ギャラクター側も空振りになってしまいました。
 こんな状態なので、南部博士も不審がります。

おかしい。現在、マリンサタン号以上の高性能な潜航艇を所持している国は無いぞ。やはりギャラクターか……

 考え込んでこんなご様子↓。

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 ほとんど同じコマに見えるんですが、南部博士が頭をかきながら考えるシーンって珍しいです。顎に手を当てて考えるポーズは頻出してるんですが。で、このとき、髪の跳ね具合が微妙に変わるのが何ともかわいい……。

 ところでこの回、ギャラクター潜水艦内の会話がカッツェに筒抜けであったことがわかります。南部博士もゴッドフェニックス内の会話をモニターしていた節があるわけで、南部博士とカッツェって、実は妙なところで似たもの同士なんでしょうか。

 ところで突っ込みポイントを1つ。
 ISOの海底研究所はこんな形です。

078-05.png

 円筒型の部分の下が出入り口で、潜航艇が入るようになっています。研究所内部から見ると出入り口はこうなっています。

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 この海水面ですが、直接外の海とつながっています。ということは、基地内部が海底1万メートルの水圧と釣り合うだけの気圧になっているということなんですが、居住環境としてはまずいですね。もしやるのなら、2重にハッチを設けて、潜水艇が入った後で外側ハッチを閉めて内側ハッチを開ける、といった形で、研究所自体は密閉された構造にして内部を1気圧程度に保っておかないといけません。この構造だと、1万メートルの水圧と同じ気圧が内部の人間にかかっちゃいます。が、そういう描写は無かったような……(汗)。

 結局この回は、ギャラクターが変装した所員を救助したため、マリンサタン号がハイジャックされる結果になり、ギャラクターの海底空母に連れて行かれるのだけど、健が大暴れして無事脱出、という展開になります。
 行方不明だった研究技師達は、潜航艇で調査に出たまま幽霊水にのまれて動けなくなって殉職、という結果でした。行方不明の原因は、ギャラクターとは何の関係もありませんでした。

 今回の調査は、国際科学技術庁の業務の1つでしょう。南部博士が担当しているマントル計画の一部であったかもしれません。資源探査については目ぼしい成果は無かったようですが。ギャラクターとやり合う羽目になってなければ、今回のような仕事が、南部博士の日常になったと思われます。基地に籠もって戦闘の指揮を執るよりも、あちこち出向いて、時には調査船に乗り込んでマントルプランの現場のトラブルシュートをやる、という姿の方が、南部博士には似合っている気がします。特に、諸君のような優秀な若い人達をスカウトできれば、大変頼りになるチームが出来上がります。諸君にしても、事が戦闘でなければ、単独行動が過ぎるとか命令違反は許さん、などと叱りとばされることも無かったでしょう。今回のような仕事を楽しく一緒にやっていくというのが、ギャラクターが来なかった場合に、彼等にとって有り得たもう1つの姿のように思えました。